ヘキサフルオロチオアセトンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ヘキサフルオロチオアセトンの意味・解説 

ヘキサフルオロチオアセトン

(hexafluorothioacetone から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/27 09:22 UTC 版)

ヘキサフルオロチオアセトン
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChemSpider
PubChem CID
性質
C3F6S
モル質量 182.08 g·mol−1
外観 青色気体
沸点 8 °C (46 °F; 281 K)
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。

ヘキサフルオロチオアセトン(英: Hexafluorothioacetone)は化学式CF3CSCF3で表される全フッ化チオケトン化合物である。

合成

ヘキサフルオロチオアセトンは1961年にMiddletonらによってビス(ヘプタフルオロイソプロピル)水銀を沸騰する硫黄へ滴下することで合成された[2]。

性質

沸点は8 ℃であり、標準状態では青色の気体である[3]。この青色は400 nmから725 nmおよび675 nmから800 nmの波長域における可視光の吸収によるものである。それぞれS1–S0とT1–S0に起因する[3]。また、190 nmから230 nmの紫外線領域にも強い吸収が見られる[3]。

反応性

ヘキサフルオロチオアセトンはチオエノール化合物を形成することができず、また、硫黄原子に負にイオン化された状態にもないため、真のチオカルボニル化合物C=Sとしての性質を強く示す[4]。すなわち、他のチオカルボニル化合物とは異なり、標準状態においては水や酸素からの攻撃を受けない[3]。

アミンなどの塩基により二量化し、2,2,4,4-テトラキス(トリフルオロメチル)-1,3-ジチエタンを生成する[3][4]。この二量体は加熱することで単量体に再生することができる。二量化はヘキサフルオロプロペンと硫黄、少量のフッ化カリウムと反応させることでも進行する[3][5]。

ヘキサフルオロチオアセトンは亜硫酸塩と反応し、ブンテ塩CH(CF3)2SSO2−を形成する[4]。

チオールと反応し、ジスルフィドまたはジチオヘミケタールを生成する[4]。

R-SH + C(CF3)2S → R-S-S-CH(CF3)2
R-SH + C(CF3)2S → RSC(CF3)2SH

脚注

出典

  1. ^ Gupta, Kartick; Giri, Santanab; Chattaraj, P. K. (February 2013). “Charge-based DFT descriptors for Diels-Alder reactions”. Journal of Physical Organic Chemistry 26 (2): 187–193. doi:10.1002/poc.2987. 
  2. ^ Middleton, W. J.; Howard, E. G.; Sharkey, W. H. (1961-06). “PERFLUOROTHIOCARBONYL COMPOUNDS” (英語). Journal of the American Chemical Society 83 (11): 2589–2590. doi:10.1021/ja01472a045. ISSN 0002-7863. https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ja01472a045. 
  3. ^ a b c d e f Clouthier, Dennis J.; Joo, Duck-Lae (1997-05-08). “The spectroscopy of hexafluorothioacetone, a blue gas” (英語). The Journal of Chemical Physics 106 (18): 7479–7490. doi:10.1063/1.473753. ISSN 0021-9606. https://pubs.aip.org/jcp/article/106/18/7479/181825/The-spectroscopy-of-hexafluorothioacetone-a-blue. 
  4. ^ a b c d Middleton, W. J.; Sharkey, W. H. (1965-05). “Fluorothiocarbonyl Compounds. II. 1 Reactions of Hexafluorothioacetone” (英語). The Journal of Organic Chemistry 30 (5): 1384–1390. doi:10.1021/jo01016a009. ISSN 0022-3263. https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jo01016a009. 
  5. ^ Dyatkin, B.L.; Sterlin, S.R.; Zhuravkova, L.G.; Martynov, B.I.; Mysov, E.I.; Knunyants, I.L. (1973-01). “Reactions of perfluoroalkylcarbanions with sulphur” (英語). Tetrahedron 29 (18): 2759–2767. doi:10.1016/S0040-4020(01)93398-8. https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0040402001933988. 

関連項目




英和和英テキスト翻訳

英語⇒日本語日本語⇒英語
  •  ヘキサフルオロチオアセトンのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ヘキサフルオロチオアセトン」の関連用語

1
6% |||||

ヘキサフルオロチオアセトンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ヘキサフルオロチオアセトンのページの著作権

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヘキサフルオロチオアセトン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2026 GRAS Group, Inc.RSS