サルーム・デルタとは? わかりやすく解説

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サルーム・デルタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/09 01:13 UTC 版)

サルーム・デルタ(Saloum Delta / Le delta du Saloum)は、セネガルサルーム川、ジョンボ川、バンジャラ川およびそれらの支流によって形成された面積50万ha(5000km2)の三角州である。西アフリカ屈指の野鳥の繁殖地になっており、敷地の一部がサルーム・デルタ国立公園ラムサール条約登録地を含む生物圏保護区となっている。それと同時に、数千年にわたって漁撈採集を営んできた人々が作り上げた巨大な貝塚群が独特の文化的景観を形成している地域でもあり、2011年にはそれが評価されてユネスコ世界遺産リストに文化遺産として登録された。


注釈

  1. ^ Diombos は文献によって Diomboss, Diomboなどとも綴られ、「ディオンボス川」と表記されることもある。
  2. ^ tanne を仏和辞典で引くと「にきび」の意味などが載っている。しかし、ここで言うtanne は、硫酸塩の土壌である(北窓 (2010) p.87)。
  3. ^ この点については、2006年に公刊されたパリ第7大学のグループによる研究などでは、むしろ人間が関わる理由は直接的な要因ではなく、乾燥化こそがマングローブの増減に直接的に関わっているとする見解が提示されている(cf.關野 (2010) p.132)。
  4. ^ 1981年2月とするのはICOMOS (2011a) p.32による。IUCN (2011) p.146では1980年とされている。
  5. ^ 2018年の時点で生物圏保護区の総面積は408,906 haであり、うち核心地域は76,000 ha、緩衝地域は144,378 ha、移行地域は188,528 haである。
  6. ^ 以上の4種全てを挙げているのは北窓 (2010) である。松井 (2009) は貝塚で多く見付かり現在も食されている貝としてトゥファ以外の3種を挙げている。小川 (2004) はセネガルで調味料・食材として使われる代表的な干し貝としてパーニュ以外の3種を挙げている(p.145)。
  7. ^ 2013年の第37回世界遺産委員会複合遺産として初めて審議されたが、ICOMOSとIUCNの事前勧告ではどちらからも「登録延期」を勧告されており(Nominations to the World Heritage List / WHC-13/37.COM/8B.Add (PDF) , pp.17-18)、登録は見送られた。
  8. ^ 「サルーム・デルタ」としているのは、日本ユネスコ協会連盟監修『世界遺産年報2012』(東京書籍、2012年)、世界遺産アカデミー監修『すべてがわかる世界遺産大事典・上』(マイナビ、2012年)、古田陽久古田真美監修『世界遺産事典 2012改訂版』(シンクタンクせとうち総合研究機構、2011年)、『新訂版 世界遺産なるほど地図帳』(講談社、2012年)、谷治正孝監修『なるほど知図帳・世界2013』(昭文社、2013年)など。

出典

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  7. ^ a b c d 北窓 (2006) p.77
  8. ^ 小川 (2010) pp.54-55
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  10. ^ 北窓 (2006) p.92
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  41. ^ 北窓 (2010) pp.77-78
  42. ^ 松井 (2009) p.132
  43. ^ 松井 (2009) p.134. 新巻鮭と塩サバは松井が引用している『五訂増補日本食品標準成分表』の孫引き。
  44. ^ 小川 (2004) pp.127-128, 145
  45. ^ a b 松井 (2009) p.134
  46. ^ 名称はサザーンピンクシュリンプ(独立行政法人 水産総合研究センター 開発調査センター:南半球の魚図鑑)に従った。
  47. ^ 北窓 (2006) p.77
  48. ^ 北窓 (2006) p.79
  49. ^ 北窓 (2006) pp.80-81
  50. ^ 北窓 (2006) pp.78, 81
  51. ^ 北窓 (2006) p.78
  52. ^ a b c 北窓 (2006) pp.83-84
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  54. ^ ICOMOS (2011a) pp.26-27
  55. ^ ICOMOS (2011a) p.25
  56. ^ 古田陽久 古田真美 (2009) 『世界遺産ガイド - 暫定リスト記載物件編』シンクタンクせとうち総合研究機構、p.23
  57. ^ Sénégal (2010) p.12
  58. ^ ICOMOS (2011a) p.36-37
  59. ^ IUCN (2011) p.151
  60. ^ Sénégal (2010) p.49
  61. ^ IUCN (2011) p.150
  62. ^ Sénégal (2010) p.50
  63. ^ IUCN (2011) pp.148, 150
  64. ^ a b World Heritage Cemtre (2011), pp. 184-186
  65. ^ 市原富士夫 (2012) 「世界遺産一覧表に新規記載された文化遺産の紹介」(『月刊文化財』2012年1月号)
  66. ^ ICOMOS (2011a) p.30
  67. ^ ICOMOS (2011a) pp.30-31
  68. ^ ICOMOS (2011a) p.31


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