ウインドシンセサイザー 利用場面

ウインドシンセサイザー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/21 08:36 UTC 版)

利用場面

ウインドシンセサイザーは管楽器系の音色を奏でるのに最適である。また、単音にほぼ限定されるが、ヴァイオリンヴィオラチェロ等の擦弦楽器の音色との親和性も高く、特に弦楽器奏者を擁しない小規模の楽団で利用価値が高まる。

ウインドシンセサイザーは主にフュージョンと呼ばれるジャンルに属する楽曲で用いられるが、特殊なソロ楽器として吹奏楽に用いられる場合も少数ながらある。また、多彩な音色を容易な操作性で得られることに着目し、学校での器楽教育に用いられることもある。この場合は学校教育用に簡略化された楽器を用いる。

楽器の現物を入手しにくい民族楽器古楽器を扱う楽曲にウインドシンセサイザーは最適である。これらの音色は一般的に出回っている音源モジュールに収録されていることが多く、鍵盤操作では貧弱になりがちなこれらの音色も、ウインドシンセサイザーで奏でれば迫力のあるものになるだろう。

特徴的な外観で、ステージでのパフォーマンスも効果的に行いやすいので、ライブ活動を行う演奏家にも適している。

打ち込みで制作される楽曲の旋律部分をウインドシンセサイザーで加えることにより、打ち込み特有の平板な印象を消すことができる。ウインドシンセサイザーの演奏をシーケンサーでリアルタイム録音する場合、アフタータッチやピッチベンドのMIDIメッセージが大量に(場合によっては過剰に)流れ込んでくるため、適宜データを間引くなどの対策は考えるべきである。このことは古いハードシーケンサーや記憶容量に限りのある環境でシーケンスソフトを用いる場合重要である。

調性の設定・調律

ウインドシンセサイザー自体は移調楽器ではない。しかしサクソフォーンやクラリネットの譜面をそのまま扱えるようにするため変ロ調(B♭;クラリネットやテナーサクソフォーンの調性と同一)や変ホ調(E♭;アルトサクソフォーンなどの調性と同一)に設定する機能を有しているのが一般的である。

この機能を持たない機種ならば、音源の方でトランスポーズの設定を-2に設定すれば変ロ調、+3もしくは-9に設定すれば変ホ調となり、結果的に同一の効果が得られる。変ロ調、変ホ調に限らず任意の調性を選ぶことができるので、演奏の都合などを考えてもっとも好ましいのを選べばよい。

他の管弦楽器と合奏する場合はウインドシンセサイザーの接続されている音源を適切に調律する必要がある。もっとも、純粋なアナログシンセサイザーを用いない限りは他の楽器のように気温に影響されることを考慮する必要はない。

代表的なウインドシンセサイザー奏者

ウインドシンセサイザーだけを専門的に扱うプロの演奏家は、おそらく存在しないと推測される。サクソフォーン奏者が持ち替えで使用する場合が多く、日本ではT-SQUAREの歴代サックス奏者である伊東たけし本田雅人宮崎隆睦などが、海外ではマイケル・ブレッカートム・スコットなどが有名である。またクラリネット奏者の若林愛もヴァイオリニストの天野恵とのユニット「Megumi♡Kei」で活動する際は、ウインドシンセサイザーに持ち替えて演奏することがある。








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