アカギ 〜闇に降り立った天才〜 アカギ 〜闇に降り立った天才〜の概要

アカギ 〜闇に降り立った天才〜

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/30 21:09 UTC 版)

アカギ
ジャンル 麻雀漫画
漫画
作者 福本伸行
出版社 竹書房
掲載誌 近代麻雀
発表期間 1992年4月号 - 2018年3月1日号
巻数 全36巻
話数 全306話
アニメ:闘牌伝説アカギ 〜闇に舞い降りた天才〜
原作 福本伸行
監督 佐藤雄三
シリーズ構成 高屋敷英夫
脚本 高屋敷英夫、筆安一幸浦畑達彦広田光毅
キャラクターデザイン 梅原隆弘
音楽 タニウチヒデキ
アニメーション制作 マッドハウス
製作 日本テレビ
放送局 日本テレビ
放送期間 2005年10月4日 - 2006年3月28日
話数 全26話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画アニメ
ポータル 漫画アニメ

概要

同著者作品『天 天和通りの快男児』からのスピンオフとして、同作の登場人物である“伝説の雀士”赤木しげるの高い人気を受け、彼を主役とし、その若き日の伝説を築き上げていく姿が描かれた作品。他の作品同様、その人気の理由は人間の内面を事細かな心理描写をもって表されているところにあり、福本作品の中で最長連載記録を打ち立てた(単行本数は『賭博黙示録カイジ』シリーズの方が多い)。2017年2月時点でコミックスの累計発行部数は1200万部を突破している[1]

心理描写が作品の中心ということだけあって、時に遅々として物語が先に進まないこともある。著者の福本はテレビアニメ版のガイドブック上でのインタビューで「短くしたいと思っている」と語っていたものの、「鷲巣麻雀編」に至っては、作品内の設定では半荘6回の勝負であるが、決着に20年近くを費やした。2013年には決着を思わせる決定的な局面を迎えたものの、舞台は「地獄」に移り、鬼退治編に突入。麻雀は完全に中断され、地獄の屈強な鬼たちと、鷲巣たち亡者とのコミカルな戦いが約1年にわたり描かれ続けた。その後、鷲巣が地獄の幻想から目を覚まし闘牌が再開されたオーラスは約3年を費やした。「近代麻雀」2017年4月1日発売号掲載回で、序章を含めると20年に渡った「鷲巣麻雀編」が決着した。なお、担当編集者は長期連載の途中で離れていった読者の存在を認める[2]一方で「面白いアイデアを積み上げていった結果」であり、引き延ばしではないと述べている[3]

福本は講演会において「鷲巣戦の後もストーリーは続けていく」との旨を発言しており、鷲巣戦終了がすなわちアカギ完結ではないことを示唆していたが、2017年2月12日に、この時点で残り11回が最終章であること、2018年2月1日発売号掲載回において最終回とすることが宣言され[4]、実際に完結した[5]。ただし、シリーズの完全終了というわけではなく、「近代麻雀」編集部によると「不定期に連載の続きを発表していく用意はある」としている[2]。近代麻雀2019年5月1日発売号において、『天 天和通りの快男児』・『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』の続編となる『闇麻のマミヤ』の第0話が掲載された[6]。近代麻雀2019年7月1日発売号より本格連載開始。

あらすじ

以下の金額は舞台となる年代当時のものであり、連載当時の価値に換算した金額がナレーションで入れられることがある。連載中は貨幣価値の変動がほぼ無かったために、初巻から鷲巣編までほぼ10倍以上で一定している(例えば第5話において「昭和33年の三百万は今の三千万以上」とナレーションが入り、第296話(鷲巣編の終わり)では「昭和40年の6億は現在の価値で約60億」と入る)。

中学生編(1-3巻)

