KTM ETSとは? わかりやすく解説

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KTMエレクトリック・トレイン・サービス

(KTM ETS から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/07/10 20:48 UTC 版)

K T M E T S
KTM Electric Train Service
基本情報
マレーシア
駅数 44
開業 2009年
運営者 マレー鉄道
路線諸元
路線距離 1,203.7km
軌間 1,000 mm (狭軌)
電化方式 交流 25kV 50Hz
最高速度 140 km/h
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KTMエレクトリック・トレイン・サービス(略称:KTM ETS, 英語 KTM Electric Train Service)は、マレー鉄道の電化区間で運行されている都市間列車の総称である。

2026年現在、タイ国境に接するパダン・ブサール駅からKLセントラル駅を経由しJBセントラル駅までの区間で運行されている。

運行形態の変遷

第一段階(2010年8月 - 2015年7月)

マレー鉄道は、西海岸線のラワンイポー間の電化・複線化工事の完了に伴い、2010年8月12日にイポー~スレンバン間でこのサービスを導入した。運行初日には、クアラルンプール駅で開業式典が催された。当初、サービスは南側のスレンバンまで設定されていたが、KLセントラル~スレンバン間は2012年10月に一時運行休止となった。運行開始時には、プラチナム(Platinum)、ゴールド(Gold)、シルバー(Silver)の3つのサービス形態があった。最速のプラチナムでは、同区間を自動車より1時間早い2時間で結んだ。ゴールドとシルバーは停車駅が多く、所要時間は最大2時間30分であった。この路線は、5編成のクラス91のみで運行されていた[1]

第二段階(2015年7月 - 10月)

2015年7月10日、新たにETSトランジット(ETS Transit)が設定され、ジョージタウンの対岸に位置する本土の街バターワースを経由するかたちで、運行区間がイポーからパダン・ブサールまで延伸された。停車駅は24駅であった。運行開始当初は、上下1往復のみの運行であった。この種別がETSトランジットと名付けられた。 その翌日である2015年7月11日、KLセントラル~パダン・ブサール間をバターワース経由で結び、15駅にのみ停車するETSエクスプレス(ETS Ekspres)という新たな種別が導入された。これも同様に、上下1往復のみの運行であった[2]。その後、2015年9月1日には、KLセントラル~バターワース間に1往復が追加された[3]。また運行区間の延伸に合わせて、新型車両であるクラス93が導入された。

第三段階(2015年10月 - 2025年3月)

2015年10月10日、パダン・ブサール~グマス間の新種別導入に伴い、ETSの運行区間はKLセントラルから南側のグマスまで延伸された[4]。ETSのグマスへの延伸には、2014年に完成したスレンバン~グマス間の電化複線が活用された。また、この延伸により、2012年に廃止されて以来となるスレンバンへのETSの乗り入れが復活した。 同日、既存のサービスに加えて、バターワース~パダン・ブサール間を結ぶ新種別が設定された。しかし、この種別は後に減便され、最終的には新たなKTMコミューターの設定に伴い廃止された[5]。 車両の増強に伴い、ダイヤやサービスは常に改定され、各路線で増発が行われた。この際、ETSエクスプレス及びETSトランジットという呼称は廃止され、「プラチナム」「ゴールド」「シルバー」の種別が再び設定された。 2020年、新型コロナウイルスのパンデミックに対応した移動制限により、当時運行中であった5つのルートにおいて、ゴールドの運行本数が削減され、1日わずか2往復のみの運行となった。その後、感染状況の改善に伴い本数は回復した。 2024年8月1日、マレー鉄道はKLセントラルとイポー、バターワース、パダン・ブサールをそれぞれ結ぶ、停車駅を限定した1日3往復のETSエクスプレスを再設定し、これらの路線における従来のETSゴールド及びETSプラチナムを置き換えた。この新種別により、所要時間はKLセントラル~イポー間が2時間、KLセントラル~バターワース間が3時間35分、KLセントラル~パダン・ブサール間が4時間50分へと短縮された[6]。これは、当該区間の複線電化プロジェクトの完了を受けて導入されたものである[7][8]

第四段階(2025年3月 - 2026年1月)

グマス~JBセントラル間電化複線化プロジェクトの進行に伴い、2025年を通じて電化が完了した区間から順次、ETSのサービスが南側へと延伸された。2025年3月15日、ETSはグマス駅から、プロジェクトの一環として再建された新しいスガマッ駅まで延伸された。2025年8月30日にはクルアンまで延伸され、KLセントラル~クルアン間で新たにETSプラチナムが設定された[9][10]。2025年10月10日から2025年12月12日までの間は、KLセントラル~クルアン間で週末限定(毎週金・土・日曜日)で2往復が増発された[11]。 2025年12月12日、運行区間がJBセントラルまで延伸された。これにより、マレー半島北端から南端までを結ぶ西海岸線の電化・複線化が完了した[12]。2026年1月1日には、パダン・ブサール発着の既存のETSゴールドがスガマッからJBセントラルまで延伸され、電車でマレーシアを南北に縦断することが可能になった[13] 。さらに2026年2月24日からは、バターワースおよびパダン・ブサールからJBセントラルへ向かうETSプラチナムが導入された。

運行形態

列車番号 経路 種別 全線所要時間 停車駅数 本数 (往復) 充当形式
EG9041, EG9044, EG9045, EG9049, EG9052, EG9055, EG9056, EG9058 KLセントラル - イポー ゴールド 2時間34分 12 4 91
93(1次車)
EX9008, EX9011 エクスプレス 2時間 4 1
EP9223, EP9224, EP9225, EP9226, EP9233, EP9238 KLセントラル - パダン・ブサール プラチナム 5時間25分 15 3 93 (2次車)
94
EX9209, EX9214 エクスプレス 4時間50分 9 1
EP9121, EP9123, EP9124, EP9130, EP9131, EP9136, EP9137, EP9138 KL セントラル - バターワース プラチナム 4時間5分 12 4
EX9108, EX9109 エクスプレス 3時間35分 6 1
EP9425, EP9428 パダン・ブサール - JBセントラル プラチナム 9時間38分 26
EG9442, EG9449 ゴールド 10時間18分 38 93 (1次車)
EG9343, EG9352 バターワース - スガマッ 7時間7分 24
EP9323, EP9326 バターワース - JBセントラル プラチナム 8時間20分 22 93(2次車)
94
EP9523, EP9524, EP9528, EP9530, EP9531, EP9532, EP9533, EP9535 KLセントラル - JBセントラル 4時間20分 17 4

奇数の列車番号は南行列車(KLセントラル、スガマ、JBセントラル方面)を示し、偶数の列車番号は北行列車(パダン・ブサール、バターワース、イポー、KLセントラル方面)を示す。北行と南行のサービスは、通常、毎日運行される往復の行程としてペアになっている。プラチナム(Platinum)、ゴールド(Gold)、及びエクスプレス(Express)の各種別は、停車駅の数と所要時間が異なっている[14]

ETSは電化された西海岸線に沿って運行されており、タイ国境付近のパダン・ブサールからシンガポール国境付近のJBセントラルまでの間を結ぶ、マレー半島における南北鉄道回廊を形成している。主要駅としてはバターワースやKLセントラルなどがあり、大半の列車はKLセントラルを起点としている[15]

車両

内装

各車両は空調を備え、各座席にサービスコンセントが提供されている。また、いずれの編成も3号車に売店が設置されている。なお、ビジネスクラスはクラス93の2次車とクラス94の全編成に各1両連結されている。クラス91とクラス93の1次車は普通車のみである。

過去の運行状況

概要

ETSとは、マレー鉄道のうち複線電化された区間を、最高速度140 km/hで運行する都市間高速電車のことである。1995年、マレー鉄道で最初に電化複線化されたのはクアラ・ルンプール近郊区間であり、同区間はKTMコミューターが運行されている。これに続きウエスト・コースト線の電化複線化工事が進められ、2010年にイポーラワン間の電化複線が完成して、既に完成していた区間と合わせると、イポーからスレンバンまでが電化複線の線路でつながった。

同年8月に、イポー~KLセントラル~スレンバン間で最初のETSの運行が始まった。しかし、2012年の10月に一旦KLセントラル~スレンバン間のETSの運行が取りやめられ、イポー~KLセントラル間での運行となった。

