声区的適用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 17:50 UTC 版)
声区を指す場合、 19世紀初頭までは、男声歌手は換声点(ここでは最も顕な換声点を指す)より上の高音を実声でなくファルセットで歌っていたため、この時代に由来する古いベルカントの訓練法ではこの換声点より下を胸声区とし、換声点の上(頭声区)をファルセットとした。また、女声の場合は低音を出すために男声のような太い音色を出さざるを得なくなる点を最も顕(あらわ)な換声点とし、男声も女声も実音でほぼ同じ音域に換声点があると考えるため、女声は低音域以外は基本的にファルセットとなる。 頭声区(同じく換声点の上の声区)をさらに2つの声区に分けたときのいずれか(高いほうを頭声低いほうをファルセットとするケース、高いほうをファルセット低いほうを頭声と呼ぶケースなど)。男声が換声点より上の音域に実声を使用するようになってからは、実声の方を頭声、そうでないほうをファルセットとすることも多い。この考えに立つと女性の頭声とファルセットを区別することは困難で、女声にはファルセットと頭声の区別はない、とする見解もある。 諸声区のそれぞれに、実声とペアで1オクターヴ上にファルセットが存在するという捉え方もある(胸声区には胸声のファルセット、頭声には頭声のファルセットといった具合に)。
※この「声区的適用」の解説は、「ファルセット」の解説の一部です。
「声区的適用」を含む「ファルセット」の記事については、「ファルセット」の概要を参照ください。
- 声区的適用のページへのリンク