シューティングゲーム 2Dシューティングゲーム

シューティングゲーム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/18 08:20 UTC 版)

2Dシューティングゲーム

コンピュータゲームでも極めて早期に登場したゲームジャンルで、1962年の『スペースウォー!』が初出とされる。また1947年に開発された『陰極線管娯楽装置』は制限時間内に陰極線管のノブを操作して照準となる光源を航空機に合わせ撃墜するというゲームであった。

2Dとは「二次元的視点」の意味で、オブジェクトの拡大縮小でパースを付けたり3Dポリゴン処理などをしていても2D視点のゲームはこちらに含まれる。なお、攻撃できる射線が一方向なものもあれば、任意に変えられるものも存在する。

固定画面シューティング

画面がスクロールしないシューティングゲーム。世界初のシューティングゲームとされる『スペースウォー!』や『陰極線管娯楽装置』はこの形式。その他の代表的なタイトルは『スペースインベーダー』、『バルーンボンバー』、『アステロイド』、『ロボトロン2084』、『グロブダー』など。

敵を全て破壊すると面クリアとなり、次の面に進むものが多い。なお、自機が全方位に移動・射撃できるものを、日本国外ではこれを闘技場になぞらえて「アリーナ・シューター」と呼んでいる(戦闘エリアが局所的な多方向スクロールシューティングもこれに含まれる)。

縦スクロールシューティング

基本的に画面が主に上から下へ縦方向にスクロールするトップビューの画面構成を持つシューティングゲーム。通称「縦シュー」。『ゼビウス』、『スターフォース』、『テラクレスタ』、『ツインビー』、『究極タイガー』、『雷電』、『バトルガレッガ』、『怒首領蜂』、『東方Project』など。『シルフィード』、『レイストーム』のように3D処理をして手前を大きく、奥を小さく表示する(パース処理)ようにしたハーフトップビューの縦スクロールシューティングもある(この手法は、横スクロールシューティングでも稀に見られる)。

1990年代後半からは障害物の類はあまり出現しない代わりに「敵弾を避ける(避け)を主体とする」というものが多く、大量の弾幕を小さな当たり判定を持つ自機で潜り抜ける弾幕系シューティングというムーブメントが発生した(詳細は、弾幕系シューティングの項を参照)。ただし、それ以前のものには、『スターソルジャー』、『イメージファイト』など地形の概念などのギミックが存在するタイトルも少なくない。

最初から家庭用またはパソコン用として作成されたタイトルでは、その特性上ほとんどがモニターを横置きした画面構成となっている。従って、縦画面構成のタイトルの大多数が業務用として作成されたものであり、横画面構成のタイトル大多数が家庭用ないしパソコン用として作成されたものである。

業務用の縦スクロールシューティングは筐体のモニターを縦置き(3:4)にして使用するものがほとんどである。家庭のテレビが4:3比率だった時代、大半がブラウン管を使用しており縦置きにするのは故障の原因になるため、据え置き型家庭用ゲーム機へ移植する際はゲームを横画面に再構成した状態に移植する必要があった。画面をフルに使うか、横を多少狭めてオリジナルの雰囲気を残すかは個々のタイトルごとに対応が異なるが、いずれにせよ画面が小さくなり解像度が低くなり見にくくなるなどのデメリットが出るのは必然であり避けられない時代が長く続いた。

ただし一部では縦置き可能なモニターでプレイする事を必須とし、オリジナルそのままの縦画面モードを搭載してこれに対応する作品もあった(『ソニックウィングス2』、『レイストーム』、『レイディアントシルバーガン』、『ギガウイング』など)。このモードを実装した作品は極めて少ないが、これは縦置きが可能なモニターは入手が困難か、相応の接続知識が必要になる事から、あくまでも縦表示に拘り、安全に縦置きモニターを設置・運用出来るマニア向けの仕様として搭載されているためである。縦置きがブラウン管タイプより簡単な液晶モニターを使う手もあるが、この場合は家庭用の映像機器接続端子が付いているものや、特殊なアップコンバーター機器を使う必要があるため、やはり簡単ではない。

近年[いつ?]は家庭用のテレビも高解像度化・大画面化が進み、据え置き型ゲーム機も高解像度描画が当たり前になった事から、往年の業務用縦スクロールシューティングを(据え置き型)家庭用ソフトやPC用ゲームとして移植する場合、画面の中央にオリジナルそのまま縦画面を表示する仕様のゲームも出てきた(Xbox 360版『怒首領蜂 大復活』・『虫姫さま』など)。このような仕様になっている作品については大画面テレビを使えば往時の縦型モニターと同サイズかそれ以上の画面サイズを確保出来るのでプレイに支障無く遊べるようになっている。ただし何も対処しないとプレイ画面の両サイドが未表示状態になり寂しい画面になってしまうため、その場合は両脇にゲームに関連したイラストを表示したり、ゲームプレイに役立つ様々なガジェットを表示したりするケースもある(PS4版『バトルガレッガ』・『弾銃フィーバロン』など)。

