死の海とは? わかりやすく解説

死の海

作者川元祥一

収載図書死の海
出版社彩流社
刊行年月1992.10


死の海

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/27 15:39 UTC 版)

『死の海』
ドイツ語: Totes Meer
作者ポール・ナッシュ
製作年1941年
寸法40 cm × 60 cm (16 in × 24 in)
所蔵テート・ギャラリーロンドン
ナッシュが第一次世界大戦を題材として描いた『我々は新しい世界を創造している』(1918)

死の海』(しのうみ、: Totes Meer)は、ポール・ナッシュによる1941年の絵画。サイズは40.0インチ (102 cm)x60.0インチ (152 cm)であり、カンバスに油彩で描かれている。1946年以降、テート・ギャラリーのコレクションで保管・展示されている。

背景

ドイツ空軍の墜落した航空機の廃棄所が、月光に照らされている風景を描いている。飛行機の瓦礫が氷海のように表現されているが、これはカスパー・ダーヴィト・フリードリヒの『氷の海英語版』に着想を得たものである[1]

ナッシュは戦争芸術家英語版であり、第一次世界大戦第二次世界大戦の情景を描く職務に就いていた。1940年、ナッシュはイギリス空軍省で働くように頼まれ、『死の海』の製作を開始した。空軍省の重役の中にはナッシュの芸術スタイルを嫌っている者がおり、結局ナッシュはその年のうちに解雇された。1941年に『死の海』は完成し、同年に戦争芸術家諮問委員会英語版に売り出され、ナッシュは150ポンドを得た。

描写

この作品は、1940年8月にオックスフォード近くのカウリーにある金属製品回収所でのスケッチと写真をベースとしている。荒涼とした風景は、ナッシュが第一次世界大戦の戦争画家として描いた『我々は新しい世界を創造している英語版』や『メニン・ロード英語版』に似た画風である。また、当時ナッシュは画家アイリーン・エイガー英語版との関係が終わりに近づきつつあった上、呼吸器疾患に苦しんでもいた。なお、彼は最終的に呼吸器疾患により亡くなっている。これらの事情がこの絵にもの悲しい雰囲気を与えた可能性がある。

ナッシュは当初、この作品にIron Sea(鉄の海)という題名を英語で付けていたが、この作品が郵便葉書に複製されてドイツにプロパガンダとして送ることができるようになることを欲し、作品の題名を、ドイツ語のTotes Meer(死の海)に変更した。

ナッシュ自身はこの作品について以下のように書き残している。

突然それ(回収品集積所)が、私には押し寄せてくる大海のように見えた。今がたとえば月明かりの夜のような特別な状況だったら、君はこれが海上をうねる大潮や、打ち寄せている浦波のように感じるかもしれない。でも、何も動いていない。それは水どころか氷でさえない、何か静的で、死んでいるものだ。そう、金属を積み上げた、残骸だ。この海岸を侵略した、何百という空飛ぶ生き物なのだ(ナチの飛行機がこの国に最初に侵入して以来、何機の軍用機が撃ち落とされたか、もしくは漂着したのだろうか)。そこにある瓦礫たちが、欠けてゆく月光の下で、かつて空中で飛んでいたように動き、ねじれて、向きを変え始めるように見えるかもしれない。死後硬直の一種なのか? いや、瓦礫たちは死んで、じっとしているのだ。唯一動いているのは、影の中にハツカネズミハタネズミを探しながら、他の肉食動物の死骸の上を低く飛ぶ、アフリカオオコノハズクだ。もちろん、アフリカオオコノハズクは象徴としてそこにいるのではない。頭上の雲のふちとピッタリつながる形と色をしてそこに存在するのだ[2]

受容

戦争芸術家諮問委員会委員長のケネス・クラーク卿は、『死の海』を「これまでで最高の戦争画」と評した[2]。1941年5月にナショナル・ギャラリーでの国立戦争画展覧会に展示されたときにも肯定的な意見を受けた。1946年にテート・ギャラリーに提示され、第二次世界大戦の最も重要なイギリス絵画の1つと見なされている。

ギャラリー

脚注

  1. ^ Russell, Peter (2016). Delphi Complete Paintings of Caspar David Friedrich. Delphi Classics. ISBN 9781786565006. https://books.google.com/books?id=zCwbDQAAQBAJ 
  2. ^ a b "Art in War: Exploring a Painting", BBC

外部リンク


死の海

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 04:25 UTC 版)

デルフィニア戦記」の記事における「死の海」の解説

アベルドルン大陸南北分けている内海名前の由来は岸に近いところならばよい漁場となっているが、沖に出ると難破しやすいため。

※この「死の海」の解説は、「デルフィニア戦記」の解説の一部です。
「死の海」を含む「デルフィニア戦記」の記事については、「デルフィニア戦記」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「死の海」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「死の海」の関連用語

死の海のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



死の海のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの死の海 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのデルフィニア戦記 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS