シットロト踊り 歴史

シットロト踊り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/10 05:09 UTC 版)

歴史

発祥に関しては諸説ある。

  1. 「奈良師」という集落の地蔵堂の庵主がある日の夜に海辺で涼をとっていると聞きなれない歌を歌いながら浜を歩く人がいて、庵主がその人のもとに駆け寄るとお坊さんで、快く庵主に歌と踊りを教え、その後シットロト踊りが生まれた。お坊さんの名を「三蔵」という話もあれば、庵主の名が「三蔵」であるなどこれにも諸説ある[1]
  2. 「奈良師」の浜で助けられた人魚が、お礼に踊りを披露し、不漁続きの時に漁師がその踊りを真似して踊ったところ豊漁になった[1]
  3. 「三蔵」という漁師が魚供養と豊漁を願い、躍り始めた[1]

などあるがいずれにせよ300年以上前の江戸時代中期頃[6][11]、一説には1679年延宝7年)の室戸港開港時が由来であるとされている[12]

一時踊りの歴史は途絶えたが復興し今に至る。その復興は以下のようなものである。

1901年(明治34年)、1902年(明治35年)頃に鰹漁が次第に不振となり幾つか廃棄する船も出たが1913年(大正2年)から土佐礁の発見・石油発動機附漁船の登場にまた勃興するに至った。しかし朝早くに港を出て夜遅くに帰港するということで当時の町長・奥宮正治が荒天怒濤と闘いつつ仕事に励む漁業関係者に慰労を与えることにした。しかし盆踊りのような男女入り混じるものだと風紀が乱れると考え、結果的に古老を集め協議してシットロト踊りを復興することとなった[13][14]

令和となり感染症の世界的流行が起こり2020年(令和2年)はその影響で中止になったが、翌年まだコロナウイルス(COVID-19)が蔓延している最中開催された[7][8]2022年(令和4年)も開催されたが新型コロナウイルスの影響がまだあるため大幅にめぐる箇所を減らし17カ所で奉納した[15]。そして2023年7月27日開催時にはついに4年ぶりの通常開催となった[16]


  1. ^ a b c d e f g h Web高知-土佐路ぶらり-シットロト踊り”. www.webkochi.net. 2023年5月26日閲覧。
  2. ^ a b 川島 2005, p. 286.
  3. ^ シットロト祭り(室戸)”. 室戸市教育委員会. 2023年5月26日閲覧。
  4. ^ シットロト踊”. 高知県. 2023年5月29日閲覧。
  5. ^ a b c d シットロト踊 文化遺産オンライン”. bunka.nii.ac.jp. 2023年5月26日閲覧。
  6. ^ a b シットロト踊り | 一般社団法人室戸市観光協会 公式ホームページ”. 2023年5月26日閲覧。
  7. ^ a b 「最後は神様仏様」ーー技術発達した令和の時代、300年続く“踊り”で大漁祈る漁師たち - 遠枝澄人 | Yahoo! JAPAN クリエイターズプログラム”. creators.yahoo.co.jp (2023年3月26日). 2023年5月26日閲覧。
  8. ^ a b シットロト踊保存会 | アーツカウンシル高知 - ARTS COUNCIL KOCHI -”. 2023年5月26日閲覧。
  9. ^ 植木 2010, p. 236.
  10. ^ a b c シットロト踊り Shittoroto Dance 祭紹介”. まつりーと. 2023年5月26日閲覧。
  11. ^ https://www.facebook.com/asahicom+(2018年7月24日).+“高知)夏空の下、豊漁祈りシットロト踊り 室戸:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2023年5月26日閲覧。
  12. ^ 高橋 1978, p. 230.
  13. ^ 吉岡 1938, p. 55.
  14. ^ 日本常民文化研究所 1972, p. 479.
  15. ^ 漁師ら豊漁祈りシットロト踊り 高知県室戸市 | 高知新聞”. www.kochinews.co.jp. 2023年5月26日閲覧。
  16. ^ 日本放送協会 (2023年7月28日). “高知 室戸 豊漁や海の安全を祈る「シットロト踊り」奉納 | NHK”. NHKニュース. 2023年7月28日閲覧。
  17. ^ 吉岡 1938, pp. 56–60.





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  シットロト踊りのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「シットロト踊り」の関連用語

シットロト踊りのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



シットロト踊りのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのシットロト踊り (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS