霧笛 (1934年の映画)とは? わかりやすく解説

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霧笛 (1934年の映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/07 06:52 UTC 版)

霧笛
監督 村田実
脚本 国広周禄
須山真砂樹
原作 大佛次郎 小説『霧笛』
出演者 中野英治
撮影 青島順一郎
製作会社 新興キネマ新興キネマ京都撮影所[1]
配給 新興キネマ[2]
公開 1934年5月10日[3]
上映時間 93分[1]
製作国 日本
言語 日本語
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霧笛』(むてき)は、1934年に公開された村田実監督の日本のサイレント映画[3]で、現存する村田実監督作品2作のうちの1つ[4]

1933年東京朝日新聞に連載された大佛次郎の同名小説が原作[1]

横浜居留地を舞台に、西洋人の豪商とその妾、そして西洋人に仕える若者との三角関係を描いた作品[5]

脚本の国広周禄は監督である村田実のペンネームである[6]

あらすじ

明治初期の横浜居留地が舞台。主人公の千代吉(中野英治)は、主人である西洋人クーパー(菅井一郎)の召使として仕えていた。あるときお花(志賀暁子)と知り合い、恋に落ちるが、彼女は主人であるクーパーの妾であった。治外法権の蔓延る居留地における西洋人との対立と恋の行方を描く[7]

撮影技法

 古典的なハリウッド映画の手法を多用しており、サイレント映画の末期を迎える当時の日本映画における映画表現の変化の過程を汲み取ることができる。

  • 対話の場面においては登場人物を大胆にクロースアップすることで、人物の表情を観客に詳細に読み取らせるとともに、登場人物同士のクロースアップを繰り返し切り返すことによって対話のテンポをイメージさせる[8]
  • 登場人物のフレームアウト、フレームインを繰り返すことによって、フレーム外の映画空間の広がりを観客に感じさせる[8]
  • 一連の動作を複数のショットの中で滑らかに繋ぐ(カッティングオンアクション)ことによって、画角の切り替わりを自然に見せる[8]

スタッフ

  • 監督 - 村田実[3]
  • 脚本 - 国広周禄[2]、須山真砂樹[3]
  • 原作 - 大佛次郎[2] 小説『霧笛』[1]
  • 撮影 - 青島順一郎[3]
  • 照明 - 丸谷得太郎[2]

キャスト

以下の出演者名と役名はallcinemaに従った[1]


西洋人の主人を演じた菅井一郎だけでなく、主人公中野英治をはじめ相手役の志賀暁子も西洋風の服装やメイクアップをしており、異国情緒あふれる作品となっている。

受賞歴

リメイク

脚注

  1. ^ a b c d e allcinema.
  2. ^ a b c d 国立映画アーカイブ.
  3. ^ a b c d e kinenote.
  4. ^ 『増補版 日本映画史Ⅰ』株式会社岩波書店、10/6、251頁。 
  5. ^ 『日本映画作品大事典』株式会社三省堂、6/30、845頁。 
  6. ^ 『日本映画作品大事典』株式会社三省堂、6/30、845頁。 
  7. ^ 『増補版 日本映画史1』株式会社岩波書店、10/6、251頁。 
  8. ^ a b c 『日本映画論 1933-2007ーーテクストとコンテクスト』株式会社岩波書店、10/27、10-14頁。 
  9. ^ "キネマ旬報ベスト・テン1934年・第11回". キネマ旬報社. 1934年. 2022年2月16日閲覧

参考文献

外部リンク


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