四度目は嫌な死属性魔術師
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| 四度目は嫌な死属性魔術師 | |
|---|---|
| ジャンル | なろう系、冒険 |
| 小説 | |
| 著者 | デンスケ |
| イラスト | ばん! |
| 出版社 | 一二三書房 |
| 掲載サイト | 小説家になろう |
| レーベル | サーガフォレスト |
| 連載期間 | 2015年6月30日 - 2021年11月16日 |
| 刊行期間 | 2016年12月15日 - |
| 巻数 | 既刊13巻(2025年8月現在) |
| 漫画 | |
| 原作・原案など | デンスケ |
| 作画 | 児嶋建洋 |
| 出版社 | KADOKAWA |
| 掲載サイト | ComicWalker→カドコミ |
| レーベル | MFC |
| 発表期間 | 2018年6月24日 - |
| 巻数 | 既刊14巻(2025年6月現在) |
| テンプレート - ノート | |
| プロジェクト | ライトノベル・漫画 |
| ポータル | 文学・漫画 |
『四度目は嫌な死属性魔術師』(よんどめはいやなしぞくせいまじゅつし)は、デンスケによる日本のライトノベル。『小説家になろう』にて2015年6月30日から2021年11月16日まで連載された[1][注 1]。2016年には第四回ネット小説大賞を受賞[2]、同年12月からはサーガフォレスト(一二三書房)より刊行されている[3]。イラストはばん!。
児嶋建洋によるコミカライズが、2018年6月24日より「カドコミ(旧ComicWalker)」(KADOKAWA)にて連載中[4]。
概要
いわゆる「異世界転生もの」で、主人公が現代日本人としての人格と知識を保持したまま、全く異なる異世界へ転生する物語。
題名にある「四度目は嫌」は、現代日本での人生を一度目として、転生の練習として行われた二度目、本番の転生となった三度目でようやく幸せを手に入れた事から、それを終わらせたくない、という意味で「四度目は嫌」。
輪廻神の勘違いから一切の才能や適性・宿命を受けられなかった主人公は、全てが空枠の状態(枠は全て魔力で満たされるが、魔法の適性がない)で悲惨な運命を約束されてしまう。悲惨な状況下で新たな属性「死属性」を生み出した二度目の人生は悲惨な結末を迎え、更に復讐を宣言した事で輪廻神から「呪い」まで受けてしまった三度目の人生でも、自分を愛してくれた母親を惨殺されてしまう。
しかし、死属性を駆使して霊となった母親を始め家族・仲間を得て、念願の幸せな生活に向けて努力を続けていく。
あらすじ
序章 一度目と二度目の終わり
修学旅行中だった主人公(天宮博人)は、乗っていた船がテロに遭ってクラスメイト達と共に死亡する。
一方、地球を含む複数の世界の輪廻を司る神ロドコルテは、他と比べて発展が著しく停滞している「とある世界」に悩んでた。何かのきっかけで崩壊する危険性すらあったのだ。そして異世界の神から「転生者」を使った世界活性化の噂を聞き、「念のため百人ぐらい」で試そうと準備を進める。主人公を含む102名の日本人が死んだのは、転生の準備が整ったタイミングであった。ロドコルテはいきなり問題のある世界に転生させるのではなく、まず順調に発展している世界(オリジン)に転生させて経験を積み」、その後に本命の世界(ラムダ)に転生する様に仕組む。そして転生者にチート能力を与えて転生させていく。しかし、ここでミスが発生する。
天宮博人(アマミヤ・ヒロト)と雨宮寛人(アメミヤ・ヒロト)を同一人物と勘違いしてしまい、最後に残った主人公に気付いた時には手遅れでゼロどころかマイナスの状態で転生させられる。オリジンで主人公は悲惨な状況に陥る。赤ん坊の時に親に売られて人体実験の被験者となり、実験により未発見だった八番目の属性(死属性)の習得に成功するが、過激な実験の果てに死亡する。死亡により解放された主人公は、アンデット化して周囲全てに憎悪をぶつけて復讐を果たすが、そこに転生者達が現れる。
他の転生者たちは恵まれた環境に生まれ、恵まれた才能を発揮して「百の勇者」という組織を作っていた。かつての同級生達との再会に喜ぶ主人公だったが、彼らは問答無用で一斉攻撃を仕掛けて無防備な主人公を殺す。消えゆく意識の中で主人公は、目の前にいるのが雨宮寛人と前世で死の直前に救おうとした成瀬成美である事に気付く。
死によっ再びロドコルテの下に帰還した主人公だったが、転生者への復讐はロドコルテの意図(発展の促進)を邪魔する事に繋がり、復讐できない様に主人公に「呪い」をかけて転生させる(次の転生は既に仕込まれており、ロドコルテにも中止出来ない)。
第一章 ミルグ盾国編
