FMRPのeIF4Eへの結合による翻訳抑制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/19 23:41 UTC 版)
「eIF4E」の記事における「FMRPのeIF4Eへの結合による翻訳抑制」の解説
FMRP(FMR1)は、eIF4Eへの結合によって特定のmRNAの翻訳を調節する。FMRPはCYFIP1(英語版)に結合することで作用し、CYFIP1は4E-BP(4E-BP1(英語版)、4E-BP2(英語版)、4E-BP3(英語版))に構造的に類似したドメインを介してeIF4Eに直接結合する。FMRP/CYFIP1複合体は、翻訳に必要なeIF4E/eIF4G間の相互作用を妨げるように結合する。FMRP/CYFIP1/eIF4E間の相互作用は、RNAの存在によって強化される。特に、BC1 RNAはFMRPとCYFIP1の間の最適な相互作用を可能にする。BC1 RNAは樹状突起に存在する翻訳されないRNAで、FMRPに結合して特定の標的mRNAとの結合を可能にする。BC1はFMRPを適したmRNAへリクルートすることで、シナプスでのFMRPとmRNAの間の相互作用を調節している可能性がある。 さらに、FMRPは翻訳を抑制するために特定のmRNAへCTFIP1をリクルートする。FMRP-CYFIP1翻訳阻害因子は神経細胞の刺激によって調節される。シナプスの刺激の増加はCYFIP1のeIF4Eからの解離を引き起こし、翻訳開始を可能にする。
※この「FMRPのeIF4Eへの結合による翻訳抑制」の解説は、「eIF4E」の解説の一部です。
「FMRPのeIF4Eへの結合による翻訳抑制」を含む「eIF4E」の記事については、「eIF4E」の概要を参照ください。
- FMRPのeIF4Eへの結合による翻訳抑制のページへのリンク