バードライフ‐インターナショナル【BirdLife International】
読み方:ばーどらいふいんたーなしょなる
鳥類の保護を目的とする国際NGO。世界各国の鳥類保護団体が加盟。1922年に国際鳥類保護会議(International Council for Bird Preservation)として発足し、1993年に現名称に改称。本部は英国のケンブリッジ。
ビー‐エル‐アイ【BLI】
バードライフ・インターナショナル
(BirdLife International から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2026/05/23 14:04 UTC 版)
| BirdLife International | |
|---|---|
| 鳥類と生息地の保全を目的とする国際NGOパートナーシップ | |
| 基本情報 | |
| 設立 | 1922年6月20日(国際鳥類保護委員会として) |
| 種別 | 国際非政府組織(INGO) |
| 目的 | 鳥類・生息地・生物多様性の保全 |
| 本部 | イギリス、ケンブリッジ |
| 活動地域 | 世界各地 |
| 議長 | マイク・ランズ博士(Dr Mike Rands) |
| 最高経営責任者 | マーティン・ハーパー(Martin Harper) |
| 名誉総裁 | 高円宮妃久子 |
| パートナー団体数 | 約123か国・地域 |
| 公式ウェブサイト | www.birdlife.org |
| 旧称 | 国際鳥類保護委員会(International Council for Bird Preservation、ICBP) |
バードライフ・インターナショナル(BirdLife International)は、鳥類の保護を活動目的とする国際環境NGOである。イギリスに本部を置き、国境を越えて移動する渡り鳥をはじめとする野鳥の生態調査などでの国際的連携を担う[1]。
概要
1922年6月にInternational Council for Bird Preservation(国際鳥類保護会議、ICBP)として発足した。
現在は、Royal Society for the Protection of Birdsを始めとする多くの鳥類保護団体が加盟する世界規模の国際的環境保全ネットワークである。加盟団体の会員の総計は277万人以上にのぼる。
現在の名誉総裁(Honorary President)は高円宮妃久子であり[2]、事務総長はHazell Shokellu Thompsonである[3]。また日本におけるパートナー団体には日本野鳥の会などがある。
台湾からは民間NGO「中華民国野鳥学会」が参加していたが、中華民国を冠しない名称への変更、台湾独立を唱えないことを約束した文書の提出などを要求し、拒否されると2020年9月に除名処分とした[1]。
バードライフ・アジア
バードライフ・アジア(BirdLife-Asia)は、バードライフ・インターナショナルのアジア部門である。
2002年4月に、アジア部門を統括する地域事務所がイギリス本部から日本の東京都新宿区に移設され、活動を行っていたが[4]、事務所の本部業務は2012年にシンガポールに移り[5]、東京事務所は、英国本部と名誉総裁・高円宮妃の連絡や調整などが主な業務となり、2014年に名称もバードライフ・インターナショナル東京に変更した[6]。英国王立鳥類保護協会のアジアでの最初のゴールドメダリストである市田則孝が初代の代表だった[4]。
2001年にはアジア版鳥類レッドデータ・ブックがバードライフ・インターナショナルから出版されている[7]。
アジアには約2,700種の鳥類が生息し、664種がレッドデータ・ブックに掲載された[7]。絶滅危惧種はインドネシアが115種とアジアで最も多く、日本は45種で9番目に多い[7]。
高円宮妃が亡き夫宮の関係で日本サッカー協会の名誉総裁となっていることもあり、2019年に高円宮妃も立会いの下、バードライフ・インターナショナル東京と「Jリーグ鳥の会」との間で鳥類保全に関する活動協定が締結された。以後、鳥類をモチーフとしたマスコットキャラクターが存在するJリーグクラブが行う鳥類保全等の活動に対してバードライフ・インターナショナル東京が支援を行っている[8]。
設立の経緯と歴史
1922年6月20日、ロンドンにおいて、鳥類保護に関心を持つ各国の自然保護家たちが集まり、国際鳥類保護委員会(International Committee for Bird Protection、ICBP)を設立した。設立に際して中心的な役割を果たしたのは、全米オーデュボン協会の創設者の一人であるアメリカの鳥類学者 T・ギルバート・ピアソン(w:T. Gilbert Pearson)であり、フランス鳥類保護連盟(Ligue pour la Protection des Oiseaux)の会長ジャン・ドラクール(Jean Delacour)、イギリスの王立鳥類保護協会(RSPB)名誉幹事フランク・E・レモン(Frank E. Lemon)らが参加した。[9]
設立当初から、渡り鳥の保護、鳥類が大規模に集まる地域の特定と保護、絶滅危惧種にとって重要な場所の保全が中心的な課題とされており、これらの関心は今日のバードライフ・インターナショナルにおいても引き継がれている。
組織は以下の経緯で名称を変更した。
- 1922年 - 国際鳥類保護委員会(International Committee for Bird Protection: ICBP)として設立
- 1928年 - 国際鳥類保護委員会(International Committee for Bird Preservation: ICBP)に改称
