ランベルトのW関数とは? わかりやすく解説

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ランベルトのW関数

(W関数 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/29 08:32 UTC 版)

W(x) のグラフの W > −4 および x < 6 の部分。W ≥ −1 なる上の枝を主枝 W0 と言い、W ≤ −1 なる下側の分枝を W−1 という。

ランベルトのW函数(ランベルトのWかんすう、: Lambert W function)あるいはオメガ函数 (ω function)、対数積(product logarithm; 乗積対数)は、函数 f(z) = zez逆関係分枝として得られる函数 W の総称である。ここで、ez指数函数z は任意の複素数とする。すなわち、Wz = f−1(zez) = W(zez) を満たす。

上記の方程式で、z' = zez と置きかえれば、任意の複素数 z' に対する W 函数(一般には W 関係)の定義方程式

複素数平面におけるランベルト W 函数の主枝。負の実軸に沿った分岐切断は −1/e を端点に持つ。この図では、点 z における色相を W偏角で、輝度を W絶対値で決定している。

用語について

二つの主枝 W0, W−1

ランベルト W-函数はヨハン・ハインリヒ・ランベルトに因んで名づけられた。Digital Library of Mathematical Functions では主枝 W0Wp, 分枝 W−1Wm と書いている。ここでの表記の規約(つまり W0, W−1)はランベルト W に関する標準的な参考文献Corless et al. (1996)[2]に従った。

歴史

ランベルトは初め「ランベルトの超越方程式」に関連して1758年に考察した[3]。これはレオンハルト・オイラーの1783年の wew の特別な場合を論じた論文[4]に繋がる。

ランベルト W-函数は、特殊化された応用において、十年程度毎に「再発見」されてきた[要出典]。1993年には、等電荷に対する量子力学的二重井戸型ディラックデルタ函数モデル英語版(物理学における基本問題)の厳密解をランベルト W-函数が与えることが報告されたとき、コーレスら計算機代数システムMapleの開発者たちはライブラリを精査して、この函数が自然界に遍く存在することを発見した[2][5]

微分積分学

導函数

陰函数微分法により、W の任意の枝が常微分方程式

z = Re(W0(x + iy))
  • z = Im(W0(x + iy))
  • z = |W0(x + iy)|
  • Superimposition of the previous three plots
  • 数値的評価

    W 函数はニュートン法を用いて近似することができて、w = W(z)(したがって z = wew)に対する逐次近似は




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