サドルノード分岐
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 09:49 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動サドルノード分岐(英語: saddle node bifurcation)は、力学系における分岐の一種。フォールド分岐(英語: fold bifurcation)ともいい、とくに1次元離散力学系では接線分岐(英語: tangent bifurcation)ともいう。安定な固定点と不安定な固定点が衝突し、固定点が消滅する、あるいは逆に何の固定点が存在しない場所に安定な固定点と不安定な固定点が現れるような分岐を起こす。
サドルノード分岐は、固定点近傍で起こる局所的分岐の一種で、1次元以上の系で起こる。連続力学系におけるサドルノード分岐の標準形は1次元常微分方程式の
標準形におけるパラメータ μ と固定点 x* の変化を整理すると次のようになっている[19]。
- μ < 0 では、固定点は存在しない。
- μ = 0 では、x = 0 にただ1つの固定点が現れる。
- μ > 0 では、1つだった固定点は x* = ±√μ という2つの固定点に分かれる。片方の x* = √μ が沈点で、もう片方の x* = −√μ が源点になる。
パラメータ μ を独立変数とみなし、μ-x 平面で固定点の様子を描いたものを分岐図という[20]。サドルノード分岐の標準形の分岐図は、以下の図のようになる[21]。分岐図上の曲線が折れ曲がっているような形をしていることからフォールド分岐(英語: fold bifurcation)とも呼ぶ[22]。

離散力学系
離散力学系におけるサドルノード分岐の標準形は、次の1次元写像で与えられる[23]。
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標準形のパラメータ μ と固定点 x* の変化は次のようになっている[25]。- μ < 0 では、固定点は存在しない。
- μ = 0 では、x = 0 にただ1つの固定点が現れる。
- μ > 0 では、1つだった固定点は x* = ±√μ という2つの固定点に分かれる。μ が 1 よりも十分小さい範囲で、片方の x* = √μ が沈点で、もう片方の x* = −√μ が源点である。
離散力学系の標準形の分岐図は、連続力学系と同じ形である[28]。
一般的条件
標準形に限定されない一般的な力学系において、サドルノード分岐の一般的な発生条件は次のように整理できる。1つのパラメータを持つ一般的な1次元ベクトル場
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- Weisstein, Eric W. "Fold Bifurcation". MathWorld (英語).
サドルノード分岐と同じ種類の言葉
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