逆位トリヨードチロニンとは? わかりやすく解説

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逆位トリヨードチロニン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/13 22:41 UTC 版)

逆位トリヨードチロニン
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChemSpider
IUPHAR/BPS
KEGG
MeSH Reverse+triiodothyronine
PubChem CID
UNII
CompTox Dashboard (EPA)
特性
化学式 C15H12I3NO4
モル質量 650.974
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

逆位トリヨードチロニン(3,3′,5′-トリヨードチロニン、3,3′,5′-triiodothyronine、またはrT3)は、トリヨードチロニン(3,5,3′-トリヨードチロニン、T3)の異性体である。

rT3は、甲状腺から血液中に放出されるヨードチロニンの中で3番目に多い0.9%であり、テトラヨードチロニン(レボチロキシン、T4)は90%、T3は9%を占める。ヒトの血液中のrT3の95%は、体内の別の場所で、酵素によってT4から特定のヨウ素原子が取り除かれる事で作られる[1]

甲状腺によるホルモンの産生は、視床下部脳下垂体によって制御されている。甲状腺ホルモンの生理活性は、プロホルモンであるT4を活性化したり、不活性化したり、単に廃棄したりして、T3やrT3を機能的に変化させる酵素のシステムで制御されている。これらの酵素は、神経伝達物質、ホルモン、代謝マーカー、免疫シグナル等のシステムの複雑な指示の下に作動する。

甲状腺機能正常患者症候群[注 1]のような状態では、rT3の血中濃度が上昇するが、これはrT3の生成量が変わらないのにクリアランスが減少する為である。このクリアランスの低下は、末梢組織におけるチロキシン-5-デヨージナーゼ活性の低下や肝臓におけるrT3の取り込みの低下によるものと考えられる[2]。また、重症患者、飢餓状態、胎児期には、チロキシン-5-デヨージナーゼ活性が上昇する為、rT3濃度が上昇する[3]

生成

脱ヨウ素化によるT4からのrT3の合成経路。T3T2の合成も示されている。

注釈

  1. ^ 甲状腺機能が正常で他の全身疾患を持ち、血清甲状腺ホルモンの検査値が低値を示す状態。

参考資料

外部リンク




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