ウィル・スミス (投手)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/05 15:56 UTC 版)
経歴
プロ入り前
2007年にMLBドラフト40巡目(全体1192位)でタンパベイ・デビルレイズ(現:レイズ)に指名されたが、契約せずにガルフ・コースト・コミュニティ大学(現:ガルフ・コースト州立大学)に進学した。
プロ入りとエンゼルス傘下時代
2008年にMLBドラフト7巡目(全体229位)でロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムから指名され、プロ入り。
ロイヤルズ時代
2010年7月23日にアルベルト・カヤスポとのトレードで、ショーン・オサリバンと共にカンザスシティ・ロイヤルズへ移籍した[1]。
2012年5月23日のニューヨーク・ヤンキース戦で先発し、メジャーデビューを果たした。2度目の登板となった5月29日のクリーブランド・インディアンス戦でメジャー初勝利を挙げた。6月に一度マイナーへ降格したが、オールスター後に再昇格してからはシーズン終了まで先発ローテーションに入った。
ブルワーズ時代
2013年12月5日に青木宣親とのトレードで、ミルウォーキー・ブルワーズへ移籍した[2]。
2014年は完全にリリーフに転向。最終的にナショナルリーグトップタイの78試合に登板し、防御率3.70、1勝3敗1セーブ・WHIP1.42という成績を残した。65.2イニングを投げ、四球が多かったので与四球率は4.2だったが、一方で凄まじいペースで三振も奪い、86個奪って奪三振率11.8を記録した。
2015年5月21日のアトランタ・ブレーブス戦に登板した際、右腕に滑り止めとみられる異物を塗っていたとして退場処分を受け、22日にMLBより8試合の出場停止処分を受けた[3]。この年は、リーグ5位タイの76試合に登板。防御率2.70・7勝2敗・WHIP1.20という好成績を記録し、ブルペンの核のような存在に成長。与四球率を下げつつ奪三振率は向上して12.0を超え、大きく飛躍したシーズンだった。
2016年3月27日にシャワー室で片足立ちになって靴を脱ごうとした際、バランスを崩し、ヒザの外側側副靭帯を部分断裂して6月上旬まで故障者リストで過ごした[4]。
ジャイアンツ時代
2016年8月1日にアンドリュー・スザック、フィル・ビックフォードとのトレードで、サンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍した[5][6]。ジャイアンツ加入後は26試合に登板して防御率2.95、1勝1敗、WHIP1.20、ブルワーズとの合算では53試合で2勝4敗、防御率3.35、WHIP1.22の成績をマークした。ポストシーズンではシカゴ・カブスとのディビジョンシリーズ第3戦での延長11回に初登板。1回を3者凡退で抑えたものの、続く第4戦では9回カブスに2点差に追い上げられて迎えた無死2、3塁のピンチの場面で登板したものの、ウィルソン・コントレラスに同点に追いつかれる2点タイムリーを打たれて敗戦投手となってしまい、チームのディビジョンシリーズ敗退の一因を作ってしまった。
2017年3月24日にトミー・ジョン手術を行うことが発表され、同年シーズンは全休することになり、2018年シーズンでの復帰を目指すことになった[7]。
2018年に2シーズンぶりに復帰。最終的に54試合に登板して2勝3敗14セーブ、防御率2.55、71奪三振を記録した。
2019年は自身初めてオールスターゲームに選出された。オールスターゲームではジョーイ・ギャロから初級を本塁打にされている。最終的に63試合に登板して6勝0敗34セーブ、防御率2.76、96奪三振を記録。オフにFAとなった。11月4日にジャイアンツからクオリファイング・オファー (QO) を提示されたが、契約には至らなかった。
ブレーブス時代
2019年11月14日にアトランタ・ブレーブスと3年総額4000万ドル(4年目はオプション)の契約を結んだ[8]。
2021年は年間を通してチームの抑えを務めた。チームはポストシーズンを勝ち進め、ワールドシリーズに進出し、ヒューストン・アストロズと対決。11月2日の試合には7-0とリードしていた場面だったが、9回に登板し、26年ぶり4度目のワールドシリーズ優勝に貢献し、自身初めてワールドシリーズ優勝を経験した[9]。
アストロズ時代
2022年8月2日にジェイク・オドリッジとのトレードで、ヒューストン・アストロズへ移籍した[10]。チームはワールドシリーズに進出し、スミスもロースターに登録された[11]。スミス自身の登板機会は無かったものの、アストロズは4勝2敗でフィラデルフィア・フィリーズを下し、スミスは2年連続でワールドシリーズ優勝を経験した[11]。
レンジャーズ時代
2023年3月4日にジャイアンツ時代の監督であるブルース・ボウチーが監督に就任したテキサス・レンジャーズと1年契約を結んだ[12]。 5月24日のピッツバーグ・パイレーツ戦でセーブを挙げ、メジャー通算100セーブを達成した。また同時に史上13人目となる「100セーブ・100ホールド」の達成者となった[13]。チームはポストシーズンを勝ち進み、ワールドシリーズに進出し、スミスもロースターに登録された。レンジャースは4勝1敗でアリゾナ・ダイヤモンドバックスを下し、スミスはポストシーズン史上初、3年連続でワールドシリーズ優勝を経験した[11]。また、他の北米4大プロスポーツリーグ(NFL、NBA、NHL)を見ても、3年連続で異なる3チームで優勝を経験したのは史上初のことだった[14]。
ロイヤルズ復帰
2023年12月11日に古巣のカンザスシティ・ロイヤルズと1年契約を結んだ[15]。
- ^ Los Angeles Angels get Alberto Callaspo from Kansas City Royals for 2 pitchers ESPN Los Angeles
- ^ Brewers trade OF Nori Aoki to Royals for LHP Will Smith CBS Sports
- ^ スミスに8試合出場停止=米大リーグ 時事通信
- ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2017』廣済堂出版、2017年、426頁頁。ISBN 978-4-331-52084-0。
- ^ “Giants pay steep price, acquire reliever Will Smith from Brewers” (英語). San Jose Mercury News. 2016年8月4日閲覧。
- ^ “Giants add left-hander Smith in deal with Brewers” (英語). MLB.com. 2016年8月4日閲覧。
- ^ Mark, Townsend. “Spring Training 2017: Giants lose key reliever Will Smith to Tommy John surgery” (英語). Yahoo. 2017年4月5日閲覧。
- ^ Mark Bowman (2019年11月14日). “Braves sign All-Star LHP Smith to 3-year pact” (英語). MLB.com. 2019年11月16日閲覧。
- ^ Anthony Castrovince (2021年11月2日). “Braves win 1st World Series title since 1995” (英語). MLB.com. 2021年11月3日閲覧。
- ^ “Braves, Astros Swap Will Smith For Jake Odorizzi” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年8月2日閲覧。
- ^ a b c Theo DeRosa (2023年11月2日). “Will Smith a one-player dynasty with individual three-peat” (英語). MLB.com. 2023年11月4日閲覧。
- ^ “レンジャーズ、救援左腕スミスと1年契約 ボウチー監督と旧知の仲”. 日刊スポーツ. (2023年3月5日) 2023年6月18日閲覧。
- ^ 宇根夏樹 (2023年5月25日). “セーブとホールドの「100-100」をウィル・スミスが達成する。左腕では史上初”. Yahoo!ニュース 2023年6月18日閲覧。
- ^ Dayn Perry (2023年11月1日). “Rangers reliever Will Smith makes history with third World Series win with third different team in three years” (英語). CBS. 2023年11月4日閲覧。
- ^ “Royals Sign Will Smith”. MLB Trade Rumors (2023年12月10日). 2023年12月13日閲覧。
- ^ 2014年7月2日 ブルージェイズ戦で計測
- ウィル・スミス (投手)のページへのリンク