建設技術研究所とは? わかりやすく解説

建設技術研究所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/19 08:52 UTC 版)

一般財団法人建設技術研究所
団体種類 財団法人一般財団法人
略称 CRL
設立 1945年(昭和20年)8月1日
解散 2014年(平成26年)4月21日
所在地 大日本帝国
東京府東京市京橋区銀座西3丁目1番地 建築会館1階(設立時)
日本
茨城県つくば市遠東904番地1(解散時)
主要人物 田中豊(理事長)(設立時)
石川栄耀(理事長)
内海清温(理事長)
飯島尚(理事長)(解散時)
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一般財団法人建設技術研究所(いっぱんざいだんほうじん けんせつぎじゅつけんきゅうじょ、英語名:Civil Engineering Research Laboratory)は、かつて存在した日本の研究機関。戦時中の1945年に軍需施設建設を背景に誕生し、戦後は国土復興における公共事業技術の基盤形成を担った。1963年には設計・コンサルタント部門を分離して株式会社建設技術研究所を設立し、日本の建設コンサルタント業界の草分けとなる。[1][2]

設立の背景

第二次世界大戦末期、敗色濃い日本では軍用飛行場や軍需施設建設のための土木技術者組織化が急務となっていた。1945年(昭和20年)、日本土木建築統制組合の理事会で、建設に関する技術及び事業の調査研究をおこなうことを目的とした財団法人設立の提案が承認される。同年6月23日、技術院より財団法人建設技術研究所の設立が許可され、同年8月1日に事務所を開設し、業務を開始した。

終戦後は軍需目的で蓄積した技術を平和利用に転換し、道路・橋梁・河川・港湾など公共事業の調査設計に活用した。

旧・建築会館の外観

主な事業内容

  1. 建設技術に関する研究
  2. 建設機器に関する研究
  3. 建設資材に関する研究
  4. 施工の機械化に関する研究
  5. 前各号の研究成果に基づく試作実験並びに実用化
  6. 建設国策に関する調査研究
  7. 建設労務に関する研究
  8. 建設に関する資料の収集及び頒布
  9. 建設計画若しくは研究の受託及び委託
  10. 建設機器の改良並びに製作の受託
  11. 建設技術要員の養成
  12. その他この法人の目的を達成するために必要な事業

沿革

  • 1945年(昭和20年)6月23日 ‒ 技術院により設立を許可される。[1]
  • 1945年(昭和20年)8月1日 ‒ 建築会館1階に事務所開設、業務開始。[1][2]
  • 1945年(昭和20年)8月14日 ‒ 帝国ホテルにて第1回理事会を開催。[2]
  • 1945年(昭和20年)11月20日 ‒ 終戦により技術院が廃止され、所管官庁が文部省に移る。[1]
  • 1945年(昭和20年)終戦以降 ‒ 公共インフラ復興事業に重点を移す。
  • 1949年(昭和24年)4月 ‒ 当時の鹿島建設社長・鹿島守之助の決断により、経営難に直面した財団を継承する目的で、鹿島技術研究所を設立(建設業界初の技術研究所)。[3]
  • 1958年(昭和33年)12月25日 ‒ 所管官庁が文部省・建設省共管となる。[1]
  • 1963年(昭和38年)4月4日 ‒ 建設技研株式会社(現・株式会社建設技術研究所)を設立。財団法人事業のうちの調査・設計業務を新会社に移す。[1][2]
  • 1973年(昭和48年)9月10日 ‒ 川越試験所設置。[1]
  • 1979年(昭和54年)3月1日 ‒ 筑波試験所設置。[1]
  • 2001年(平成13年)1月6日 ‒ 中央省庁再編により、所轄官庁が文部省から文部科学省に、建設省から国土交通省に変更。[1]
  • 2008年(平成20年)12月1日 ‒ 公益法人制度改革により、財団法人から一般財団法人となる。[1]
  • 2014年(平成26年)4月21日 ‒ 「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(第206条第1号)」の規定により解散。代表清算人は飯島尚(理事長)。[4]

後継組織

  • 1949年(昭和24年)4月、進駐軍の占領政策で日本土木建築統制組合は解散。経営難に直面した財団を、当時鹿島建設社長であった鹿島守之助の決断でこれを継承する目的で、鹿島技術研究所を設立した。[3]
  • 1960年代、日本の社会インフラの多様化と拡大に伴い、数多くの建設コンサルタントが誕生(東京オリンピックが開催された1964年(昭和39年)、建設コンサルタントの登録制度が発足することとなり、公共事業の委託契約は、建設コンサルタント登録業者の競争によって選定されることが前提とされた)。こうした流れの中で財団は、1963年(昭和38年)に建設技研株式会社(現・株式会社建設技術研究所)を設立。調査・設計業務を継承し、現在も国内外で事業を展開している。[1][2]

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j k 一般財団法人建設技術研究所 - 建設技術研究所の概要”. 一般財団法人建設技術研究所 (2025年9月18日). 2025年9月18日閲覧。
  2. ^ a b c d e 株式会社建設技術研究所 - 建設技術研究所の歩み”. 株式会社建設技術研究所 (2025年9月18日). 2025年9月18日閲覧。
  3. ^ a b 鹿島技術研究所 - 沿革”. 鹿島建設株式会社 (2025年9月18日). 2025年9月18日閲覧。
  4. ^ 官報 号外 第89号 40頁. 内閣府. (2014年4月21日). https://search.kanpoo.jp/r/20140421g89p40-8c/ 

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