ゴシキヒワ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/18 10:23 UTC 版)
人間との関係
愛玩鳥
姿形がよく、さえずりが美しいので世界中で愛玩鳥として飼われている。本種のオスとカナリアのメスを掛け合わせ、ミュールと呼ばれるより美しいさえずりを奏でるオスの交雑種を得ることもよく行われ、しばしば期待通り両種のさえずりの長所をあわせもつ個体が得られることがある。こういった交雑個体は日本に輸入されており、カナリアなどと共に店頭で売られているが、日本ではハイブリッドと呼ばれている。本種そのものもかなりの数が輸入されている。
民俗
キリスト教において受難の象徴とされるアザミの種子を食べるので、本種もまた民間信仰においてキリストの受難の象徴に用いられ、茨の冠などと関連付けられた。絵画においては聖母子像に頻出し、幼子イエスと聖母マリアの迎える運命であるキリストの磔刑を暗示する。フェデリコ・バロッチの聖家族を描いた絵画では洗礼者ヨハネの掌中に本種が握られ、猫の興味をひかないようにその手は高くに掲げられている。チマ・ダ・コネリアーノの聖母子像では、本種が幼子イエスの手の中で羽ばたく様子が描かれている。本種はまた、忍耐と豊穣、継続の象徴としても用いられる。受難の象徴から転じてさらに本種は救世主を意味する鳥とも考えられ、罪悪や疫病の象徴であるハエとともに描かれた。これには主イエスがそういった厄災から救ってくださるようにとの、信者の願いが込められている。中世においては本種は疫病よけのお守りやまじないに用いられた。
ゴシキヒワをモチーフにした作品
ギャラリー
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ピエロ・デラ・フランチェスカ『キリストの降誕』(1470年–1475年)。ゴシキヒワは左端の音楽家の足の左側の低木に描かれている。
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レオナルド・ダ・ヴィンチ『リッタの聖母』(1490年-1491年)。幼児キリストは左手にゴシキヒワを持っている。
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ラファエロ・サンツィオ『ヒワの聖母』(1505年–1506年)。
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アブラハム・ミグノン『リスとゴシキヒワのいる果実の静物』(1668年頃)鳥の水を引く行動を描いている。
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ヘラルト・ドウ『ブドウの房のある窓の少女』(1662年)。
固有名詞の分類
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