アイロン アイロン掛け

アイロン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/12 15:03 UTC 版)

アイロン掛け

アイロン掛け作業

繊維は、水分と圧力と温度を加えることによって、ある程度変形させることができる。そこで、人体の丸みに合わせて生地に丸みを持たせたり、しわを伸ばしたり、折り目をつける目的等でアイロン掛けがなされる。また、あて布をすることによって、温度と圧力の調整が可能となる。

木綿ワイシャツは洗濯するとしわが多くつき、アイロン掛けが必須のものが多かった。そこで、アイロン掛けの負担を軽減するために生地に化学繊維等を混紡したり特殊加工をしたりすることで、形態安定(形状記憶)機能を持たせた、アイロン掛けが不要と称するものが多く出回るようになった。

アイロン掛けは生地の変形だけでなく、ワッペンを生地に接着する時にも活用される。裏にアイロン接着用の糊をつけたワッペンを生地に乗せてアイロン掛けすると、高熱によって糊が溶けて生地に接着する仕組みになっている。

エクストリームスポーツの1種目として、「エクストリーム・アイロン掛け」なるものがイギリスで誕生し、2000年以降、世界的な広がりを見せている。このスポーツのプレイヤーは“アイロニスト(ironist)”と呼ばれている。

絵表示

  • 国際的な「ケアラベル・取扱い絵表示」(ISO 3758)では、アイロンの記号が用いられ、温度については200℃まで可能な場合は三つの点、150℃まで可能な場合は二つの点、110℃まで可能な場合(スチームアイロン不可)は一つの点をマークに併記する[6]。そして、アイロンがけ、スチームがけ(スチーム処理)ができないものについてはアイロンに×印を重ねた表示が用いられる[6]
  • 従来の日本の「家庭用品洗濯等取扱い絵表示」(JIS L 0217[7])では、アイロンの記号を用い、それぞれ高温(180℃~210℃)の場合は「高」、中温(140℃~160℃)の場合は「中」、低温(80℃~120℃)の場合は「低」の文字を中に併記し、当て布が必要な場合にはアイロンの下に波線を付記した記号で表示した[6]。また、アイロンがけはできない製品にはアイロンに×印を重ねた表示が用いられた[6]。日本でも2017年春夏向け商品からISO(国際標準化機構)に対応した絵表示(JIS L0001:2014[8])に変更される[9][10]。詳細は洗濯表示を参照。

関連用品

アイロン台
アイロン掛け専用の台。四角形のものや舟形のものなど、種類がある。脚付きのものもある。また、アイロンがけ用のバキューム機能付(吸引式)のものもある。プレス時に発生する熱い水蒸気を台の下から吸引することによって布の冷却と乾燥を早め、アイロンで成型した状態をキープさせる。
アイロンマット、プレスマット
アイロンをかける衣類をのせるためのマット。ニットのアイロンがけには編み目がつぶれないようバスタオルが用いられる事が多い。
仕上げ馬、袖馬、鉄万(てつまん)
袖口や裾にアイロンがけするための台。足があるもの。
衿まんじゅう(饅頭、万十)、袖まんじゅう、プレスボール
まんじゅう(プレスボール)
衿ぐりや袖の肩山など、平面でアイロンをかけるとシワになりやすい面をアイロンがけするのに用いる道具。足がないもの。チーズボート等もほぼ同じ用途。
霧吹き
アイロンのシワ伸ばしの際に用いる。
あて布
特に化学繊維や毛織物はアイロンを直接当てるとテカリが生じるため、上にあて布を置いてかける。日本手ぬぐいなど平織りの薄い綿布が多く使われるが、あて布専用の製品も市販されている。
ピンボード、ナイロン針布
金属やナイロン製のピンが剣山のように植えられた板や布。ベルベットコーデュロイなど毛足のある布をそのままアイロン台においてかけると起毛が潰れたり毛足の流れが乱れたりテカリが生じるので、下と上で生地を挟んでからアイロンをかける。



「アイロン」の続きの解説一覧




アイロンと同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「アイロン」の関連用語

アイロンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



アイロンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのアイロン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS