Global Firepower
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/03/28 17:29 UTC 版)
| 言語 | 英語 |
|---|---|
| タイプ | ランキング、データベース |
| ジャンル | 軍事(一般向け) |
| 運営者 | 非公開 |
| 開始 | 2005年[1] |
| 現在の状態 | 運営中 |
Global Firepower(GFP、グローバル・ファイアパワー)は、一般向けの軍事情報ウェブサイトである。世界各国における、独自の軍事力分析や軍事力指数、軍事力ランキングを掲載している。
運営者や分析の方法論は非公開。MilitaryFactory.comを中心とした一連のミリタリーサイト群の一部とされる。
娯楽サイトであるが、しばしば権威ある機関であるかのように扱われることがある。
公式な位置付け
同サイトによれば、分析は公開された情報に基づいている(ただし情報源は明記されていない[1])。また核戦力は考慮されていない。
娯楽的・歴史的価値を目的とした一般向け資料と表明されている[1]。2005年時点の同サイトでは「世界の軍隊のカジュアルなランキング」(A Casual Ranking of the World's Armies.)と銘打っており[2]、2010年時点の同サイトでは「娯楽と会話の種に役立つ個人的で実験的なサイト」(a personal and experimental site meant for entertainment and to stir up dialogue.)であり「純粋な数量ゲーム」(purely a "numbers game")であると説明されている[3]。
第三者の評価
ビジネスインサイダーやニューズウィーク、フォーブスをはじめとして、様々な主要メディアにしばしば引用されるウェブサイトであり、とりわけランキング類に入りにくい国のメディアでよく利用されるといわれる[4][5]。
時に、国家元首を含む政治家の主張や、政府機関による報告書などに引用されたり、権威ある機関であるかのように報道される場合もある[6]。2018年にはウクライナ大統領ペトロ・ポロシェンコが同サイトを引用して「権威ある独立分析センター」と称し、議論を呼んだ[6][4][1]。
多くの専門家の見解では、以下のように真面目な利用には向かない情報源とみなされている。
- 前述のポロシェンコ大統領の発言を受けた、調査報道機関ベリングキャットの2018年の報道によれば、アメリカのブロガー兼ウェブ起業家が運営に関わるとみられている[6]。同報道では軍事専門家のダコタ・ウッド(ヘリテージ財団上級研究員)、マイケル・コフマン、トム・ニコルズおよびマイケル・ホロウィッツの見解も掲載しており、いずれも同サイトの信頼性や権威について「ウィキペディア未満」といった否定的な見解を示している。
- アメリカ陸軍戦略情報士官のリー・ロバーツは、2023年に発表した論文において、同サイトの軍事力指数を分析し、方法論や情報源の不明瞭さや、評価の不自然さを指摘している。また報道、プロフェッショナル、研究者のいずれにおいても不適切な引用がおこなわれていると指摘し、引用拡大による信頼性の毀損や国家関係への影響に懸念を示している[5]。
- ウクライナ防衛産業協会(NAUDI)顧問のZhukov V. A.は、同サイトの軍事力指数を国家の軍事力評価に用いたり、勧告の根拠とすることは不適切との論文を2024年に発表している[7]。
- カザフスタンの軍事専門家Daulet Zhumabekovは、同サイトの装備や人員のデータ、ランキングでの評価は実態とかけ離れた形に単純化されており、「とても娯楽的」と指摘している[4]。
- ウクライナの独立系シンクタンクVox Ukraineの2025年のファクトチェックでは、同サイトのデータは方法論や情報源が不明瞭で検証可能性がなく、量的データにおいても不正確であり、重要な質的側面に欠くと指摘されている[1]。
- 日本の軍事研究者の小泉悠は、同サイトは無料でわかりやすいランキングである点からメディアによく引用されるが、このような量的なランキングは「あまり意味がない」と指摘している[8]。
脚注
- ^ a b c d e Viktor Sholudko (2025年2月26日). “Global Firepower — a “military ranking” without verified facts or transparent methodology”. Vox Ukraine. Vox Ukraine. 2026年3月13日閲覧。
- ^ “Global Firepower”. 2005年10月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年3月13日閲覧。
- ^ “Global Firepower”. 2010年1月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年3月13日閲覧。
- ^ a b c “Is Kazakhstan's Military Central Asia's Powerhouse? Expert Insights on Global Firepower Rankings”. ORDA. OrdaMedia.kz (2025年1月16日). 2026年3月13日閲覧。
- ^ a b Lee Habib Roberts (2023). “Apples to apples, fighters to submarines: comparative analysis of conventional capability-based signalling capacity through technologically weighted state arsenal indexing”. Journal of Military Studies (Finland: National Defense University) 12 (1): 85-103. doi:10.2478/jms-2023-0007.
- ^ a b c Oleksiy Kuzmenko (2018年6月29日). “Ukrainian President Cites Clickbait Ranking in National Address”. bellingcat. Bellingcat. 2026年3月13日閲覧。
- ^ Zhukov V. A. (2024). “Global Firepower Index: the fallacy and inappropriateness of using a global military power rating”. Science, Technologies, Innovations (Ukrainian Institute of Scientific and Technical Expertise and Information) 4 (32): 82-88. doi:10.35668/2520-6524-2024-4-09.
- ^ “「北朝鮮軍のほうがロシア軍より兵士の数は多い」…世界の「軍事力ランキング」が信用できないワケ”. ダイアモンド・オンライン. ダイヤモンド社 (2025年5月19日). 2026年3月13日閲覧。
関連項目
- アジアパワー指数 - ローウィー研究所が発表する、アジア太平洋地域各国の相対的影響力をスコア化・ランキングした報告。軍事能力でのスコアを含む。
外部サイト
- Global Firepowerのページへのリンク