LAW 80とは? わかりやすく解説

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LAW 80

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/22 09:00 UTC 版)

LAW 80
イラクで発見されたLAW 80。発射筒は格納状態で、前後のキャップは外れている
概要
種類 対戦車ロケット弾発射機
製造国 イギリス
設計・製造 ハンティング・エンジニアリング(現・INSYS英語版[1][2]
性能
口径 94 mm[2]
使用弾薬 HEAT[2]
装弾数 1発[2]
全長 1 m(格納状態)[2]
1.5 m(延長状態)[2]
重量 10 kg(運搬時)[2]
9 kg(射撃時)[2]
有効射程 20 - 500 m[2]
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LAW 80は、イギリスのハンティング・エンジニアリング(現・INSYS英語版)で開発された使い捨て式の対戦車ロケット弾発射機[1][2]

開発・製造

1970年代初頭、イギリス国防省は、当時イギリス軍が装備していたカール・グスタフ無反動砲およびM72対戦車ロケット弾発射機の後継となる軽量対戦車兵器の要求仕様を作成した[3]。これは、1980年代に想定される敵戦車に対しては両者が威力不足であると考えられたためで、新しい対戦車兵器はM72に類似した安価な個人用兵器で、重量は6キログラム、当時最新のソ連製戦車を正面から撃破できる性能が求められた[3]

1977年2月に開発プロジェクトの入札が行われ、ハンティング・エンジニアリングが指名を受けて開発を開始、1980年から1981年にかけて兵士による実射テストが行われた[3]

設計

地面に置かれたLAW 80。メインの発射口の上にスポッティングライフルの銃口が見える

LAW 80は1人用の携帯式対戦車ロケット弾発射機であり、発射筒、照準器、安全装置、グリップ及び肩当てで構成されている[3]。運搬容器を兼ねた繊維強化ケルバー材製の発射筒にはあらかじめHEAT弾頭のロケット弾が収納されている[1][3]。ロケット弾の貫徹力は700ミリ以上とされ、T-72主力戦車を含むほとんどの装甲目標に対して有効であるが、より新しい主力戦車に対しては威力不足との声もある[2][4][5]。射程は20から500メートルで、開発当時イギリス軍が運用していたミラン対戦車ミサイルの最短射程(280メートル)前後を適切に補うことができた[2][3]。さらに、メインの発射筒に沿ってスポッティングライフルが装備されており、9ミリ口径の曳光弾が5発装填されている[1][5]。この9ミリ弾はロケット弾と同じ弾道に調整されており、曳光して弾道を示すとともに、着弾時に閃光を発して着弾箇所を示すようになっている[2][5]。ロケット弾よりも先にこのスポッティングライフルを発射し、命中を確認後にロケット弾を発射することで命中精度を高めている[3][6]

保存期間は約10年とされる[3]。発射筒はマイナス40度からプラス50度までの環境に耐え、1.5から2メートルの高さからの落下で損傷せず、また水密構造かつ前後に防水兼緩衝用のキャップが付属しており水深1.5メートルに沈めても2時間は耐えるようになっている[3][5][6]。輸送時は24基を1セットとしてコンテナに格納・輸送され、現場で各兵士に支給される[5][6]。支給後の使用期間は90日間を目標に設計されている[3]

発射手順は、まず発射筒前後のキャップを外した後、発射筒を後方に引き出す[5]。発射筒は引き出し切った位置で固定されるので、次に照準器を起こして目標に狙いをつけ、安全装置を解除した後、状況に応じてスポッティングライフルを発射するか、もしくはそのままメインのロケット弾を発射する[5][6]。発射を取りやめる場合は、上記とは逆の手順をとることで安全に携帯状態に戻すことができる[6]

なお、メーカーではLAW 80用に映像とレーザー光を使用する訓練用システムを開発している[2][3]。また、派生型としてオフルート対戦車地雷英語版型のLAW地雷も開発している[7]

運用

1993年の製造終了までに、約11万3千基が製造された[2]。イギリスの各軍で採用されたほか、オマーンとヨルダンでも採用されている[2]。イギリス軍では、2002年に後継としてスウェーデン製のNLAWが選定された[2]

採用国

脚注

出典

  1. ^ a b c d 床井 2008, p. 298.
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t Jones 2011, pp. 510–511.
  3. ^ a b c d e f g h i j k 日本防衛装備工業会 1982, pp. 7–12.
  4. ^ 日本防衛装備工業会 1983, pp. 8–9.
  5. ^ a b c d e f g ラング 1990, pp. 339–341.
  6. ^ a b c d e 日本防衛装備工業会 1989, pp. 33–36.
  7. ^ 日本防衛装備工業会 1992, p. 11.

参考文献

  • Richard D. Jones, ed (2011) (英語). Jane's Infantry Weapons 2011-2012. Janes Information Group. ISBN 978-071062947-0 
  • 床井雅美『現代サポート・ウェポン図鑑』徳間書店、2008年8月15日。 ISBN 978-4-19-892836-0 
  • 日本防衛装備工業会(編)「英陸軍の新対戦車兵器LAW80」『兵器と技術』第425巻、日本防衛装備工業会、1982年10月、7-12頁。 
  • 日本防衛装備工業会(編)「個人用対戦車兵器」『兵器と技術』第438巻、日本防衛装備工業会、1983年11月、5-10頁。 
  • 日本防衛装備工業会(編)「1990年代の対戦車防御兵器-LAW80」『兵器と技術』第511巻、日本防衛装備工業会、1989年12月、33-36頁。 
  • 日本防衛装備工業会(編)「欧州の対戦車地雷開発の動向」『兵器と技術』第540巻、日本防衛装備工業会、1992年5月、10-14頁。 
  • ウォルター・N.ラング 著、落合信彦 訳『特殊部隊 対テロ戦争-兵士・武器・戦術』光文社、1990年6月30日。 ISBN 4-334-96049-9 

関連項目




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