テトラヒドロピラニル基とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > テトラヒドロピラニル基の意味・解説 

テトラヒドロピラニル基

(2-tetrahydropyranyl group から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2013/12/30 22:15 UTC 版)

2-テトラヒドロピラニル基 (2-tetrahydropyranyl group) とは、有機合成化学で用いられる保護基のひとつ。構造式上では THP と略される。テトラヒドロピランの2位から水素を1個除去した形の1価の置換基で、アルコールの保護に汎用される。

性質

アルコールをTHP保護して得られるテトラヒドロピラニルエーテルは、そのアセタール構造が酸と水により容易に分解される一方で、塩基や求核剤、還元剤に対しては比較的良好な耐久性を示す。

ただしテトラヒドロピラニルエーテルは不斉炭素を持つことから、キラルなアルコールを用いた場合には NMRスペクトル が複雑となったり、ジアステレオマーが生じる可能性がある。

保護・脱保護

アルコールをTHP保護するときは、一般に酸触媒とジヒドロピラン (DHP) を非水条件下で作用させる手法がとられる。酸を嫌う基質の場合は光延反応の中性条件が用いられる。

脱保護のときには逆に、水の共存下に酸を作用させる。水の代わりに大過剰のメタノールエタノールを用いてもよい。

参考文献

  • Wuts, P. G. M.; Greene, T. W. Protective Groups in Organic Synthesis, 5th ed., WILEY, 2007, pp.59.

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「テトラヒドロピラニル基」の関連用語

テトラヒドロピラニル基のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



テトラヒドロピラニル基のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのテトラヒドロピラニル基 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS