重農主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/23 08:15 UTC 版)
重農主義(じゅうのうしゅぎ、physiocratie、英: physiocracy)とは、18世紀後半、フランスのフランソワ・ケネーなどによって主張された経済思想およびそれに基づく政策である。「physiocratie、physiocracy」は、「physeos kratesis(自然(の秩序)による統治/支配)」という言葉に由来している。1767年に、デュ・ポン・ド・ヌムールが編纂した『フィジオクラシー、または人類にとってもっとも有益な統治の自然な構成( Physiocratie, ou constitution naturelle du gouvernement le plus avantageux au genre humain)』が出版され、それ以降、この言葉がケネーらの思想を指す呼称として定着していった[1]。それ以前には、この学派は、単に「エコノミスト」と呼ばれていた。日本では、明治時代に「フィジオクラシー」が紹介された当初は「天理学派」「理物学派」などという訳語をあてられていたが[2]、アダム・スミスがこの派の学説を「農業のシステム」と呼んだことが知られるようになって、「重農学派」「重農主義」という訳語が定着するようになった。この学派の関心領域が農業理論に限定されていないことから、木崎喜代治ら現代の研究者は、原語のまま「フィジオクラシー」と呼ぶことが多い。
- ^ 木崎喜代治『フランス政治経済学の生成 経済・政治・財政の諸範疇をめぐって』110頁
- ^ 関未代策『F・ケーネー 生涯と思想』83頁
- ^ 橘木俊詔 『朝日おとなの学びなおし 経済学 課題解明の経済学史』 朝日新聞出版、2012年、15頁。
- ^ 津田内匠「自由貿易と保護主義の相克」、『自由貿易と保護主義 その歴史的展望』所収、31頁
- ^ Christian Gerlach, "Wu-Wei in Europe. A Study of Eurasian Economic Thought" (Department of Economic History London School of Economics March 2005)[1] (PDF)
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