1 < μ < 2
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/30 18:51 UTC 版)
μ が 1 を超えると、xf1 = 0 に加えて xf2 = μ/(μ + 1) が不動点となる。ただし、df(xf1)/dx および df(xf2)/dx の値は 1 を超えるため、これらの不動点は不安定となる。さらに、μ > 1 では軌道が周期的になる初期値が現れる。このとき、周期2, 周期3, 周期4,...といったように2以上の全ての自然数に対応する周期軌道が存在している。例えば、周期2であれば2つの周期点 xp1, xp2 は次のように明示的に求めることができる。 x p 1 = μ 2 1 + μ 2 , x p 2 = μ 1 + μ 2 . {\displaystyle {\begin{aligned}x_{p1}&={\frac {\mu ^{2}}{1+\mu ^{2}}},\\x_{p2}&={\frac {\mu }{1+\mu ^{2}}}.\end{aligned}}} μ > 1 で現れる全ての周期点は、2つの不動点と同様に不安定である。初期値が不動点と周期点の値を取る場合を除き、全ての軌道は非周期変動すなわちカオスとなる。 1 < μ < √2 の範囲では、x は複数の小領域を交互に行き来するカオス軌道となる。そして、√2 < μ < 2 の範囲では1つの領域内で x が変動するようになる。μ を1から2まで増加させるに従い、カオス軌道の取り得る領域 [xmim, xmax] は徐々に大きくなっていき、最終的には μ = 1 で単位区間 [0, 1] に一致する。1 < μ ≤ 2 における [xmim, xmax] は、μ を変数として [μ(2 − μ)/4, μ/2] で与えられる。
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