富沢赤黄男とは? わかりやすく解説

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富澤赤黄男

富澤赤黄男の俳句

あはれこの瓦礫の都 冬の虹
くらやみへ くらやみへ 卵ころがりぬ
ゆく船へ蟹はかひなき手をあぐる
一本のマツチをすれば湖は霧
乳房に ああ満月のおもたさよ
乳房や ああ身をそらす 春の虹
偶然の 蝙蝠傘が 倒れてゐる
切株はじいんじいんと ひびくなり
南国のこの早熟の青貝よ
困憊の日輪をころがしてゐる傾斜
大地いましづかに揺れよ油蟬
大露に 腹割つ切りしをとこかな
寒い月 ああ貌がない 貌がない
戀びとは土龍のやうにぬれてゐる
戛々とゆき戛々と征くばかり
椿散るああなまぬるき昼の火事
海峡を越えんと紅きものうごく
満月光 液体は呼吸する
火口湖は日のぽつねんとみづすまし
灯をともし潤子のやうな小さいランプ
爛々と虎の眼に降る落葉
瞳に古典紺々とふる牡丹雪
石の上に 秋の鬼ゐて火を焚けり
秋風の下にゐるのはほろほろ鳥
羽がふる 春の半島 羽がふる
草二本だけ生えてゐる 時閒
落日に支那のランプのホヤを拭く
蝶墜ちて大音響の結氷期
賑やかな骨牌の裏面のさみしい繪
赤い花買ふ猛烈な雲の下
軍艦が沈んだ海の 老いたる鷗
零の中 爪立ちをして哭いてゐる
鶏頭のやうな手をあげ死んでゆけり
鶴渡る大地の阿呆 日の阿呆
 

富澤赤黄男

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/28 04:55 UTC 版)

富澤 赤黄男(とみざわ かきお、1902年(明治35年)7月14日 - 1962年(昭和37年)3月7日)は愛媛県出身の俳人。本名富澤正三(とみざわ しょうぞう)。新興俳句の担い手として、現代詩の一分野としてのモダニズム俳句を追求した。代表句に「蝶墜ちて大音響の結氷期」がある。




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