菊地貞三
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菊地 貞三(きくち ていぞう、1925年7月19日‐2009年6月4日)は、日本の詩人。
略歴
福島県郡山市に生まれる。昭和12年(1937年)安積中学校(福島県立安積高等学校)に進学[1] 、一年次に三谷晃一の勧誘を受け詩誌『蒼空』[2] 『蝋人形』[3]に投稿を始める[4]。昭和16年(1941年)『蠟人形』に入選作「青春の一頁」が掲載される[5]。1945年日本大学文学部を中退する、軍隊に入営(短期)の後間もなく終戦となり、戦後郷里で中学校教師となる[6]。「ほむら詩会」を創設し[4]、後に大滝清雄が主宰した詩会「龍」に合流する[4]。1950年中学教師を辞めて上京しフリーとなり、秋谷豊が創刊した詩会『地球』(第三次)に参加し同人となる[1]。1965年朝日新聞東京本社学芸部記者となり、主に演劇を担当する。1969年朝日新聞名古屋学芸部に転勤、以後9年間詩作から離れる[1]。1978年朝日新聞東京本社に戻る、以後鈴木亨主宰の詩誌「山の樹」を経て「木々」同人。1985年朝日新聞社を定年退社。2009年没[1]。
著書
- 『五時の影』 詩集 地球社 1959[7] 国立国会図書館内/図書館送信
- 『奇妙な果実』 詩集 昭森社 1962.1
- 『ここに薔薇あらば』 詩集 花神社 1985.7
- 『金いろのけもの』 詩集 花神社 1990.9
- 『菊地貞三詩集』土曜美術社 1992.2 (日本現代詩文庫)
- 『いつものように』 詩集 花神社 1994.6
- 『雛罌粟のように』 詩集 花神社 1998.2
- 『モロッコのロバ』 詩集 花神社 2001.11
- 『蛇がゆくように』 詩集 花神社 2005.9
- 『あの人 選詩集』 花神社 2008.6
- 『けれど・だなんて』 詩集 花神社 2009.5
- 『菊地貞三詩集』遺稿詩集 花神社 2014.9
受賞
- 1960年 第23回 読売短編小説賞 『早春』
- 1985年 第26回 晩翠賞 詩集『ここに薔薇あらば』
- 1995年 第28回 日本詩人クラブ賞 詩集『いつものように』
評論・解説
- 「「大つごもり」「サド侯爵夫人」の再演など--6月の公演」『テアトロ』第33巻第9号、1966年8月、63-69頁。
- 「俳優と詩の朗読」『テアトロ』第33巻第13号、1966年12月、101-04頁。
- 「聞かせる演劇--年間の新劇舞台より」『新劇』第14巻第1号、白水社、1967年1月、40-45頁。
- 「文学座「丸山蘭水楼の遊女たち」--あまりに"芝居"的な (劇評)」『テアトロ』 (通号 444)、1980年2月、30-33頁。
- 「東京演劇アンサンブル「銀河鉄道の夜」--詩の演劇的転化の問題 (劇評)」『テアトロ』 (通号 470)、1982年4月、26-27頁。
- 「青年劇場「ブーフーウー殺人事件」--創作推理喜劇誕生 (劇評)」『テアトロ』 (通号 483)、1983年5月、30-31頁。
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解説、あとがき
- 「選考のことば / 秋谷豊 ; 内山登美子 ; 片岡文雄 ; 菊地貞三 ; 齋藤怘 ; 坂本明子 ; 鎗田清太郎」、42-48頁。「第十七回現代詩人賞 選考のことば 納得のゆく結着」45頁。『詩学』第54巻第6号 (587)、東京 : 詩学社、岩谷書店、1999年6月、全国書誌番号:00009694、 ISSN 1342-5595、doi:10.11501/6065629。
- 「ひとりの女かく生きてあり」門田照子『門田照子詩集』、土曜美術社出版販売〈新・日本現代詩文庫 ; 58〉、2009年。全国書誌番号: 21535508、 ISBN 978-4-8120-1713-5。
- 「解説 知的抒情のなかの"ふるさと"」三谷晃一『三谷晃一全詩集』刊行編集委員会 (編)、コールサック社、2016年2月 474p。全国書誌番号: 22692615、 ISBN 978-4-86435-236-9。
- 「あとがき」斎藤哲夫『かまはしの子ら : 詩を書く村の小学生』、柴田書店、1964年。[8]
- 『郵政』、日本郵政公社広報部門広報部。第40巻第1号 (462) (1988年1月) doi:10.11501/2809697から寄稿。全国書誌番号:
00023723。
- 1988年1月「私たちのページ――読者さろん・随筆・詩・短歌・俳句・川柳 / 藤井文則 ; 黒澤路子 ; 岡野敏明 ; 目野成樹 ; 須賀幸恵 ; 菊地貞三 ; 長澤一作 ; 轡田進 ; 志水剣人」67-73頁。
- 連載「文芸のぺえじ」。第43巻第4号 (501)、1991年4月から第52巻第11号 (616) まで。
脚注
- ^ a b c d 『菊地貞三詩集』詩集 花神社 2014.9 略歴 174p
- ^ 『蒼空』 昭和15年6月号 「蒼い夜霧(小曲)」 3p
- ^ 大島博光記念館、長野詩人会議、『蝋人形』目次一覧
- ^ a b c 『三谷晃一全詩集』コールサック社 2016年2月 407p 410p 474p
- ^ 『蠟人形』昭和16年6月号 88p
- ^ 福島民報誌 2009年6月5日 訃報
- ^ “五時の影 : 詩集”. 国立国会図書館デジタルコレクション. doi:10.11501/1358767. 2020年3月25日閲覧。
- ^ 斎藤哲夫『かまはしの子ら : 詩を書く村の小学生』国立国会図書館デジタルコレクション。doi:10.11501/9544651。
参考文献
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出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。
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- 『文藝年鑑2007』
関連項目
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