2010年11月1日時点

種別は、急行(Express Train)と普通(Transit Train)があった。

イポー~スレンバン間は、走行距離は約280kmで、所要時間は急行で3時間0分であった。

イポー~クアラ・ルンプール・セントラル間は、走行距離は約208kmで、所要時間は急行で2時間5分、普通で2時間17分であった。

急行

列車番号 列車名 区間 運転日 連結
クラス
記事
E
T
S
9101,9103
9102,9104
ETS IPOH-SEREMBAN /
ETS SEREMBAN-IPOH
イポースレンバン 毎日 X 9101,9102は設定のみ
9201,9203,9205
9202,9204,9206
ETS IPOH-KLS /
ETS KLS-IPOH
イポークアラ・ルンプール・セントラル 毎日 X 9203,9204,9205,9206は設定のみ

普通

列車番号 列車名 区間 運転日 連結
クラス
記事
E
T
S
9401,9403,9405
9402,9404,9406
TRANSIT IPOH-KLS /
TRANSIT KLS-IPOH
イポークアラ・ルンプール・セントラル 毎日 X

2015年7月時点

速達性(停車駅パターン)により ETS GOLD と ETS SILVERと称され、運賃も異なっていた。

パダン・ブサール~クアラ・ルンプール・セントラル間が1日1往復、イポー~クアラ・ルンプール・セントラル間が1日13往復、パダン・ブサール~バターワース間が1日1往復、パダン・ブサール~バターワース間が1日1往復、それぞれ設定されていた(曜日により運休する設定あり)[16]

イポー~クアラ・ルンプール・セントラル間の最速は9208、9209列車の2時間10分、もっとも多い停車駅パターンでは2時間35分。

沿革

  • 2010年8月12日 - 急行2往復、普通3往復で運行開始。(これ以外に、急行3往復設定あり)

運賃

KTMインターシティの1等座席車(AFC)と2等座席車(ASC)の中間程度に設定されている。

運営

ETSの運行サービスは、マレーシア鉄道公社100%出資のETSサービス会社 (ETS Service Sdn Bhd)が運営している。

脚注

  1. Recent scheduling ETS Services”. KTM Intercity. 2012年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年11月18日閲覧。
  2. KL-Padang Besar electric train starts run today”. The Star (2015年7月10日). 2015年7月19日閲覧。
  3. Kenyataan Media:Penstrukturan Jadual Waktu Tren Intercity dan ETS Bermula 1 September 2015 (Restructuring of the Timetable for Intercity dan ETS Trains beginning 1 September 2015)”. KTM Berhad. 2015年9月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月16日閲覧。
  4. Kenyataan Media:Penstrukturan Jadual Waktu Tren Intercity dan ETS Bermula 10 Oktober 2015 (Restructuring of the Timetable for Intercity and ETS Trains beginning 10 October 2015)”. KTM Berhad. 2015年11月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月16日閲覧。
  5. KTM Berhad (英語). ktmb.com.my. 2017年9月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月10日閲覧。
  6. Wayback Machine”. www.ktmb.com.my. 2025年2月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年12月20日閲覧。
  7. Borhan, Najihah (2024年5月29日). KTMB to introduce new ETS schedule and six more express services | New Straits Times (英語). NST Online. 2024年6月19日閲覧。
  8. Low, Celine (2024年5月30日). KTMB Announces 6 New ETS Express Services Starting In August (英語). SAYS. 2024年6月19日閲覧。
  9. ETS Segamat begins operations today (英語). NST Online (2025年3月15日). 2025年3月15日閲覧。
  10. KL to Kluang ETS to start Aug 30 (英語). The Star Online (2025年8月24日). 2025年8月25日閲覧。
  11. Yee, Xiang Yun (2025年10月24日). Extra weekend ETS trips between KL and Kluang”. The Star. 2025年11月12日閲覧。
  12. Yusof, Amir (2025年12月11日). Completion of 'modern' Electric Train Service line to Johor Bahru key to Malaysia's development: PM Anwar”. CNA. 2025年12月12日閲覧。
  13. KL Sentral-JB Sentral ETS services double to eight daily trips starting 2026”. Malay Mail (2025年12月16日). 2026年1月2日閲覧。
  14. Electric Train Service (ETS)”. Keretapi Tanah Melayu Berhad. 2026年6月15日閲覧。
  15. “Rail connectivity boost with increased ETS, East Coast services next month”. New Straits Times. 15 December 2025. 2026年6月15日閲覧.
  16. マレー鉄道公式WEBページの Seat Availability から運行日程や時刻を確認可能。

関連項目

外部リンク


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