流れ関数
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/03/30 07:24 UTC 版)
流れ関数(ながれかんすう)または流れの関数[1][2]とは、2次元の非圧縮性流れに対し、以下の関係を満たす関数Ψである。
ここでx , y は2次元直交座標、u , v はそれぞれx , y 方向の流速である。この関数Ψを用いると、連続の式は自動的に満たされる。
性質
流れの中に任意に2点A, Bを選んだとき、各点の流れの関数の差は、2点を結ぶ曲線を横切る流量に等しい(この流量は2点A, Bのみに依存し、曲線の選び方によらない)。
ここでds は曲線の線要素、vn は流速の曲線と直交する成分である。
特に、1本の流線上の任意の2点について上式右辺は0であるため、Ψ = const. は流線を表す。
流れの領域の中に吸い込み、湧き出しが存在する場合、流れの関数は多価関数になる。
派生する関数
ストークスの流れ関数
ストークスの流れ関数は軸対称流に対する類似した概念である。対称軸をx 軸とし、x 軸からの距離をy で、それぞれの流速をu , v で表すと、ストークスの流れ関数は以下の関係を満たす。
圧縮性流れ
圧縮性流れに対しても流れ関数は定義できる。密度をρとすると、流れ関数は以下の関係を満たす。
脚注
- ^ 今井功 『流体力学』 (24版) 裳華房、1997年、108頁。ISBN 4-7853-2314-0。
- ^ 巽友正 『流体力学』 培風館、1982年、53頁。ISBN 4-563-02421-X。
関連項目
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