国鉄72系電車
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国鉄72系電車(こくてつ72けいでんしゃ)は、日本国有鉄道(国鉄)が製造した直流式通勤形電車の一つである。
注釈
- ^ 但し、クハ79の乗務員室扉は木製とされた。理由は不明である。
- ^ 大阪地区では920番台であっても行先表示器を使用せず、従来通り琺瑯引きの行先表示板を使用していた。
- ^ 吊り掛け駆動方式の制約のため車軸を回すための歯車との減速比(歯車比)を大きく取れないことから、定格回転数を抑える代わりにトルクを増やす設計が求められた。電動機の鉄心の磁束密度には磁気飽和による上限があるため、必要なトルクを得るためには電機子と鎖交する磁気回路断面積を増やす必要があり、磁気回路を構成する鉄心は必然的に体積が大きくなり、結果として重量増を招いた。
- ^ 直流電動機の出力は電動機への印加電圧にほぼ比例するため、放熱を考慮しなければMT30も比例計算でほぼ同一の出力となる。
- ^ このため旧63系のMT30装備車の中には、主電動機仕様統一のため後からMT40に換装されたものがあった。これによって捻出されたMT30は、戦前型のMT15・16系搭載20m車(40系・51系・52系)の出力強化換装に利用されたほか、一部は西武鉄道に払い下げられた可能性がある。
- ^ これらの車両は、桜木町事故の被災車である。
- ^ ポリ塩化ビニル製のシート状の床材(塩ビシート)。東亜樹脂工業の商品名である。
- ^ その他の3両は1:1。
- ^ 63形由来の車両であるため、パンタグラフは前位にあり、戸袋窓は後位へ引かれるが、この車両は前位に向かって引かれていた。
- ^ 当該車の運転台は偶数向きであったが、奇数が与えられるという付番ミスである。
- ^ 残りの2両は、モハ72970とサロ110-43である。
- ^ 車体中央が客室と郵便室の境界で、アコーディオンカーテンで仕切る構造となっていた
- ^ 同車の客室部分が実際の客扱いにどの程度用いられたかは、運用当時の記録が乏しく、必ずしも明確でない。「半自動ドアなどアコモデーションの差が大きく、めったに乗客を見かけることは無く、のちには新聞輸送列車に転用された」[13]とある。
- ^ 74002は74003として、74003は74002として竣工したことが記述されている[14]。
- ^ 実際は4両が引き継がれたが、1両(クモニ83815)は改造されず1989年に廃車され部品取り車となった。
- ^ 最大95km/hを出していた。
- ^ 現在でいう「M-Tp(pはパンタグラフ)」システム。JR西日本の681系、683系、521系の交直流電車で採用されているものと同じと考えていい
- ^ a b ただし乗車率が高く、かつ駅間の短い区間での運転では、加速力よりもブレーキ力の方が重要だったといわれている。このため、吊り掛け駆動方式を採用した車両であっても、戦前から既に発電ブレーキまたは回生ブレーキを採用していた私鉄の通勤車両は、比較的後年まで主力の一部として使用され続けた。
- ^ 編成は一例としてクモユニ74 - クモハ73 - モハ72- サハ78 - クモニ83。中間の3両は車内保護棒取り付けなどの改造を行なった。
出典
- ^ “クハ79929室内写真” (2019年9月29日). 2022年6月10日閲覧。
- ^ 末次清「73系出自の車両たち ―車体改造車と103系3000番代―」『鉄道ピクトリアル』2000年5月号、p.84
- ^ 鉄道図書刊行会『日本国鉄電車特集集成 第四分冊』P.261 - 262「モハ72旧形電車の近郊形なみの車体改造」図-2より。
- ^ a b c d e f g h i j k l 末次清「73系出自の車両たち ―車体改造車と103系3000番代―」『鉄道ピクトリアル』2000年5月号、p.85
- ^ 末次清「73系出自の車両たち ―車体改造車と103系3000番代―」『鉄道ピクトリアル』2000年5月号、p.86
- ^ 『鉄道ピクトリアル』2017年6月号別冊「国鉄形車両の記録 鋼製郵便荷物電車」p.30
- ^ 『鉄道ピクトリアル』2017年6月号別冊「国鉄形車両の記録 鋼製郵便荷物電車」p.36
- ^ 『鉄道ピクトリアル』2017年6月号別冊「国鉄形車両の記録 鋼製郵便荷物電車」p.44
- ^ 『鉄道ピクトリアル』2017年6月号別冊「国鉄形車両の記録 鋼製郵便荷物電車」p.45
- ^ 『鉄道ピクトリアル』2017年6月号別冊「国鉄形車両の記録 鋼製郵便荷物電車」p.33
- ^ 『鉄道ピクトリアル』2017年6月号別冊「国鉄形車両の記録 鋼製郵便荷物電車」p.37
- ^ 『鉄道ピクトリアル』2017年6月号別冊「国鉄形車両の記録 鋼製郵便荷物電車」p.41
- ^ 『鉄道ピクトリアル』2005年11月号 (No.768) の特集記事「回想 「房総の遜色急行」をめぐって」中のp31
- ^ 『旧型国電50年II』
- ^ a b “約50年の任務終え23日にお別れ運転 JR岡山支社「クモハ84」が引退へ”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 3. (1995年7月18日)
- ^ 『鉄道ピクトリアル』2017年6月号別冊「国鉄形車両の記録 鋼製郵便荷物電車」p.59
- ^ 鉄道ファン 1997年5月号 59頁
- ^ JTBパブリッシンク『415系物語』2015年 19-25頁
- ^ 『鉄道ジャーナル』1980年12月号(166号)63形電車の足跡 鉄道ジャーナル社
- ^ 『とれいん』2000年9月号(309号) プレス・アイゼンバーン
- ^ 『鉄道ピクトリアル』2021年9月号(989号)房総 DL牽引による電車準急の記録 電気車研究会
- ^ “よみがえれ電車「クモハ73」”. 中国新聞社 (2013年10月8日). 2013年10月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年9月28日閲覧。
- ^ “山手線走った70歳の電車、第2の人生 クモハ73形を修理し展示へ”. 朝日新聞社 (2022年6月15日). 2022年9月28日閲覧。
- ^ “鉄道総研の技術遺産 File No.18 試験車両キハ30形気動車”. RRR (Railway Research Review) Vol.70 (No.9): P.34-35 .
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