シュルレアリスム 日本におけるシュルレアリスム

シュルレアリスム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 08:51 UTC 版)

日本におけるシュルレアリスム

概要

尾澤辰夫筆『鴨』1938年

日本におけるシュルレアリスムは1920年代後半にまずは詩において開花し、1930年代に美術へと波及した。

詩人では、冨士原清一西脇順三郎瀧口修造北園克衛友部正人友川かずき棚夏針手など。小説家では安部公房が優れた作品を残している。

画家には、古賀春江福沢一郎阿部金剛北脇昇三岸好太郎岡本唐貴靉光寺田政明鎌田正蔵杉全直大塚耕二矢崎博信小山田二郎西村元三朗山下菊二植月英俊などがいる。 写真家では、山本悍右などがいる。

漫画界では、不条理漫画といわれ、つげ義春ねじ式1968年月刊『ガロ』6月増刊号に発表)によって初めてシュルレアリスム的表現の可能性が切り開かれ[要出典]、漫画界のみならず多くの知識人芸術家などに多大な影響を与えるとともに全共闘世代の圧倒的支持を得た[要出典]

日本におけるシュルレアリスムは、ネオ・ダダの系譜にある雑誌『ゲエ・ギムギガム・プルルル・ギムゲム』(1924年-1926年[115])から北園克衛稲垣足穂、宇留河泰呂が、冨士原清一の『列』に合流して日本最初のシュルレアリスム専門雑誌『薔薇・魔術・学説』(1927年-1928年、冨士原清一が主宰[116] )が創刊されるなど、初期においてダダからの流れが重要な役割を果した。

また、愛知県では文化人の間でシュルレアリスムが流行し[117]、特に愛知県名古屋市はシュルレアリストの拠点となっていた。その理由として、愛知県在住の詩人である山中散生がフランスのシュルレアリストと書簡で交流しており[117]、愛知県にはフランスのシュルレアリスムの情報が直接もたらされていたことが挙げられる[117]。同じく愛知県在住の画家であった下郷羊雄も、山中散生に感化されてシュルレアリスムに傾倒し[117]、やがて愛知県のシュルレアリストの中心人物となっていった[117]。当地におけるシュルレアリスムの興隆は、のちに「名古屋のシュルレアリスム」と称される一大ムーブメントとなった。名古屋のシュルレアリスムの系譜に連なる者としては、画家の尾澤辰夫らがいる。

俗語としてのシュルレアリスム

1990年代末期頃から、日本のメディアや俗語において「シュール」であるということは、超現実主義の意味から逸脱して「ナンセンス」「不条理」であるという意味で使われるようになった。あくまで「シュールな」「シュールだ」というように略称でのみ使われ、本来のシュルレアリスムからは独立した別の概念として扱われている。

研究

  • 近年の日本においてシュールレアリスム研究及び大学におけるシュールレアリスムの講義並びに実技(自由連想法を用いたディスカッションを含む)を行っている人物として多田夏雄が挙げられる。著書としてシュールレアリスム論(文星芸術大学紀要)。
  • シュールレアリスム研究家 黒沢義輝は戦前の日本におけるシュールレアリスム研究の第一人者である。
  • メディアアートの講義においてデペイズマンなどシュルレアリスムの技法の解説を行っている人物として中野圭がいる。

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