1,2‐エタンジチオールとは? わかりやすく解説

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1,2‐エタンジチオール

分子式C2H6S2
その他の名称エチレンジメルカプタン、1,2-Ethanedithiol、Ethylene dimercaptan、エチレンメルカプタン、Ethylene mercaptan、ジチオグリコール、Dithioglycol、Ethane-1,2-bisthiol、1,2-Ethane-bisthiol、エチレンジチオール、Ethylenedithiol、1,2-エチレンジスルフィド、1,2-Ethylenedisulfide、1,2-Dimercaptoethane
体系名:1,2-エタンビスチオール、1,2-ジメルカプトエタン、1,2-エタンジチオール、エタン-1,2-ビスチオール、1,2-エタン-ビスチオール


1,2-エタンジチオール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/19 01:11 UTC 版)

1,2-エタンジチオール
識別情報
3D model (JSmol)
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.007.958
EC番号
  • 208-752-3
PubChem CID
RTECS number
  • KI3325000
UNII
CompTox Dashboard (EPA)
特性
化学式 C2H6S2
モル質量 94.20 g/mol
示性式 HSCH2CH2SH
外観 無色液体
密度 1.123 g/mL, 液体
融点

-41 ℃

沸点

146 ℃
63 ℃/46 mmHg

への溶解度 わずかに溶ける
溶解度 有機溶媒一般に易溶
酸解離定数 pKa 11
屈折率 (nD) 1.5589 (D線, 25 ℃)
危険性
GHS表示:
Danger
H226, H301, H302, H310, H312, H319, H330
P210, P233, P240, P241, P242, P243, P260, P262, P264, P270, P271, P280, P284, P301+P310, P301+P312, P302+P350, P302+P352, P303+P361+P353, P304+P340, P305+P351+P338, P310, P312, P320, P321, P322, P330, P337+P313, P361, P363, P370+P378, P403+P233, P403+P235, P405, P501
NFPA 704(ファイア・ダイアモンド)
Health 2: Intense or continued but not chronic exposure could cause temporary incapacitation or possible residual injury. E.g. chloroformFlammability 2: Must be moderately heated or exposed to relatively high ambient temperature before ignition can occur. Flash point between 38 and 93 °C (100 and 200 °F). E.g. diesel fuelInstability (yellow): no hazard codeSpecial hazards (white): no code
2
2
引火点 50 °C (122 °F; 323 K)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

1,2-エタンジチオール (1,2-ethanedithiol) は、有機硫黄化合物。強い臭いを持つ無色の液体。有機合成におけるビルディングブロックとして、あるいは金属イオンへのキレート配位子として用いられる。消防法に定める第4類危険物 第2石油類に該当する[1]

合成

1,2-エタンジチオールは市販されている。1,2-ジブロモエタンチオ尿素を縮合させ、生成物を加水分解して得ることができる[2]

用途

1,2-エタンジチオールは有機合成においてアルデヒドケトンを保護して 1,3-ジチオランの形で保護する際に用いられる[3]

1,2-エタンジチオールによるカルボニル化合物の保護

このような保護は、他の 1,2-ジチオールや 1,3-ジチオールによっても施すことができ、それぞれ 1,3-ジチオラン環、1,3-ジチアン環(6員環)を与える。エチレングリコールなども同様にカルボニル基を保護して 1,3-ジオキサラン環とすることができる。しかしアルデヒドを保護した 1,3-ジチオラン環の場合に 1,3-ジオキサラン環と大きく異なるのは、前者は硫黄に挟まれた C-H 水素を強塩基で引き抜き、求電子剤と結合させられる点である。

出典

  1. ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)
  2. ^ Speziale, A. J. (1963). “Ethanedithiol”. Organic Syntheses (英語).; Collective Volume, vol. 4, p. 401
  3. ^ Conrow, R. E. "Ethanedithiol" in Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis, Paquette, L. ed., J. Wiley & Sons, New York, 2004. DOI: 10.1002/047084289X.re008


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