張嘉貞とは? わかりやすく解説

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張嘉貞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/09 08:36 UTC 版)

張 嘉貞(ちょう かてい、665年 - 729年)は、唐代官僚政治家本貫蒲州猗氏県[1][2]

経歴

成紀県丞の張思義の子として生まれた[3]。弱冠にして五経挙に応じ、平郷県尉に任じられたが、事件に連座して免官され、郷里に帰った。長安年間、侍御史の張循憲が河東採訪使となると、嘉貞はかれに推薦されて武則天の謁見を受け、監察御史に抜擢された。のちに兵部員外郎となった。中書舎人に転じ、梁州都督秦州都督・并州長史を歴任した。その統治は厳粛で、民衆や官吏たちに畏れられた[1][4]

開元初年、突厥九姓が新たに帰順し、并州以北に散居していたことから、嘉貞は軍を置いて駐屯させるよう請願した。このため并州に天兵軍が置かれ、嘉貞が天兵軍大使となった。開元8年(720年)春、宋璟蘇頲が宰相を退任すると、嘉貞は中書侍郎・同中書門下平章事(宰相)に抜擢された。数カ月後、銀青光禄大夫の位を加えられ、中書令に転じた。嘉貞は中書舎人の苗延嗣や呂太一・考功員外郎の員嘉静や殿中侍御史の崔訓らを引き立てて、当時に「令公四俊、苗・呂・崔・員」と称された[5][6]

開元10年(722年)、玄宗が東都洛陽に行幸した。洛陽主簿の王鈞が嘉貞のために邸宅を修築し、御史の官を求めようとした。王鈞が賄賂を受け取っていたことが発覚すると、玄宗は朝堂に人々を集めて王鈞の処刑を決めようとした。嘉貞は速やかにその刑を執行するよう求め、罪を御史大夫韋抗や中丞の韋虚心に連座させて、かれらを左遷させた。この年の冬、秘書監の姜皎が罪を犯すと、嘉貞は王守一におもねって姜皎に杖刑を加えるよう上奏した。姜皎はこのため刑死した。まもなく広州都督の裴伷先が獄に下されると、嘉貞はまた杖刑を加えるよう請願した。兵部尚書張説が杖刑によって士を辱めることのないよう進言して、玄宗が受け入れたため、嘉貞は張説と反目するようになった。嘉貞の弟の張嘉祐が金吾将軍となり、兄弟で宰相と将軍の位に居並んだため、当時の人に畏怖された。開元11年(723年)、張嘉祐の汚職が発覚し、嘉貞は弟の罪に連座して、幽州刺史として出された。開元12年(724年)、戸部尚書に任じられ、益州長史を兼ね、判都督事をつとめた[7][8]

開元13年(725年)、王守一の罪に連座して、台州刺史に左遷された。また盧従願に代わって工部尚書定州刺史となり、知北平軍事をつとめ、河東郡侯に封じられた。開元17年(729年)、嘉貞は病のため東都洛陽で医療を受けたいと請願した。玄宗はこれを聞き入れ、医者の田休裕らを派遣して療養させた。この年の秋、嘉貞は死去した。享年は65。益州大都督の位を追贈された。は恭粛といった[9][10]

子に張延賞があった[11][12]

脚注

  1. ^ a b 旧唐書 1975, p. 3090.
  2. ^ 新唐書 1975, p. 4441.
  3. ^ 新唐書 1975, p. 2680.
  4. ^ 新唐書 1975, pp. 4441–4442.
  5. ^ 旧唐書 1975, pp. 3090–3091.
  6. ^ 新唐書 1975, p. 4442.
  7. ^ 旧唐書 1975, p. 3091-3092.
  8. ^ 新唐書 1975, pp. 4442–4443.
  9. ^ 旧唐書 1975, p. 3092.
  10. ^ 新唐書 1975, p. 4443.
  11. ^ 旧唐書 1975, p. 3093.
  12. ^ 新唐書 1975, p. 4444.

伝記資料

参考文献




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