特種東海フォレスト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/19 15:04 UTC 版)
| 種類 | 株式会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 〒428-0013 静岡県島田市金谷東一丁目753番地の1 |
| 設立 | 1979年(昭和54年)5月1日 |
| 法人番号 | 5080001013204 |
| 事業内容 | 土木・建築業、造園緑化業、山林事業、観光事業ほか |
| 代表者 | 代表取締役社長 海野行則 |
| 資本金 | 1億円[1] |
| 従業員数 | 73名[1] |
| 主要株主 | 特種東海製紙 100% |
| 外部リンク | www |
株式会社特種東海フォレスト(とくしゅとうかいフォレスト、Tokushu Tokai Forest Corporation)は、静岡県島田市に本社を置く企業。特種東海製紙グループの一社で、山林整備、緑化工事、土木工事などの事業を行うほか、同グループが静岡市葵区北部の大井川最上流部流域に所有する山林「井川社有林」内に静岡県・静岡市が所有する山小屋の管理運営を受託している。
静岡市葵区、浜松市中区、駿東郡長泉町にそれぞれ営業所を構える[2]。
事業内容
- 農林緑化事業(山林整備や公共施設・民間企業の造園工事・緑地帯整備)
- 土木事業
- 建設設備事業
- 観光事業(椹島ロッヂの運営管理および静岡県営・静岡市営の山小屋の管理受託、畑薙第一ダム - 椹島ロッヂ間の送迎バス運行管理)
- 保険事業(生命保険・損害保険代理店業務)
歴史
|
この節の加筆が望まれています。
|
1979年(昭和54年)に東海パルプの山林事業部を分社化し、株式会社東海フォレストとして創業。2014年6月17日に現在の商号に変更した。
観光・宿泊
椹島ロッヂなど当社が管理運営する各宿泊施設は一部を除き予約制となっており、毎日新聞グループの株式会社毎日企画サービス(毎日新聞旅行)が業務受託して予約センターを開設している[3]。
聖岳・赤石岳・荒川岳などの赤石山脈(南アルプス)南部の山々への登山口である椹島は、畑薙第一ダムから続く林道東俣線でアクセスするが、同林道は一般車両進入禁止となっているため、椹島に向かう登山者・観光客は、当社が運行する椹島ロッヂ行き送迎バスを利用することになる。このバスは誰でも乗車できる路線バス(乗合バス)ではなく、あくまで当社の宿泊施設を利用する客の送迎用という位置づけである。このため、当社管理のロッジ・山小屋に1泊以上宿泊することが乗車の条件となっている[4]。テント泊のみの場合や、当社の管理ではない宿泊施設を利用する場合は対象外である。運賃は往復とも無料。宿泊施設と同じくバスも事前予約が必要であり、宿泊の予約と同時に申し込みが可能。
2018年以前は、椹島からさらに先にある林道終点の二軒小屋ロッヂへも送迎バスが運行されていたが、同ロッヂが中央新幹線南アルプストンネルの建設工事に伴い営業を休止していることから、送迎バスも椹島止まりとなっている。
山小屋一覧
当社が管理するロッジ・山小屋は以下の通り。データは2025年時点のもの[5]で、変更される可能性がある。
| 画像 | 名称 | 所在地 | 標高 (m) |
収容 人数 |
キャンプ 指定地 |
備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 椹島ロッヂ | 林道東俣線沿い・椹島 | 1,100 | 80人 | テント20張 | 南アルプス白簱史朗写真館を併設 | |
| 千枚小屋 | 千枚岳南側 | 2,565 | 80人 | テント30張 | 静岡県営 | |
| 赤石小屋 | 赤石岳東尾根 | 2,500 | 50人 | テント15張 | 静岡県営 | |
|
|
荒川小屋 | 大聖寺平北方 | 2,500 | 50人 | テント30張 | 静岡県営 |
| 百間洞山の家 | 赤石沢上流百間洞右岸 | 2,500 | 30人 | テント20張 | 静岡市営 | |
| 熊の平小屋 | 仙塩尾根井川越 | 2,500 | 30人 | テント25張 | 静岡市営 | |
|
|
赤石岳避難小屋 | 赤石岳山頂南側 | 3,100 | 10人 | なし | 静岡県営 |
| 中岳避難小屋 | 荒川中岳山頂直下 | 3,080 | 5人 | なし | 静岡県営 | |
| 高山裏避難小屋 | 荒川中岳北西 | 2,450 | 10人 | テント20張 | 静岡市営 | |
| 小河内岳避難小屋 | 小河内岳山頂直下 | 2,780 | 5人 | なし | 静岡県営 |
このほか、かつては上述の二軒小屋ロッヂの運営も行っていた。同ロッヂは現在、同じく特種東海製紙グループである十山株式会社の所有となっている[6]。
不祥事
2018年10月、井川社有林内の当社施設において発生した焼却灰や生ゴミを当社従業員が繰り返し山中に投棄していたことが判明した[7]。許可を得ていない場所でのゴミ投棄は廃棄物処理法違反に当たり、私有地内であっても違法となる[7]。当社の調査によれば、1997年4月の椹島ロッヂ開設時より、同ロッヂにて長期保管が困難な生ゴミを、井川社有林内の「イタドリ」と呼ばれる場所に投棄することが慣例となっていた。また、二軒小屋ロッヂにおいても、2011年ごろに同ロッヂの焼却炉が故障しゴミの処理に窮したため、従業員が正確な法令知識を持たないままゴミを投棄するに至っていた[8]。
当社は、投棄されたゴミを回収して静岡市内の清掃工場で処分する方針を明らかにするとともに、当社および特種東海製紙の社長・取締役より報酬を一部返上する申し出がありこれを認めたこと、加えてコンプライアンス体制の整備や管理体制の強化などの再発防止策を公表した[8]。
脚注
- ^ a b “株式会社特種東海フォレスト”. 日経COMPASS. 2025年10月19日閲覧。
- ^ “会社概要”. 特種東海フォレスト公式サイト. 2025年10月19日閲覧。
- ^ “特種東海フォレスト予約センター”. まいたび. 毎日企画サービス. 2025年10月19日閲覧。
- ^ “送迎バス”. 特種東海フォレスト公式サイト. 2025年10月19日閲覧。
- ^ “山小屋情報”. 特種東海フォレスト公式サイト. 2025年10月19日閲覧。
- ^ “南アルプス南部の山小屋3年ぶりに再始動!”. いかわね新聞 No.18. 南アルプスユネスコエコパーク静岡地域連携協議会 (2022年8月1日). 2025年10月19日閲覧。
- ^ a b 堀之内健史、宮廻潤子、矢吹孝文「山小屋業者、エコパークに不法投棄か 静岡の南アルプス」『朝日新聞デジタル』2018年10月27日。2025年10月19日閲覧。
- ^ a b 「生ごみ及び焼却灰投棄に関するお詫びとお知らせ」『』(pdf)、特種東海製紙株式会社、株式会社特種東海フォレスト、2019年2月14日。2025年10月19日閲覧。
外部リンク
- 特種東海フォレストのページへのリンク