ある非負実数
の小数部分(しょうすうぶぶん、英: fractional part, decimal part)[1] とは、その整数部分を超える部分である。
の整数部分
は、「
を超えない最大の整数」と定義されるため、 小数部分
は整数部分との差として次のような式で表すことができる:
-
.
この値は常に、半開区間
に含まれる実数である。
床関数との差で定義される小数部分は、よく中括弧を用いて表される[2]。
また、正の数の小数部分は、十進法や二進法のような位取り記数法で書いた時の小数点に続く部分と一致する。
負の数における小数部分
小数部分を負の数においても定義する際の方法には、さまざまなアプローチがあるものの、統一されていない。非負実数の際と同様の
という定義(Graham, Knuth & Patashnik 1992)[3]や、
のように小数点の右側の数字とする定義 (Daintith 2004)[4]、
を奇関数
-
とする定義(Spanier, Oldham 1987)[2]もある。ここで、
は
以上のうち最小の整数を返す関数で、切り上げ、天井関数とも呼ばれる。その結果、例えば-1.3の小数部分を考える場合、1つ目の定義では0.7、2つ目の定義では0.3、3つ目の定義では-0.3となる。3つ目の定義による結果は、次の式で表現することもできる。
と「奇関数」の定義を用いることで、任意の実数を整数部分と小数部分の和として一意に分解することができる。ここで、整数部分とは
または
を指す。
小数部分の定義は、さらに複素数へと拡張することができ、次の式で定義される[2]。
任意の実数は連分数として本質的に一意に表現することができる。
具体的には、まず表す実数を整数部分と小数部分の和に分解し、小数部分の逆数を取って次の数とする。さらにそれを整数部分と小数部分の和に分解し、小数部分の逆数を取って次の数にする…というように続く。
定積分との関係
逆数の小数部分を用いた定積分は、次のような値をとる[2]。
-

-
(H_nは調和数、γはオイラー定数を表す。)
-

ほとんど整数
ほとんど整数は、整数に極めて近い実数のことである。すなわち、小数部分が0または1に近い実数を指す。ほとんど整数には、黄金数などのピゾ数の累乗や、ゲルフォントの定数と円周率の差などが含まれる。
関連項目
参考文献
- ^ “Decimal part”. OxfordDictionaries.com. 2018年2月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年2月15日閲覧。
- ^ a b c d Weisstein, Eric W. "Fractional Part." From MathWorld--A Wolfram Web Resource
- ^ Graham, Ronald L.; Knuth, Donald E.; Patashnik, Oren (1992), Concrete mathematics: a foundation for computer science, Addison-Wesley, p. 70, ISBN 0-201-14236-8
- ^ Daintith, John (2004), A Dictionary of Computing, Oxford University Press