朝の歌 (エルガー)とは? わかりやすく解説

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朝の歌 (エルガー)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/11/08 14:45 UTC 版)

朝の歌』(あさのうた、: Chanson de Matin作品15-2は、エドワード・エルガーが作曲したヴァイオリンピアノのための楽曲。後に作曲者自身の手によって管弦楽編曲された。1889年から1890年頃に作曲されたことはほぼ確実であろうと考えられているが、初版の年は1899年である[1][注 1]

この曲と対を成す楽曲『夜の歌』作品15-1とはしばしば比較される。深遠さは求めるべくもないが、清々しい旋律の魅力により人気を獲得している。特に、電気録音発達前の20世紀初頭においてはサロン向け小品である作品15が、エルガー作品の中でも最も知られた曲のひとつであった[2]

エルガーは本作の旋律を1918年弦楽四重奏曲の第2楽章に引用している。

原曲版と管弦楽版が最も知られるが、他に作曲者自身によるチェロとピアノ、ヴィオラとピアノのための編曲がある。またエルガーの友人であったハーバート・ブリュワーによるオルガン版も存在する。

楽曲構成

アレグレット 2/4拍子 ト長調

4小節の導入に続き、ピアノのシンコペーションの上にヴァイオリンによって愛らしい旋律が奏される(譜例)。

譜例
\relative c' \new Staff \with { \remove "Time_signature_engraver" } {
 \key g \major \time 2/4
  g''4--_\markup { \dynamic p \italic dolce } g-- g8( fis) e( fis16 g) d8( c) a4~ a2
  b'4--_\markup { \italic { poco cresc. } } b-- b8( a) g( a16 b) g8( fis) d4~\> << d2 { s4. s8\! } >>
 }

演奏時間は約3分。

管弦楽版

管弦楽編曲版は原曲の2年後に出版され、『夜の歌』とともに1901年9月14日クイーンズ・ホール英語版において、ヘンリー・ウッド指揮するプロムナード・コンサートで初演された[3]

楽器編成はフルートオーボエクラリネット2、ファゴットホルン2、ハープ弦五部。『夜の歌』も同じ編成となっている。

脚注

注釈

  1. ^ 作曲年を1899年とする説もある[2]

出典

  1. ^ Kennedy, Portrait of Elgar, p. 283
  2. ^ a b Reisig, Wayne. Chanson de matin & Chanson de nuit, Op. 15 - オールミュージック. 2014年7月16日閲覧。.
  3. ^ Young, Elgar, O.M., p. 405

参考文献

  • Kennedy, Michael (1987). Portrait of Elgar (Third ed.). Oxford: Clarendon Press. ISBN 0-19-284017-7. 
  • Young, Percy M. (1973). Elgar O.M.: a study of a musician. London: Collins. OCLC 869820. 
  • 楽譜, Elgar: Chanson de Matin, Novello & Co., London, 1897, 1899.

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