ソーラープローブ‐プラス【Solar Probe Plus】
読み方:そーらーぷろーぶぷらす
ソーラー・プローブ・プラス
(Solar Probe Plus から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/18 07:43 UTC 版)
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![]() NASAのパーカー・ソーラー・プローブの想像図
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所属 | NASA / 応用物理学研究所 |
任務 | 離心率の大きい軌道により極端に対象に接近する軌道をとる、周回探査 |
接近通過 | 金星 (V7) |
周回対象 | 太陽 |
打上げ日時 | 2018年 |
任務期間 | 10年以内 |
公式サイト | solarprobe.jhuapl.edu |
軌道要素 | |
軌道傾斜角 | 3.4° |
高度 | ~5900000km |
遠点高度 | 0.73 AU |
近点高度 | 9.86 RS |
軌道周期 | 88 日 |
脚注: [1] |
パーカー・ソーラー・プローブ(Parker Solar Probe)は太陽の外部コロナの観測を計画している宇宙探査機[2]。太陽表面から8.86太陽半径(0.04天文単位、590万km)への到達が計画されている[2]。この計画は2009年度財政予算案に新規計画として追加・公表された。2008年5月1日、ジョンズ・ホプキンス大学応用物理研究所は2015年の打ち上げを目指して本機の設計と製造をおこなうと発表した[3]。その後、打上げ目標は2018年に延期された。デルタ IV ヘビー10号機で打ち上げられる。
この計画は2017年までソーラー・プローブ・プラス (Solar Probe Plus) と呼ばれていたが、同年5月に宇宙物理学者ユージン・ニューマン・パーカーを称えて現在の名前に改称された[4]。
軌道と計画
ソーラープローブミッションと呼ばれていた初期の概念設計では木星を使った減速スイングバイが使われる計画だったが、軌道変更方法をよりシンプルにすることになり、パーカー・ソーラー・プローブでは金星で複数回の減速スイングバイを行って軌道の近点を減少させていき、ほぼ8.5太陽半径の軌道(600万km)で複数回の接近が行えるように設計された[5]。
本機は、その探査目的から太陽にかなり接近する必要があり、稼動環境は極めて苛酷なものとなる。探査軌道における太陽光の入射強度は地球軌道のおおよそ520倍強く、防護のため耐熱シールドを備えている。この炭素繊維強化炭素複合材料製の耐熱シールドは探査機の正面に設置され、摂氏約1400度[6]に耐えられる。探査機システムおよび観測機器は太陽光の直射を受けないように耐熱シールドの影になる箇所に設置される。電源には二組一対の太陽電池アレイが使われる。第1太陽電池アレイは太陽から0.25 AU以遠で使われ、太陽に近づいている間は耐熱シールドの後ろに格納される、近接時はより小さな第2アレイが電力を提供する。この第2アレイには運用温度を維持するためにポンプで冷却用の流体が流される[7]。
探査機が太陽に最接近する際の速度は200km/sに達する。これは人類の作った物体が到達した速度として最速となり、現時点で最速のヘリオス2号の約3倍に達する[8]。
科学的目標
- 太陽風の元となる磁場の構造と変遷の測定
- コロナを熱するエネルギーの流れと太陽風の加速の追跡
- エネルギー性粒子の加速と運搬の仕組みの測定
- 太陽周辺の多粒子プラズマ、その太陽風への影響、活発な粒子形成の探査
註
- ^ Applied Physics Laboratory (19 November 2008) (.PDF). Feasible Mission Designs for Solar Probe Plus to Launch in 2015, 2016, 2017, or 2018. Johns Hopkins University. オリジナルの2016年4月18日時点によるアーカイブ。 2010年2月27日閲覧。.
- ^ a b Tony Phillips. “NASA Plans to Visit the Sun”. NASA. 2010年9月30日閲覧。
- ^ M. Buckley (2008年5月1日). “NASA Calls on APL to Send a Probe to the Sun”. Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory. 2010年9月30日閲覧。
- ^ Burgess, Matt. “Nasa's mission to Sun renamed after astrophysicist behind solar wind theory” 2018年1月1日閲覧。
- ^ “Solar Probe Plus: A NASA Mission to Touch the Sun:”. JHU/APL (2010年9月4日). 2010年9月30日閲覧。
- ^ 訳注: NASAの原文の表現では、華氏2500度(摂氏1377度)とある
- ^ G.A. Landis, P. C. Schmitz, J. Kinnison, M. Fraeman, L. Fourbert, S. Vernon and M. Wirzburger, "Solar Power System Design for the Solar Probe Mission," AIAA Paper-2008-5712, International Energy Conversion Engineering Conference, Cleveland OH, 28-30 July 2008.
- ^ Kerri Beisser (2011年2月10日). “Solar Probe Plus: Mission Overview”. JHU/APL. 2011年2月10日閲覧。
関連項目
外部リンク
- Solar Probe Plus at the Johns Hopkins Applied Physics Laboratory
- NASA Selects Science Investigations for Solar Probe Plus 2010年9月2日
- Solar Probe Plus Mission Engineering Study Report
- NASAの探査機、太陽へ突入の計画 2010年9月 ナショナルジオグラフィック ニュース
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