1958年、深夜の雀荘。ツキの無い一般人・南郷は借金300万円の返済と自分の命を賭けて、貸主である川田組のヤクザ・竜崎と賭け麻雀に興じていたが、もはや後が無いほどまで追い詰められていた。そんな中、突然、一人の中学生・赤木しげる(アカギ)が現れる。実はアカギは不良少年同士のチキンランを生き残り、警察から逃亡中であった。流れを変えたい南郷は俺の甥だと嘘をつき、雀荘に留まることを許す。偶然か流れが変わり南郷はテンパイするまで持ってくるが、竜崎のリーチを警戒し、強く打つことができない。その様子を背後から見ていたアカギは「死ねば助かるのに…」と呟き、それを受けて南郷が開き直って打ち出すとロンはされずに、そのまま上がりに繋がり逆転を果たす。アカギから勝負強さを感じ取った南郷は、まだ麻雀のルールも知らないという彼に即席でそれを教え、代打ちに任す。そして非凡な才能を発揮したアカギは、竜崎や、プロの代打ち・矢木をたやすく倒してしまう。捜査の途中で雀荘にやってきた悪徳刑事・安岡もまたアカギの才能を知り、まだ勝負を続けたいという彼と川田組を仲介する。

かくしてアカギは800万円を賭けて、川田組若頭・黒崎の用意した裏世界で5本の指に入ると評される盲目の代打ち・市川と対決することとなる。

浦部編(4-7巻)

1964年。「伝説の夜」とも呼ばれたアカギと市川の戦いから6年経つが、それ以来、アカギは姿を消していた。その中で、安岡は代打ちを探していた川田組長にアカギを紹介する。「伝説の夜」にも同席していた若頭・石川は、その(実はニセモノの)アカギに違和感を覚える中で、昼間は町工場で働き、夜な夜なチンピラに喧嘩を吹っ掛けて過ごす本物のアカギを発見する。

川田の余興でアカギとニセアカギの麻雀勝負が決まるが、当日、ニセアカギは藤沢組の代打ち浦部の罠に嵌り、危機に陥る。ニセアカギを見限った川田は、3200万円の大金を賭けた勝負の代打ちをアカギに頼み、7万点のリードを持つ浦部と戦う。

仲井編(6巻 51話 - 7巻 56話)

浦部との戦いから数週間後。治はアカギに憧れ雀荘に通うも、彼のような華麗な打ち回しはできず悩んでいた。そこにアカギと戦いたいという真剣師の仲井に声を掛けられる。治は自分もアカギの居場所を知らないと答えるが、そこ偶然にアカギが現れる。仲井はアカギに半荘1回の勝負を挑み、アカギの勝負を受ける代わりに負けたら腕一本落とす、という条件にも躊躇せず飲む。

仲井は仲間との巧みな通しを使ってアカギを倒そうとするが、アカギはそれを容易く見破った上で勝負を進めていく。

鷲巣編(7巻 57話 - 35巻)

1965年。東京都内で、血が抜かれた若者の死体が多く発見される不可思議な連続怪死事件が起こる。その犠牲者の一人はニセアカギであり、そこから安岡は、犯人は政財界を裏から支配し、現代の王と称される怪老・鷲巣巌だと見当をつける。旧知の稲田組若頭・仰木と組んだ安岡は、アカギを使って鷲巣の全財産5億円を毟り取ることを提案する。

かくしてアカギ、安岡、仰木の3人は、特殊麻雀牌を使い、また挑戦者は金の代わりに血液を賭ける「鷲巣麻雀」に挑む。

手本引き編(36巻)

鷲巣麻雀から3年後。アカギは日本各地の賭場を周りながら、今は偶然の入る余地のないギャンブル・手本引きで大勝していた。1か月前に再会して勝手についてきた治とのやり取りの中で、アカギは鷲巣のことを思い出す。


