単線織多様体
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 07:16 UTC 版)
代数幾何学では、体 k 上の代数多様体が線織多様体(ruled variety)とは、k 上の何らかの多様体と射影直線との積と双有理同値となる場合をいう。単線織多様体(uniruled variety)とは、有理曲線の族により被覆されている多様体をいう。(より詳しくは、多様体 X が単線織であるとは、ある多様体 Y と支配的有理写像(dominant rational map) Y × P1 → X が存在し、Y への射影を通して分解することができない写像であるときをいう。)この考え方は、直線により覆われるアフィン空間や射影空間の中の曲面を意味する 19世紀の幾何学の線織曲面(ruled surface)の考え方から現れた。単線織多様体は、多数存在するにもかかわらず、すべての多様体の中では比較的単純であると考えるられている。
- ^ Boucksom, Demailly, Păun and Peternell. J. Alg. Geom. 22 (2013), 201-248. Corollary 0.3.
- ^ 前の日本語版では、「滑らかな多様体の宮岡・森の定理の結果」として、 としていた。この条件が擬有効でないを意味する。
- ^ F. Bogomolov and Y. Tschinkel, Amer. J. Math. 127 (2005), 825-835. Theorem 1.1.
- ^ アーベル多様体のクンマー多様体とは、すべての元をその逆元への移す写像で割った商空間である。2次元アーベル多様体のクンマー多様体をクンマー曲面(Kummer surface)という。
- ^ 体の拡大 に対して、 でも保存される性質をスキーム X の幾何学的性質という。
- ^ T. Shioda, Math. Ann. 211 (1974), 233-236. Proposition 1.
- ^ 有理写像 f の像が X の中で稠密となる場合を支配的という。
- ^ E. Sato, Tohoku Math. J. 45 (1993), 447-460. Theorem.
- 1 単線織多様体とは
- 2 単線織多様体の概要
- 3 参考文献
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