教会の内部_(デ・ウィッテの絵画)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 教会の内部_(デ・ウィッテの絵画)の意味・解説 

教会の内部 (デ・ウィッテの絵画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/10 13:27 UTC 版)

『教会の内部』
オランダ語: Interieur van een kerk
英語: Interior of a Church
作者 エマヌエル・デ・ウィッテ
製作年 1668年
種類 キャンバス上に油彩
寸法 111.5 cm × 98.5 cm (43.9 in × 38.8 in)
所蔵 ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館ロッテルダム

教会の内部』(きょうかいのないぶ、: Interieur van een kerk: Interior of a Church)、または『ゴシック様式のプロテスタントの教会の内部』(ゴシックようしきのプロテスタントのきょうかいのないぶ、: Interieur van een protestantse gotische kerk: Interior of a Protestant Gothic Church)は、オランダ絵画黄金時代の画家エマヌエル・デ・ウィッテが1668年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。1927年に購入されて以来[1]ロッテルダムボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館に所蔵されている[1][2]

作品

最初、デ・ウィッテは教会の内部を鮮烈な色彩で描いたが、1660年代になると色彩を変化させる。この時期に制作された本作は、画家の新しい様式的発展の最良の作例の1つである。目を引くような前景の色彩はなくなり、代わりに暖かで抑制された色彩に変貌している[1]

デ・ウィッテもピーテル・ヤンスゾーン・サーンレダムも、主に教会の内部を描いたが、2人の取り組み方はまったく異なっている。サーンレダムが可能な限り正確に実在する教会を描写しようとしたのに対し、デ・ウィッテは違う建造物のモティーフを用いて、自身が望む効果が生まれるように配列し、組み合わせたのである[3]。本作に描かれている教会も合成されたもので、実存するものではない[1][2]。重い木の天井と左側のオルガンは、彼が旧教会 (アムステルダム)英語版で見たものにもとづいている。一方、柱頭を除く重厚な柱列は、シント・バフォ大聖堂 (ハールレム)英語版のものを手本にしている[1][2]。また、丸いアーチと教会内で輝く陽光は、完全にデ・ウィッテの想像上の産物である[2]

画面における距離感は明快に表現されているが、明確に表現された形態はすぐに暗がりに包まれるであろう[2]。デ・ウィッテは本物であるような印象を与えて、壮大な教会の内部を創造することができただけではない。彼は、そこに深く個人的な雰囲気を与えてもいる。画家は色調的意匠によって画面をやや幾何学的にまとめ、明確な空間表現を生み出している。人物像の動きと仕草は、暗い内部から示唆される静けさにふさわしい[2]

脚注

  1. ^ a b c d e Interior of a Church”. ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館公式サイト (英語). 2025年7月10日閲覧。
  2. ^ a b c d e f Interior of a Protestant Gothic Church”. ボイマンス・ヴァン・ベーニンゲン美術館公式サイト (英語). 2025年7月10日閲覧。
  3. ^ 『Making the Difference: Vermeer and Dutch Art』、2018年刊行、96頁。

参考文献

関連項目

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  教会の内部_(デ・ウィッテの絵画)のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

教会の内部_(デ・ウィッテの絵画)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



教会の内部_(デ・ウィッテの絵画)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの教会の内部 (デ・ウィッテの絵画) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS