宇品丸とは? わかりやすく解説

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宇品丸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/30 14:57 UTC 版)

宇品丸(うじなまる)は、日本陸軍が保有した軍隊輸送船。軍需輸送や上陸戦の訓練などを目的として貨物船を購入のうえ改名・改装したもので、陸軍運輸部を代表する顔的な船だった[6]太平洋戦争末期に機雷空襲により大破したが、戦後に復旧されて民間で使用された。


注釈

  1. ^ 『昭和四年版 船主別日本船名録』では大正7年(1918年)建造となっている[1]
  2. ^ 「第五室蘭丸」は1930年6月にロパートカ岬付近で座礁事故を起こし、2か月後に函館港へ曳航され解体された[9][10]
  3. ^ 松原(1996年)は「クレーン」と記述しているところ[6]、図面ではデリックになっている[12]
  4. ^ 昭和11年特別大演習では、芝浦で戦車7両・装甲車7両・軽装甲車5両・牽引車4両・火砲4門・乗用車9両・トラック30両・サイドカー21両を収容して室蘭港で揚陸、小樽港で乗用車14両・トラック40両・サイドカー23両を収容して青森港に揚陸、室蘭に戻って最初に芝浦から輸送してきた車両を再収容して芝浦へ揚陸という計画になっている[16]
  5. ^ 『新潟市史』によれば清津、『陸軍徴傭船舶行動調書』によれば清津から蔚山経由で新潟[22]
  6. ^ 「国の船舶と朝鮮郵船株式会社との交換に関する政令」(昭和25年政令第25号)。払下げとなったのは「宇品丸」「興安丸」「壱岐丸」および元海軍タンカー「室津丸」[29]。なお、GHQ命令で使用中の朝鮮郵船所有船5隻「金泉丸」「咸鏡丸」「桜島丸」「天光丸」「安城丸」は、日本側に引き渡されずに韓国での使用が続いた。「咸鏡丸」は韓国で使用中に沈没し、「桜島丸」は北朝鮮に抑留されている[28]

出典

  1. ^ a b c d e f g h i 海商社(編)『昭和四年版 船主別日本船名録』東邦書院、1928年、30頁https://iss.ndl.go.jp/api/openurl?ndl_jpno=1112417 
  2. ^ a b c d e 日本海事協会(編)、運輸省(監) 『日本船名録 昭和33年』 日本海事協会、1958年、総トン数20トン以上の船舶の部42頁。
  3. ^ a b c d e f 日本海事協会(編)、運輸省(監) 『日本船名録 昭和35年』 日本海事協会、1960年、85頁。
  4. ^ a b 運輸省海運局外航課(監) 『日本鋼船船名表 昭和32年度版』 運輸省海運局外航課、1957年、109頁。
  5. ^ Hozan_Maru_Class
  6. ^ a b c d e f 松原(1996年)、302-303頁。
  7. ^ 昭光丸”. なつかしい日本の汽船. 長澤文雄. 2023年10月30日閲覧。
  8. ^ a b c 陸軍運輸部 「汽船購入ノ件」『大日記乙輯昭和四年』 アジア歴史資料センター(JACAR) Ref.C01001951500
  9. ^ 第五室蘭丸”. なつかしい日本の汽船. 長澤文雄. 2023年10月30日閲覧。
  10. ^ 「昭和五年(3)室蘭丸遭難関係」『本邦船舶遭難関係雑件』 JACAR Ref.B10074472300
  11. ^ 陸軍運輸部 「汽船購入ノ件」『昭和三年 陸支普大日記』第3冊 JACAR Ref.C01001951500
  12. ^ 「宇品丸“デリック”装置要領」『昭和四年 宇品丸図面』 JACAR Ref.C14020234300
  13. ^ 「泛水移乗設備」『昭和四年 宇品丸図面』 JACAR Ref.C14020234400
  14. ^ 松原(1996年)、65-67頁。
  15. ^ 第5師団参謀長 安岡正臣 「陸海軍連合演習実施ニ関スル件通牒」『昭和九年 密大日記』第3冊、JACAR Ref.C01007502600
  16. ^ a b 参謀本部 「昭和十一年特別大演習ニ宇品丸使用ノ件」『大日記乙輯昭和十一年』 JACAR Ref.C01006811900
  17. ^ 新潟市史編さん委員会(1997年)、180頁。
  18. ^ 『船舶輸送間に於ける遭難部隊資料』 JACAR Ref.C08050112700、画像48枚目。
  19. ^ 『船舶輸送間に於ける遭難部隊資料』 JACAR Ref.C08050112800、画像19枚目。
  20. ^ 『船舶輸送間に於ける遭難部隊資料』 JACAR Ref.C08050112800、画像22枚目。
  21. ^ 『船舶輸送間に於ける遭難部隊資料』 JACAR Ref.C08050112800、画像31枚目。
  22. ^ a b 厚生省援護局 『陸軍徴傭船舶行動調書』 1961年、JACAR Ref.C14020211500、画像49-50枚目。
  23. ^ a b c 新潟市における戦災の状況(新潟県)」『一般戦災ホームページ』 総務省。(2012年8月27日閲覧)
  24. ^ 新潟市史編さん委員会(1997年)、454-455頁。
  25. ^ 新潟市史編さん委員会(編) 『新潟市史 通史編5―現代』 新潟市、1997年。
  26. ^ 森下(1987年)、134、145頁。
  27. ^ 第7回国会 衆議院運輸委員会 第5号 1950年3月3日、岡田修一政府委員の発言。
  28. ^ a b 第33回国会 衆議院決算委員会 第2号 1959年11月6日、鹿野彦吉委員および賀屋正雄政府委員の発言。
  29. ^ 森下(1987年)、148-149頁。
  30. ^ 森下(1987年)、154-155頁。
  31. ^ 運輸省海運局外航課(監) 『日本鋼船船名表 昭和33年度版』 運輸省海運局外航課、1958年、68頁。


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