小口高 (地磁気学者)とは? わかりやすく解説

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小口高 (地磁気学者)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/05 15:06 UTC 版)

小口 高(おぐち たかし、1930年3月31日 - 2010年12月27日)は、日本地球物理学[1]。元東京大学教授。地磁気オーロラなどの研究が専門で、第1次から第3次の南極観測隊に参加し、第12次の南極観測隊では隊長兼越冬隊長を務めた[1]

経歴

長野県岡谷市出身[2]長野師範学校附属小学校、旧制諏訪中学(長野県諏訪清陵高等学校の前身)、旧制第一高等学校を経て、東京大学理学部に進む[2]

1955年、東京大学の大学院生であった小口は、教授であった永田武に呼び出され、第1次南極観測隊の隊長に自分がなりそうだが、そうなれば一緒に来るかと尋ねられ、即座に同行を願い出た[3]。小口は、1956年の第1次南極観測隊員に加わり、続いて第2次、第3次の南極観測隊員にも参加した[2]。第3次の際には、地球物理担当として越冬隊に加わったが、この初期の一連の経験が、後に隊長を務めた第12次隊におけるリーダーシップの基礎になったと評されている[3]。1962年東京大学理学博士学位論文「極光帯における磁気嵐電離層擾乱及び極光の相互作用」)[4] 。その後、小口は、東京大学教授となり、1971年の第12次隊では自ら越冬隊長も務め[5]昭和基地から観測用ロケットを7機打ち上げてオーロラの観測を行なったり、深さ75メートルのボーリングを行なうなど、後年の観測に資する様々な取り組みを行なった[3]。また、小口は、南極におけるゴミ公害の問題をアピールし、その後のゴミ持ち帰りへの動きに先鞭をつけた[5]

その後は、1970年代後半からは、カナダなど北極域でのオーロラ観測を展開した[3]。また、さらに後には、名古屋大学太陽地球環境研究所の所長を、1993年まで務めた[6]

2008年には若井登とともに、『14人と5匹の越冬隊 1年遅れの本観測 南極観測第3次越冬隊の記録』を自費出版した[7][8]

著作

脚注

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  1. ^ a b “小口高さん死去”. 朝日新聞・朝刊: p. 35. (2011年1月7日)  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  2. ^ a b c “南極越冬隊記を復刻 諏訪信金、 500部 タロ、ジロ発見の記録も”. 読売新聞・東京朝刊・長野: p. 30  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  3. ^ a b c d 南極の歴史講話会の記録 第13回「南極の歴史」講話会(2013年6月22日 - 故 小口高 氏の業績と人柄を紹介 -”. 南極OB会. 2015年1月13日閲覧。:初出は、南極OB会報 第20号
  4. ^ 博士論文書誌データベースによる
  5. ^ a b “南極でもゴミ公害 越冬隊長 対策訴える便り”. 朝日新聞・東京朝刊: p. 22. (1971年3月24日)  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  6. ^ “太陽地球環境研究所所長に国分・東大教授を選出”. 読売新聞・中部朝刊: p. 22  - ヨミダス歴史館にて閲覧
  7. ^ “半世紀前の南極の記録を自費出版”. 朝日新聞・夕刊: p. 4. (2008年10月15日)  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧
  8. ^ 同書は、若井、小口の死去後の2013年に、諏訪信用金庫によって復刻版が作成された。:三浦亘 (2013年3月14日). “南極越冬の先人に学ぶ 岡谷出身・小口隊長の記録、諏訪信金が復刻”. 朝日新聞・朝刊・長野東北信: p. 31  - 聞蔵IIビジュアルにて閲覧

出典

外部リンク




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