ダークエルフの母ダルシアの子(亡き父は吸血鬼)としてラムダに転生し、ヴァンダルーと名付けられた主人公。その後半年ほどは母の愛情に包まれつつ徐々に周囲の状況を知り、前世で身につけた死属性魔術を再習得する。こうして順調な生活を送っていた主人公だったが、ダークエルフの里に帰還する準備のため近くの町に行ったダルシアが帰ってこない状況に陥る。焦った主人公は周囲の死体(動物や虫など)、更に植物や物に至るまで霊を憑け(アンデット化)て探しに行くも、ダルシアは人間達によって火炙りにされて殺されていた。
町の広場で母の霊と再会した主人公はアンデット達が集めてきた情報から、領主のベステロ準男爵、討伐を主導したゴルダン高司祭、ダルシアを捕獲した冒険者グループ『五色の刃』、密告した猟師達などを知り、消えそうな母の霊を焼け残っていた骨の欠片に憑けて町から脱出する。そして密告した猟師達に復讐、その後凡そ二カ月に渡る隠遁の末に討伐隊が引き上げると、自身と支配下のアンデット強化に乗り出し、遂に母を殺したエブベジアの町に復讐を遂げる。
その後はミルグ盾国(及び宗主国アミッド帝国の勢力圏)から逃れるため、対立するオルバウム選王国を目指して人目を避けて南部の山脈地帯に向かう。そしてミルグ盾国の外れで冒険者に襲われていたグールの娘を助けて里に招かれ、平穏な生活を取り戻す。
滞在が一年を超えた頃、近隣で勃興したノーブルオークの国を殲滅した事でミルグ盾国パルパペック軍務卿に所在を察知される。未然に脅威を除くためグールキング・ヴァンダルー討伐が決定されるが、その背後には邪神系吸血鬼の影があった。しかしミルグ盾国に察知された事を覚った主人公は、グールたちを引き連れて境界山脈にある廃都へと退避し、討伐隊は敵影を捕らえられずに撤退する。
第二章 沈んだ太陽の都 タロスヘイム編
第三章 蝕王軍行進曲編
第四章 ハートナー公爵領編
第五章 怪物の遠征編
第六章 転生者騒動編
第七章 南部進出編
第八章 ザッカートの試練攻略編
第九章 侵犯者の胎動編
第十章 アルクレム公爵領編
第十一章 アルクレム公爵領編二
第十二章 魔王の大陸編
第十三章 選王領&オリジン編
第十四章 冒険者学校編
第十五章
第十六章 後日談
登場人物
主人公
- ヴァンダルー
- 吸血鬼の父とダークエルフの母の間に生まれた混血(ダンピール)で、銀髪で真紅と紫紺のオッドアイ、青白い肌の無表情な幼児。
- 父ヴァレンは吸血鬼の原種に仕える従属種で、日光への耐性に秀でていたため人間社会での裏活動に従事しており、その際にダークエルフのダルシアと知り合いヴァンダルーを儲けた。しかし、邪神派の主人に知られ追手から逃げる途中で死亡する。
- 二回の前世を含めて「幸せ」には縁遠く、死後も霊となってヴァンダルーに愛情を注ぐ母ダルシアには全く反論できない。
- 生後半年で母ダルシアが死亡、一歳でエブベジアの町に復讐を遂げる。その後グールの里に落ち着き、2歳半の頃にノーブルオークを討伐、2歳11か月で廃都タロスヘイムに到着する。
アンデット
- 骨猿、骨狼、骨熊
- 主人公が母を探しに行くときに、周囲の死体に適当な霊を憑依させて作成したアンデット(リビングボーン)。
- この時は大小様々なリビングボーンを作成したが、小動物や虫などを除くと骨人・骨鳥を含めた5体を後々まで強化し使い続ける。
- 三体とも種類は異なるが動物の骨なので、ボーンアニマル・ボーンビースト・ロトンビーストと同じ進化を遂げていく。
- 骨鳥
- 主人公が母を探しに行くときに、鳥の骨に適当な霊を憑依させて作成したアンデット(リビングボーン)。
- 鳥の骨とはいえランク2のボーンアニマルまでは飛ぶことが出来ずに非力であったが、ランク3でファントムバードに進化して飛べる様になり、主に索敵・偵察で活躍する。
- 骨人
- 主人公が母を探しに行くときに、白骨死体に適当な霊を憑依させて作成したアンデット(リビングボーン)。
- 人骨という事でランク2でスケルトンに進化、その後も動物の骨とは異なる進化を辿り、剣術・弓術・盾術などのスキルを習得していく。ただ憑いている霊が動物霊であるため、言葉はまだ理解できない。
- サム
- 山賊から奪った馬車に憑依してカース・キャリッジ化した元人間の男性。
- 貴族に使える使用人(馬番と御者を兼任)だったが代替わりで失職、娘を連れて都市に移動する途中で山賊に襲われ死亡。娘二人も惨殺され、山賊への強い恨みから怨霊化して留まってていたところを主人公によってアンデット化された。
- サリア / リタ
- サムの娘で、父と同じく怨霊化していたところをダンジョンで発見した鎧に憑依してリビングアーマー化(サリアがハイレグ型、リタはビキニ型)した。
- 貴族の使用人時代はメイドで、家事スキルを持っている。
グール
- ザディリス
- 百人規模のグールの里の長老(里長)。種族はグールメイジ。見た目は十代後半の雌で年齢は290歳(出産により外見が固定される)。
- 人間の冒険者グループに襲われていた所を主人公に救われ、グールの里に主人公一行を招く。グールの寿命は300歳と言われ老衰の症状が現れていたが、主人公の「若化」によって外見相当まで若返る。
- 主人公に無属性魔法を始めとする魔法技術を教え、師匠格となる。
- ヴィガロ
- 主人公が身を寄せたグールの里の若長。種族はグールバーバリアン、年齢は167歳。