なお、携帯ゲーム機に移植された場合、据え置き機よりも画面を縦にする事が比較的容易な場合本体を縦に持ってプレイ出来るようにして対応した作品もあった(『カプコン クラシックス コレクション』『ナムコミュージアム』収録作品の一部など)。

横スクロールシューティング

基本的に画面が主に右から左横方向にスクロールするサイドビューの画面構成のシューティングゲーム。通称「横シュー」。『グラディウス』、『R-TYPE』、『ダライアス』、後期の『サンダーフォース』シリーズ、『超兄貴』など。

画面構成がサイドビューになることにより、必然的に上下と地形の概念が発生する。そのため爽快感を追求する方向性に行きやすい縦スクロールシューティングとは対照的に、戦略性を追求するタイトルが多い。ただしごくまれに、『プロギアの嵐』のように(自機が衝突する意味においての)地形が無いゲームも存在する。

横スクロールシューティングはモニターを横置きにして使用するものがほとんどであるが、かつては『スクランブル』、『ジャンプバグ』、『スティンガー』、『バスター』、『フォーメーションZ』などのモニター縦置きの横スクロールシューティングが主流であった。『スカイキッド』は常に左から右へスクロールする。『ディフェンダー』、『チョップリフター』は任意で左右方向にスクロール可能。

1990年代後期より弾幕系縦スクロールSTGに圧される形でタイトルを減少させていったが、アーケード・家庭用共にディスプレイ標準が横に長い16:9比率になった2000年代後期からは再び増加傾向を見せている。

縦横両スクロールシューティング

ごく少数の例外として、『ヴァンガード』、『沙羅曼蛇』、『テラフォース』、『アクスレイ』、『フィロソマ』、『ヘクター'87』などのように、横スクロールシューティングと縦スクロールシューティングが交互に行われる構成のゲームも存在する。

ゲーム進行上の演出として、ステージの途中などでゲームの通常方向のスクロールとは異なる方向への強制的、あるいは選択的なスクロール処理が行われる場合もあり、局所的に縦横両スクロールに見える場合もある。(『グラディウス』『スペースマンボウ』など)

クォータービューシューティング

画面が主に斜め方向にスクロールするシューティングゲーム。背景が3D的になっている。『ザクソン』、『ブレイザー』、『メルヘンメイズ』、『ビューポイント』、『マッドクラッシャー』など極めて少数。

基本的ルールとしては縦スクロールシューティングと同じだが、ザクソンは高度・障害物の概念も入っている(その代わり前後への移動はなし)。

斜め視点なのでスプライトでも敵などが立体的に見えるというメリットはあったが、位置関係が把握しづらく、高度の概念を入れると敵と同高度なのかどうかが解らなかったり、敵弾の機動予測がしづらいなどのデメリットがあり、ゲーム性に幅を持たせにくい。結局、縦スクロールシューティングに統合されるような形で作成されなくなった。

多方向スクロールシューティング

画面がプレイヤーの「任意の方向にスクロール」し、「任意の方向への攻撃」を行うシューティング。別称、任意スクロールシューティング

代表的なタイトルは『ボスコニアン』、『タイムパイロット』、『バンゲリング ベイ』、『エイリアンシンドローム』、『奇々怪界』、『アサルト』、『ワルキューレの伝説』、初期の『サンダーフォース』シリーズ、『グラナダ』、『Geometry Wars』など多岐にわたる。前述のアリーナシューティングや、初期のFPSなども多方向スクロールシューティングの要素を備え、同様の内部処理を行っている場合がある。

スクロール表現に関して分類すると「方向入力を行い続けるとスクロールするタイプ」(『グラナダ』や『アサルト』など)と、「方向入力を行わなくても常にスクロールするタイプ」(『ボスコニアン』など)に分かれる。前者は、多方向スクロールシューティングの要素が濃厚であってもアクションゲームに分類されることも多い。

トンネル・シューティング

戦闘空間が円筒状の曲面であるシューティングゲーム。画面は3次元的表現で描画されるが、戦闘は円筒状の形状の表面に沿うような空間上で行われる。この戦闘空間は、変則的ではあるものの一種の2次元である。『Tempest』、『ジャイラス』、『Space Giraffe』など極めて少数。また、『アーガス』などは通常の縦スクロールシューティングであるが、マップの左右が接続・ループしており、事実上、トンネル・シューティング同様の空間構成であると見なす事もできる。








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