エーベルージュ 概要

エーベルージュ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/16 09:44 UTC 版)

概要

富士通初のオリジナル恋愛シミュレーションゲーム。惑星ワーランドにあるカダローラ王国を舞台に、カダローラ魔法学園 トリフェルズ校(通称:トリフェルズ魔法学園)に入学した主人公が、友達との交流を通して自らの能力を高め、クラスメートから告白を受けること、さらに「創造魔法」を習得してワーランドを危機から救うことを目的とする。

キャラクターデザインに北爪宏幸、シナリオにはイタバシマサヒロを起用。声優はメディアやプラットフォームが変わる際に変更されることが多く、例えばカレナック(主人公)役は3人の声優が担当した。販売本数は、PC版が『エーベルージュ』『エーベルージュ スペシャル 〜恋と魔法の学園生活〜』合計で約3.5万本、コンシューマ版『エーベルージュ』が約10万本[2]。なお、人名・地名の多くはドイツ語から採られている。

1998年1月には富士通、タカラ(現タカラトミー)、アスキー(現KADOKAWA)、ユーメックス文化放送セントラルミュージック角川書店(現KADOKAWA)の7社により、『エーベルージュ』を核としたメディアミックスプロジェクト「ワーランド・プロジェクト」が発足[2]。ゲーム『エーベルージュ2』『トリフェルズ魔法学園』のほか、ラジオ番組(ラジオドラマ)、ドラマCD、漫画の各企画が展開された。また2001年8月には、iアプリネットワークゲーム『エーベルージュi 恋と魔法の学園生活』のサービスが開始された(同年9月末まで)。

エーベルージュ

シリーズ第1作。トリフェルズ校初等部入学からスタートし、5年間(初等部2年、高等部3年)の学園生活を送る。魔法学園トリフェルズには、各地から才能ある子どもたちが集められ、未来の魔法使いを目指しながら日夜勉強や魔法の修行に励んでいる[3]

少年期の間は学園で平和に日々を過ごしてきた。思春期の3年間は少年期で培ってきた学力を活かす事になる。何気ない出来事の中から王国の異変を感じていく。それは後に王国の存亡に関わる危機へと発展する。主人公は王国を救う重要な存在となる[4]

本編は前後編の2部構成となっている。前編は主人公が9~10歳、後編は14~16歳の学園生活を送ることになる。前編では主人公と仲間たちとの友達関係を育むことと、魔法使いになるための勉強が中心となる。少年期の行動は、思春期になってからの友人関係にも影響する。後編は、学園外での冒険と[1]少年期で友達関係にあった女の子たちとの友情を恋愛に発展させることが目的となる[5]。プレイヤーの選んだ選択肢によって、ストーリー展開が変化するマルチシナリオを採用している。[1]

使い手のイメージを実体化する「創造魔法」の術師を育成する全寮制の学校の生徒として5年間を過ごす育成型シミュレーション[6]

1996年7月にWindows版およびClassic Mac OS版が発売。初回特典としてマウスパッドが付属した。同年11月にはPlayStation(PS)への移植が発表され[7]、1997年5月にタカラよりPS版およびセガサターン(SS)版が発売された。その際にフルボイス化されている。また2000年8月には、サイバーフロントよりWindows版の廉価版(PCゲームBESTシリーズ Vol.31)が発売された。このほかに、中国語版と韓国語版が発売されている。

エーベルージュ スペシャル 〜恋と魔法の学園生活〜

シリーズ第2作。前作は期間が5年と長く、イベント密度が低くなってしまったことから、主人公が高等部に編入する形を取ることにより、プレイ時間の短縮とイベントの高密度化を図った。

1997年9月にWindows版が、1998年6月にタカラよりコンシューマ版(PS、SS)が発売。前作のCD-ROM(Win版)またはセーブデータ(コンシューマ版)を使用することで特殊イベントが発生する。また、コンシューマ版には新規イベントが追加され、『エーベルージュ2』のヒロイン、マールも登場する。Windows版の初回特典はノイシュ・デフォルメキャラ人形。

エーベルージュ2

シリーズ第3作。『エーベルージュ』の3年後を舞台に、前作主人公の弟を育て、同級生7人と共にカダローラ王国の危機を救う。期間は高等部入学時からの約3年間で、前作までのキャラクターの一部が教員などになって登場する。

1998年3月にWindows版が、1999年2月にタカラよりPS版が発売。デザインワークスはスタジオOXが手がけた。Windows版の予約特典は「三石琴乃描き下ろしオリジナルグッズ」。

対戦恋愛シミュレーション トリフェルズ魔法学園

前述の「ワーランド・プロジェクト」の一環でアスキーより発売された対戦型恋愛シミュレーションゲーム。7人の女性キャラクターの好感度をライバルと奪いあい、セントバレントデーに多くのチョコレートをもらった方が勝ちとなる。プレイヤーキャラクターは、カレナック・スタンベルク・ネルト・バイケルの4人から選択する。

プロジェクト発足時には1998年9月発売予定とされていたが[2]、発売は2000年4月となった。初回特典は、コーの等身大リバーシブルポスター。2001年10月に廉価版『ASCII CASUAL COLLECTION 対戦恋愛シミュレーション トリフェルズ魔法学園』が発売された。


  1. ^ a b c 『電撃王 通巻50号』主婦の友社、1996年6月1日、140頁。 
  2. ^ a b c “7社合同の「ワーランド・プロジェクト」発進! ゲームソフト「エーベルージュ」を核にメディアミックス事業を展開” (プレスリリース), 富士通株式会社, (1998年1月28日), http://pr.fujitsu.com/jp/news/1998/Jan/28-2.html 
  3. ^ 電撃PlayStation Vol.44. 主婦の友社. (1997年4月11日). p. 25 
  4. ^ PlayStationMagazine No.10. 徳間書店. (1997年5月30日). p. 119 
  5. ^ PlayStationMagazine No.8. 徳間書店. (1997年4月25日). p. 56 
  6. ^ PlayStationMagazine No.11. 徳間書店. (1997年6月13日). p. 137 
  7. ^ 電撃PlayStation Vol.34(1996年11月22日号)掲載。
  8. ^ 電撃PlayStation Vol.34. 主婦の友社. (1996年11月22日) 
  9. ^ PlayStationMagazine No.8. 徳間書店. (1997年4月25日). p. 57 
  10. ^ 電撃PlayStation Vol.49. 主婦の友社. (1997年6月27日). p. 67 
  11. ^ a b 『エーベルージュ』イメージガール。ラジオ番組『三石琴乃のエーベルージュ伝説』のアシスタントも務めた。
  12. ^ “富士通が新レーベル「fin fin」を設立! 〜第一弾としてCD-EXTRA「エーベルージュ伝説」を発売〜” (プレスリリース), 富士通株式会社, (1996年8月21日), http://pr.fujitsu.com/jp/news/1996/Aug/21.html 






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