- グールの雄としては知能が高い方で、寿命が近い事を悟っていたザディリスが次の里長として指名していた。
- バスディア
- ザディリスの末娘で女戦士(父はヴィガロ)。種族はグールウォーリアー。年齢は25歳で、未出産のため見た目も年齢相応に変化している。
- グール内での雌は魔法使いを除き出産する事で地位を高めていく習性があり、未出産であることを気に病んでいる。
- タレア
- ザディリスとは別のグールの里長。元人間の女性で、年齢は263歳。種族はグール。
- 武具職人の家に生まれ当人も職人として優れた才を持っていたが、生家の困窮から身売りされて娼婦となり、逃亡した先でグールに捕らえられてグール化された。
- グールになった後、武具職人・娼婦としての腕を使って里長に上り詰め、当初は十数人だった里を60人規模に拡大させ、更に武具の取引を通じて周辺のグールの里も影響下に置いていた。
- ザディリスの里とは異なり雌の多くが武具を始めとする生産に就いており、狩りは雄に任せる性による分業が進んでいた。
- 当人的には更なる勢力拡大を目論んでいたが、実はグールとしては寿命に近付きつつあった(影響下にある里も合わせると、ザディリス達の里より人数は多い)。
既刊一覧
小説
- デンスケ(著)・ばん!(イラスト) 『四度目は嫌な死属性魔術師』 一二三書房〈サーガフォレスト〉、既刊13巻(2025年8月12日現在)
- 2016年12月15日発売[3]、ISBN 978-4-89199-408-2
- 2017年5月15日発売[5]、 ISBN 978-4-89199-433-4
- 2018年1月20日発売[6]、 ISBN 978-4-89199-471-6
- 2018年7月15日発売[7]、 ISBN 978-4-89199-507-2
- 2019年3月28日発売[8]、 ISBN 978-4-89199-538-6
- 2019年10月25日発売[9]、 ISBN 978-4-89199-589-8
- 2020年10月15日発売[10]、 ISBN 978-4-89199-640-6
- 2021年6月28日発売[11]、 ISBN 978-4-89199-717-5
- 2022年3月22日発売[12]、 ISBN 978-4-89199-780-9
- 2024年11月15日発売[13]、 ISBN 978-4-8242-0321-2
- 2025年2月15日発売[14]、 ISBN 978-4-8242-0385-4
- 2025年5月15日発売[15]、 ISBN 978-4-8242-0428-8
- 2025年8月12日発売[16]、 ISBN 978-4-8242-0481-3
漫画
- 児嶋建洋(著)・デンスケ(原作)・ばん!(キャラクター原案) 『四度目は嫌な死属性魔術師』 KADOKAWA〈MFC〉、既刊14巻(2025年6月23日現在)
- 2018年12月21日発売[17]、 ISBN 978-4-04-065200-9
- 2019年6月22日発売[18]、 ISBN 978-4-04-065775-2
- 2019年12月23日発売[19]、 ISBN 978-4-04-064211-6
- 2020年6月22日発売[20]、 ISBN 978-4-04-064614-5
- 2020年12月23日発売[21]、 ISBN 978-4-04-064979-5
- 2021年6月23日発売[22]、 ISBN 978-4-04-680486-0
- 2021年12月22日発売[23]、 ISBN 978-4-04-680964-3
- 2022年7月23日発売[24]、 ISBN 978-4-04-681458-6
- 2022年12月23日発売[25]、 ISBN 978-4-04-681991-8
- 2023年6月22日発売[26]、 ISBN 978-4-04-682524-7
- 2023年12月21日発売[27]、 ISBN 978-4-04-683107-1
- 2024年6月21日発売[28]、 ISBN 978-4-04-683682-3
- 2024年12月23日発売[29]、 ISBN 978-4-04-684366-1
- 2025年6月23日発売[30]、 ISBN 978-4-04-684825-3
脚注
注釈
出典
- ^ a b “四度目は嫌な死属性魔術師”. 小説家になろう. 2025年10月17日閲覧。
“四度目は嫌な死属性魔術師”. 小説家になろう. 2025年10月17日閲覧。 - ^ “第四回受賞作”. 2025年10月15日閲覧。
- ^ a b “四度目は嫌な死属性魔術師1”. 一二三書房. 2025年10月17日閲覧。
- ^ 「「レジェンド・オブ・イシュリーン」「日本国召喚」などコミカライズ4本始動」『コミックナタリー』2018年6月24日。2025年10月17日閲覧。
