極値点の判定条件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 14:29 UTC 版)
以下の判定法が非退化臨界点に対して適用できる。ヘッセ行列が x において正定値対称行列であるとき、f は x において極小である。 x において負定値対称行列であるとき、f は x において極大である。 x において正負両方の固有値を持つとき、x は f の鞍点である(これは x が退化する場合にも正しい)。 それ以外の場合には(この判定法だけでは)不確定である。特に、ヘッセ行列が半正定値や半負定値であるときにはこの判定法では何も言えていない。ただし、モース理論の観点からはもう少し述べることができる。 この判定法が何を言っているかという点だけでいえば、一変数または二変数の場合は簡単である。一変数の場合にはヘッセ行列は唯一つの二階導関数しか持たず、その二階導関数が x で正ならば x は極小で、負ならば x は極大であり、ゼロならば何もいえない。二変数の場合には、判別式は固有値の積になるから、判別式が使えて、判別式の値が正ならば(固有値がともに正またはともに負となるから)極値を持ち、負ならば二つの固有値が異なる符号を持つから鞍点となる。判別式がゼロのところは不確定である。
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