キングコング (架空の怪獣)
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東映アニメーションのコング
日米合作テレビアニメ『キングコング』(1966年)に登場。
東映動画(現東映アニメーション)では、アニメのキングコングが製作され、ハンナ・バーベラ版のゴジラと同じように、人間に友好的で、子供たちと共に世界を冒険していくという内容で、襲いかかる恐竜や、悪者たちと戦っていく内容だった。
はっきりした大きさは不明だが、「台風にも大津波にも負けない」と主題歌で唄われるほどで、作中の船と比べると、少なくとも東宝版に近い数十メートルサイズの巨体を誇っている。
ジョン・ギラーミン版のコング
ジョン・ギラーミンの監督映画2作品に登場。
着ぐるみと原寸大の造形を交互に使用して制作され、造形制作はリック・ベイカーとカルロ・ランバルディが担当、着ぐるみはリック・ベイカーが兼任、声はピーター・カレンが担当した。設定では身長16.8メートル。
『キングコング』 (1976年の映画)
『キングコング』(1976年)では、南太平洋にある未開の島の原住民たちから神として崇められ、島に訪れた女優のドワンを生贄として捧げられる。ドワンに惹かれ連れ去るも、彼女を守るために大蛇と格闘中にドワンの救出に来た動物学者ジャック・プレスコットによってドワンを奪還されてしまい、ドワンを取り戻すため彼らを追いかけるも油田開拓のために島へ訪れていたフレッド・ウィルソンに捕らえられ、ニューヨークに連れてこられた。
だがお披露目の際、ドワンがマスコミに囲まれている姿を見て彼女が攻撃されていると勘違いし脱走、フレッドを踏み殺してニューヨークの街中を暴れ回り、ドワンを連れて世界貿易センタービルに登り出す。最期はアメリカ軍の火炎放射器隊とヘリコプター隊の機銃掃射によって追い詰められ、致命傷を負ってビルの頂上から落下した。
『キングコング2』
続編『キングコング2』(1986年)では生存していたことが判明し、ジョージア州アトランティック大学研究所にて10年間昏睡状態となっていたが、ボルネオ島のジャングルで捕らえられた雌のレディコングの輸血により人工心臓を移植され復活した。だがレディコングの悲鳴を聞いて暴れ出し、レディコングとともに山へと姿を消す。
その後、ハンク・ミッチェルによってレディコングが発見され、エイミー・フランクリンによって、レディコングが実は妊娠していることが明らかになって、その後でレディコングを守るために姿を現すも、ネヴィット中佐率いる陸戦部隊に狙われ、執拗な追撃を受ける。
やがてレディコングを救うためにネヴィットの陸戦部隊と戦い、全滅させるものの力尽きて絶命する。だが、レディコングとの愛の結晶であるリトルコングが産まれて育っていく。
ピーター・ジャクソン版のコング
ピーター・ジャクソンの監督映画『キング・コング』(2005年)に登場。
本作品のコングはアンディ・サーキスの演技を用いたモーションキャプチャで表現された。
髑髏島の古代文明を築いた古代人たちがユーラシア大陸から導入したギガントピテクスの進化系であり、体長7.5m、体重3.6tの巨体を誇る。種族自体は髑髏島での過酷な生存競争に敗れ死に絶えており、劇中に登場するコングが最後の生き残りとなっている。そのため攻撃的な気難しい性格となっており、後に髑髏島に住み着いた島民たちの捧げる生贄も容赦なく惨殺していた。
過去作と異なり、直立二足歩行はせずオリジナル版と同様に通常のゴリラと同様に腕を付いて四足歩行を主にし、習性も本物のゴリラと同様に再現された。食性は当初の設定では恐竜を捕食する肉食性として描かれたが、演技のために独自にゴリラを研究したサーキスの反対もあり、通常のゴリラと同様に竹を食べる草食動物として描かれた。
オリジナル版と同様に原住民たちに生贄として捧げられたアンを攫うも、同じく孤独を抱えることからお互い徐々に心惹かれていくようになる。そして彼女を守ろうと襲いかかる肉食恐竜や翼竜をも次々と倒していくが、デナムによって捕らえられニューヨークで披露された際は、罪悪感からショーへの参加を拒んだアンの代役として登場した女性に怒りを爆発させ脱走、彼女を探しニューヨークを暴れ回った。騒ぎを聞きつけたアンとの再会に歓喜し、ようやく感情を宥められ。互いに心を通じ合わせるものの、軍の攻撃を受けてエンパイア・ステート・ビルへと追い詰められ、空軍の戦闘機6機との死闘の末に3機を撃墜するも、力尽きアンに看取られながら墜落死した。
注釈
- ^ 資料によっては、「2万5千トン」[出典 7]、「4万5百トン」[17]と記述している。
- ^ 資料によっては「出生地」として記述している[2][6]。
- ^ 数度に渡る作り直しなど、かなりの試行錯誤があったという[37]。
- ^ 書籍『東宝特撮映画大全集』ではヤク[30]と記述している。
- ^ 開米は、『獣人雪男』の時は自身で染めていたが、本作品のころには染屋が増えており、あらかじめ染めてもらうことができたと証言している[7]。
- ^ 書籍によっては、後者をアクション用と記述している[11]。
- ^ 頭部が2種類あることや、腕の長さの違いから、資料によってはスーツが2着用意されたと記述しているものもあった[26][42]。
- ^ 資料によっては「800トン」と記述している[8]。
- ^ 資料によっては、「出生地」と記述している[6]。
- ^ 書籍『キャラクター大全ゴジラ』では、マスクのみ2種類作られたと記述している[50]。
- ^ 架空の爆弾。ライターの二木知宏によれば、パッカード役のサミュエル・L・ジャクソンが重要な役で出演していた「スター・ウォーズシリーズ」に登場した爆弾「サイズミック・チャージ」へのオマージュだろうという[69]。
出典
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