コムフィルタ
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 17:21 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動コムフィルタ(英: comb filter)は、信号にそれ自身を遅延させたものを追加することで干渉を生じさせるフィルタ回路の一種である。くし形フィルタまたはくし型フィルタとも。コムフィルタの周波数特性は一定間隔のスパイク状になり、図示すると櫛のように見える。
用途
コムフィルタは様々な信号処理に利用されている。
- CICフィルタ(カスケード積分コムフィルタ)は、サンプリング周波数変換の際のアンチエイリアスによく使う。
- 2次元および3次元のコムフィルタは、PALおよびNTSCのテレビデコーダに使う。映像ノイズを低減させる効果がある。
- エコー、フランジャー、場合により疑似ステレオといった音響効果。
- デジタルウェーブガイド合成などの物理モデル音源。例えば、遅延を数ミリ秒に設定すると、コムフィルタを使って円筒形の空洞や振動する紐などの音響定常波をモデル化できる。
技術的解説
コムフィルタにはフィードフォワード型とフィードバック型がある。これらの名称は追加する信号を遅延させる方向に対応している。
コムフィルタは、離散信号でも連続信号でも実装できる。ここでは主に離散信号での実装を解説する。連続信号用コムフィルタも特性はよく似ている。
フィードフォワード型
フィードフォワード型コムフィルタの大まかな構造を右図に示す。これは次の式で表せる。
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