注釈

  1. ^ もともと川島らの誘いを受けていたのはアカギであり、彼が断ったために治が参加させられた。
  2. ^ 失明した原因は後天的なもので、アカギのように若い頃にロシアンルーレットのような危険な行為をした結果だと嘯いている。
  3. ^ 遅刻したアカギに代わって最初は南郷が打ったために点数に開きがあり、さらに箱割れで決着をつけるという特殊ルールのために大物手で直撃を受けなければ、まず負けない状態であった。
  4. ^ 『HERO』の舞台は2000年代であり、本作では1958年時点で既に老人であるため普通に考えれば整合性が取れない。
  5. ^ この勝負は純粋に大金を賭けたもので、種銭のない若者の負け分は稲田組が肩代わりした後、その若者をタコ部屋などで働かせて返させる。
  6. ^ 原作第8巻では「岡本」、原作11巻では「吉岡」、原作18巻の人物紹介では「岡本」となっている。
  7. ^ このため、もし誰かが四槓子をテンパイした場合、4枚目の槓ドラは台からはみ出してしまうことになるが、そのような状況は作中では起きなかった。なお、アニメ版では5個まで入るようになっているためこの不具合は発生しない。
  8. ^ 雀荘モードの雀荘「廃倉庫」が該当。
  9. ^ 他の曜日に何回かリピート放送あり。

出典

  1. ^ “アカギ:「カイジ」作者の人気マージャンマンガ 27年の歴史に終止符へ”. MANTANWEB. (2017年2月12日). https://mantan-web.jp/article/20170211dog00m200030000c.html 2020年12月22日閲覧。 
  2. ^ a b 麻雀マンガ「アカギ」はなぜ終了するのか 「近代麻雀」編集部の真意
  3. ^ アカギ:福本伸行のマージャンマンガ 誕生と長期連載の理由
  4. ^ 「カイジ」作者の人気マージャンマンガ 27年の歴史に終止符へ
  5. ^ 「アカギ」完結、27年の連載に幕!ドラマ新作は5月から&過去シリーズを再放送
  6. ^ 「アカギ」完結から1年、福本伸行の新作第0話が近代麻雀にサプライズ掲載”. ナタリー (2019年5月1日). 2019年5月21日閲覧。
  7. ^ 「アカギ」が7月から連続TVドラマ化!血液を賭ける鷲巣麻雀描く,コミックナタリー,2015年5月21日
  8. ^ a b 【公式】ポーカーチェイスの2022年9月14日のツイート2022年9月14日閲覧。
  9. ^ a b 市川屋. “三透牌”. 2013年10月26日閲覧。
  10. ^ a b c d e f ドラマ「アカギ」主演は本郷奏多!鷲巣巌役・津川雅彦と生死を賭けて麻雀!”. シネマトゥデイ (2015年6月9日). 2015年6月10日閲覧。
  11. ^ ドラマ「アカギ」は全10話ずっと麻雀シーン”. ナタリー(株式会社ナターシャ) (2015年6月23日). 2015年6月23日閲覧。
  12. ^ 本郷奏多主演ドラマ「アカギ」150の国と地域に配信決定!”. 映画.com (2015年7月27日). 2015年7月27日閲覧。
  13. ^ アカギ:実写ドラマ続編が10月に放送決定 主演は再び本郷奏多”. Mantan-web (2017年7月28日). 2017年7月29日閲覧。
  14. ^ ドラマ「アカギ〜鷲巣麻雀完結編〜」が制作決定、放送は2018年”. コミックナタリー (2017年9月21日). 2017年9月21日閲覧。
  15. ^ a b ドラマ「アカギ〜鷲巣麻雀完結編〜」5月25日(金)より放送決定!” (2018年2月1日). 2018年2月2日閲覧。
  16. ^ 大会情報 | セガネットワーク対戦麻雀 MJ5 R EVOLUTION(アカギCUP)
  17. ^ eAMUSEMENTサイト 麻雀格闘倶楽部 ZERO 「アカギコラボ」開催!! Archived 2016年8月29日, at the Wayback Machine.
  18. ^ 「雀魂」と“アカギ”のコラボ開催が10月28日に決定。コラボ雀士として“赤木しげる”と“鷲巣 巌”が登場,4gamer.net,2021年10月21日


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