- 1960年 - 国際鳥類保護評議会(International Council for Bird Preservation: ICBP)に改称
- 1993年 - バードライフ・インターナショナル(BirdLife International)に改称
第二次世界大戦後、ICBPはいったん活動が停滞したが、1983年に専任の事務局長が任命されて活動を再開した。1993年の改称と組織再編により、各国に一つのパートナー団体を置く現在のパートナーシップ体制が確立された。[11]
主な活動
IUCNレッドリスト評価
バードライフ・インターナショナルは、IUCNから鳥類のレッドリスト評価機関(Red List Authority)として公式に指定されており、世界の全鳥類約11,000種の絶滅リスクを定期的に評価し、IUCNレッドリストに掲載される鳥類に関するすべてのデータを提供している。[12] この評価作業は世界中の鳥類・保全専門家数千人との協力のもとで実施され、鳥類の絶滅リスクは現在までに7回にわたり全種について評価されている。これは他の生物群と比較しても類を見ない取り組みであり、鳥類は生物多様性の状態を示す指標として比類のないデータを提供している。[13]
重要野鳥・生物多様性地域(IBA)
バードライフ・インターナショナルは1979年(当時はICBP)に重要野鳥生息地(w:Important Bird Area : IBA)の概念を提唱し、以来、世界200か国以上で13,000か所以上のIBAを特定してきた。2014年にカナダで開催されたバードライフ世界会議において、名称が「重要野鳥・生物多様性地域(Important Bird and Biodiversity Area)」に改められたが、略称IBAは引き続き使用されている。[14]
IBAは生物多様性の保全においてグローバルに重要な地域として、陸域・淡水域・海域のいずれにおいても指定され、その多くが保護区の設定に直結してきた。各国のパートナー団体がIBAの特定・モニタリング・更新を主導し、世界的な生物多様性ネットワークを構成している。[15]
気候変動への対応
バードライフ・インターナショナルは、気候変動と生物多様性の喪失を連動した問題と位置づけ、気候変動が生物多様性に与える影響に関する調査・研究を行っている。
森林、泥炭地、その他の生息地の保全・管理を通じた自然を活かした解決策(Nature Based Solutions)の推進にも取り組み、再生可能エネルギーの開発と自然保全の両立を訴えている。[16]
参考文献
- バードライフ・アジア、川那部真、谷口高司 編『絶滅危惧種・日本の野鳥―バードライフ編レッドデータ・ブックに見る日本の鳥』東洋館出版社、2003年11月12日。ISBN 4491019444。
- バードライフ・インターナショナル、出田興生 編『世界鳥類大図鑑』ネコ・パブリッシング、2009年1月5日。 ISBN 978-4777052424。
関連項目
外部リンク
脚注
- 1 2 【ワールドビュー】除名された台湾「野鳥学会」(台北支局長・杉山祐之)『読売新聞』朝刊2020年10月18日国際面
- ↑ BirdLife's Honorary President Her Imperial Highness Princess Takamado of JapanBirdLife International
- ↑ BirdLife International announces Dr Hazell Shokellu Thompson as Acting CEOBirdLife International
- 1 2 バードライフ・アジア (2003)、巻末
- ↑ 『2012年度年次報告書』バードライフ・インターナショナル東京
- ↑ 『2014年度年次報告書』バードライフ・インターナショナル東京
- 1 2 3 バードライフ・アジア (2003)、172頁
- ↑ “【Jリーグ鳥の会】ギラヴァンツ北九州が今年も「ラブ・バード・ラリー」を実施します”. バードライフ・インターナショナル東京 (2022年7月7日). 2023年5月27日閲覧。
- ↑ “100 Years and Counting”. BirdLife International (2022年4月14日). 2026年5月22日閲覧。
- ↑ “BirdLife International”. Encyclopædia Britannica. 2026年5月22日閲覧。
- ↑ “BirdLife International”. All Birds Wiki. 2026年5月22日閲覧。
- ↑ “The IUCN Red List”. BirdLife DataZone. 2026年5月22日閲覧。
- ↑ “IUCN SSC Bird Red List Authority”. IUCN. 2026年5月22日閲覧。
- ↑ “Important Bird and Biodiversity Areas (IBAs): the development and characteristics of a global inventory of key sites for biodiversity”. Bird Conservation International (Cambridge University Press) 2026年5月22日閲覧。.
- ↑ “Important Bird and Biodiversity Areas (IBAs)”. BirdLife DataZone. 2026年5月22日閲覧。
- ↑ “BirdLife International”. Talking Philanthropy. 2026年5月22日閲覧。
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