観測問題へのアプローチ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 14:30 UTC 版)
渡部鉄兵は、観測における次の3つの条件のうち、いずれの2つも整合的であるにも関わらず、3つを同時に仮定できないことを観測問題と呼んでいる。 (A) 固有値と固有状態のリンク (B) 孤立系のシュレーディンガー方程式に従った状態の時間的発展 (C) 測定により測定値が得られる事実 渡部鉄兵は、いずれかの条件を否定することで観測問題は解決できるとし、条件(A)の否定として隠れた変数理論、条件(B)の否定として標準解釈の射影公準、条件(C)の否定として多世界解釈をそれぞれ挙げている。 量子状態(波動関数も含む)のシュレーディンガー方程式に従う決定論的な時間発展(ユニタリー時間発展)から状態の収縮を数学的に導くことはできない。ただし、そのことが直ちに量子力学の自己矛盾を意味するわけではない。
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