- ^ “四度目は嫌な死属性魔術師2”. 一二三書房. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “四度目は嫌な死属性魔術師3”. 一二三書房. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “四度目は嫌な死属性魔術師4”. 一二三書房. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “四度目は嫌な死属性魔術師5”. 一二三書房. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “四度目は嫌な死属性魔術師6”. 一二三書房. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “四度目は嫌な死属性魔術師7”. 一二三書房. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “四度目は嫌な死属性魔術師8”. 一二三書房. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “四度目は嫌な死属性魔術師9”. 一二三書房. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “四度目は嫌な死属性魔術師10”. 一二三書房. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “四度目は嫌な死属性魔術師11”. 一二三書房. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “四度目は嫌な死属性魔術師12”. 一二三書房. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “四度目は嫌な死属性魔術師13”. 一二三書房. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “「四度目は嫌な死属性魔術師 1」児嶋建洋”. KADOKAWA. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “「四度目は嫌な死属性魔術師 2」児嶋建洋”. KADOKAWA. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “「四度目は嫌な死属性魔術師 3」児嶋建洋”. KADOKAWA. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “「四度目は嫌な死属性魔術師 4」児嶋建洋”. KADOKAWA. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “「四度目は嫌な死属性魔術師 5」児嶋建洋”. KADOKAWA. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “「四度目は嫌な死属性魔術師 6」児嶋建洋”. KADOKAWA. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “「四度目は嫌な死属性魔術師 7」児嶋建洋”. KADOKAWA. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “「四度目は嫌な死属性魔術師 8」児嶋建洋”. KADOKAWA. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “「四度目は嫌な死属性魔術師 9」児嶋建洋”. KADOKAWA. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “「四度目は嫌な死属性魔術師 10」児嶋建洋”. KADOKAWA. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “「四度目は嫌な死属性魔術師 11」児嶋建洋”. KADOKAWA. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “「四度目は嫌な死属性魔術師 12」児嶋建洋”. KADOKAWA. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “「四度目は嫌な死属性魔術師 13」児嶋建洋”. KADOKAWA. 2025年10月17日閲覧。
- ^ “「四度目は嫌な死属性魔術師 14」児嶋建洋”. KADOKAWA. 2025年10月17日閲覧。
外部リンク
- 四度目は嫌な死属性魔術師 - 小説家になろう
- 四度目は嫌な死属性魔術師 - カドコミ
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