遺伝子工学への応用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 09:53 UTC 版)
「インフルエンザウイルス」の記事における「遺伝子工学への応用」の解説
詳細は「タンパク質タグ」を参照 A型インフルエンザウイルスのヘマグルチニン (HA) は、早期から生化学分野で研究が進められたタンパク質である。このため遺伝子工学の分野でも早期から利用されてきた。 タンパク質の合成は、大腸菌などの生物を利用する場合がほとんどなので、できたものは目的のタンパク質とその他のタンパク質の混合物となることが多い。そこで、遺伝子工学の手法を使って、合成するタンパク質に、分離などがしやすくなるようなアミノ酸配列を組み入れて置くことが多い。それがタグペプチドである。タグペプチドは、そのタンパク質の機能そのものには大きな影響を与えず、サイズが小さいものが望まれる。 この目的のため、ヘマグルチニンに含まれる、9つのアミノ酸配列(YPYDVPDYA)からなるペプチドをHAタグと呼んで利用する。HAタグを組み入れる手法は1988年にイリノイ大学のタイらにより報告され、以後利用されてきている。HAタグが付いたタンパク質は、抗原抗体反応を利用して精製することが可能である。同様なタグペプチドとしてFLAGタグ、Mycタグ、Hisタグ、GSTタグなどが開発されているが、HAタグはこれらと並んでよく利用されているものの1つである。
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