M-60P装甲兵員輸送車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/13 01:29 UTC 版)
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M-60P
ユーゴスラビア軍の車両 |
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| 基礎データ | |
|---|---|
| 全長 | 5.02 m[1] |
| 全幅 | 2.77 m[1] |
| 全高 | 2.39 m[1] |
| 重量 | 11.0 t[1] |
| 乗員数 | 搭乗員3名+兵員10名[1] |
| 装甲・武装 | |
| 装甲 | 最大25 mm[1] |
| 主武装 | M2 12.7mm重機関銃 × 1 |
| 副武装 | M53 7.92mm機関銃 × 1 |
| 機動力 | |
| 速度 | 45 km/h[1] |
| エンジン | FAMOS ディーゼル 140馬力 |
| 行動距離 | 400km |
| 出力重量比 | 12.73hp/t |
M-60P装甲兵員輸送車は、ユーゴスラビア社会主義連邦共和国が開発した装甲兵員輸送車である。
概要
ユーゴスラビアが自国開発した装軌式の装甲兵員輸送車で、1965年にユーゴスラビアで行われた軍事パレードで初めて公開され、一時期はM590とも呼ばれていた。
開発は1956年から始まり、1958年6月に試作車両が完成している[1]。開発に当たっては、アメリカ製のM113やM59装甲兵員輸送車が参考にされた[1]。量産は1962年から始まり、1979年までに790両ほどが生産されている[1]。
車体は全溶接構造の箱型で、エンジンはシュタイヤー社製FAMOSディーゼルエンジン、懸架装置は第二次世界大戦後ソビエト連邦から供与されたSU-76自走砲の懸架装置をベースに開発したものを使用した。
車内配置は前部が操縦室となっており、左側に操縦手、右側に副操縦手、操縦室の後方左側に車長が位置し、後部は定員10名の兵員室となっている。兵員室後方には観音開き式の乗降用ドアがあり[1]、兵員室上部にもハッチを備える。
武装は主武装として操縦室後方右側に位置するキューポラにM2 12.7mm重機関銃が、副武装として車体前面右側に副操縦手が操作する7.92mm機関銃が装備されており、他に兵員室左右に3箇所ずつ、後部乗降用ドアに2箇所のガンポートが設けられている。
本車はユーゴスラビア紛争で使用されたが、装甲が薄く機関銃弾にも貫通されてしまうため、兵員輸送ではなく前線への物資輸送に転用された[1]。紛争終了後もクロアチアなど、旧ユーゴスラビア諸国で使用されている。
派生型
運用国
脚注
出典
参考文献
- The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2024) (英語). The Military Balance 2024. Routledge. ISBN 978-1-032-78004-7
- 鮎川置太郎ほか『世界の戦車パーフェクトBOOK 決定版』コスミック出版、2024年2月4日。 ISBN 978-4-7747-4337-0。
- 『グランドパワー10月号別冊 世界の軍用車輌(3) 装軌/半装軌式戦闘車輌:1918~2000』 デルタ出版 2000年
- 日本兵器研究会・編『世界の装軌装甲車カタログ』(ISBN 978-4384026603)アリアドネ企画 2001年
関連項目
- M-60P装甲兵員輸送車のページへのリンク