バイキュービック補間とは? わかりやすく解説

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バイキュービック補間

(双三次補間 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/19 00:06 UTC 版)

バイキュービック補間と他の1次元および2次元補間の比較。 黒のドットは補間されたポイント、赤/黄/緑/青のドットは隣接するサンプルを表す。各ドットの高さはそれぞれの値を示す。

数学において、バイキュービック補間(バイキュービックほかん、英語: Bicubic interpolation)は2次元規則格子(英語: regular grid上のデータポイントを補間するための3次スプライン補間(データセットに3次補間を適用する方法)の拡張である。 補間された曲面 (画像ではなくカーネルの形状) は、バイリニア補間または最近傍補間によって得られる曲面よりも滑らかになる。 バイキュービック補間は、ラグランジュ多項式、3次スプライン補間、または3次畳み込みアルゴリズムを使用して実現できる。

画像処理では、処理速度が問題にならない場合の画像のリサンプリングで、バイリニア補間や最近傍補間よりもバイキュービック補間が選択されることが多い。 4ピクセル(2×2)のみを考慮するバイリニア補間とは対照的に、バイキュービック補間では16ピクセル(4×4)を考慮する。 バイキュービック補間で再サンプリングされた画像は、選択されたb値とc値に応じて、さまざまな補間アーティファクトが発生する可能性がある。

計算

上記と同じデータセットに対するバイリニア補間。 曲面の導関数は正方形の境界上で連続していない。
上記と同じデータセットに対する最近傍補間

四隅が

畳み込みカーネル
畳み込みカーネル(2次元に展開)

バイキュービックスプライン補間では、各グリッドセルに対して上記の線形システムの解が必要である。 同様の特性を持つ補間は、両次元に次のカーネルを使用した畳み込みを適用することで求めることができる。

行列表記用に0から1の間にシフトした畳み込みカーネル

行列表記を使用すると、方程式をよりわかりやすい方法で表現できる。 ひとつの次元で0から1の間の バイリニア補間 バイキュービック補間

コンピュータグラフィックスでの使用

バイキュービック アルゴリズムは、画像やビデオを表示用に拡大するためによく使用される (画像スケーリングを参照)。 一般的なバイリニアアルゴリズムよりも細かいディテールが保持される。

バイキュービック アルゴリズムは、画像縮小にも使用されるが、縮小時の再サンプリングは実光学系のズームアウトの作用と異なるため、他の方式のほうが適している場合がある。

パラメータaの影響

この図の下半分は上半分を拡大したもので、左側の線の鮮明さがどのように生み出されるかを示している。 バイキュービック補間によりオーバーシュートが発生し、尖鋭度(英語: acutanceが増す。

畳み込みカーネルの負のローブにより、オーバーシュート (電気工学)(ハロー)が発生する。 これによりクリッピングが発生する可能性があり、アーティファクト(リンギングアーティファクトも参照)になるが、尖鋭度(見かけの鮮明度)が増すため、望ましい場合もある。この効果は、パラメータ

以下は単純なグラデーション画像の16倍拡大と、標準テスト画像"cameraman"[11]の8倍拡大(一部)である。 前者の縦縞状の濃淡むらや、後者のこめかみ部分の人工的なまだら模様は、上記作用によるアーティファクトである。

なお、

再サンプリング位置の例

外挿補間

補間のために左右(または上下)に入力画像が2ピクセルずつ必要であり、画像の外周部は本来は無効な領域であるため、外挿補間の対応が必要になる。外挿補間の方式は実装により異なる。
以下は、最外周のピクセルをコピーして外挿する場合の例である。

最外周の画素値をコピーして外挿する場合の例

脚注

  1. ^ Rifman, Samuel S. (January 1973). “Digital rectification of ERTS multispectral imagery”. NASA Technical Report 73N28327. https://ntrs.nasa.gov/citations/19730019595. 
  2. ^ Bauer, Brian P. (February 1980). “SURVEY OF RESAMPLING TECHNIQUES USING MSS AND SYNTHETIC IMAGERY”. EDC Document 0044, USGS EROS Data Center: 12. https://pubs.usgs.gov/unnumbered/70159186/report.pdf. 
  3. ^ Wolberg, George (1994). Digital Image Warping, Third Edition. pp. 130-131. ISBN 0-8186-8944-7 
  4. ^ Simon, K. W. (January 1975). “Digital Image Reconstruction and Resampling for Geometric Manipulation”. LARS Symposia, Paper 67. http://docs.lib.purdue.edu/lars_symp/67. 
  5. ^ R. Keys (January 1981). “Cubic convolution interpolation for digital image processing”. IEEE Transactions on Acoustics, Speech, and Signal Processing 29 (6): 1153–1160. Bibcode1981ITASS..29.1153K. doi:10.1109/TASSP.1981.1163711. 
  6. ^ Keys (1981), pp.1153-1154
  7. ^ 呼称 "Catmull-Rom interpolation" が用いられた例:INTER_CUBIC should default to Catmull-Rom interpolation #17720
  8. ^ Keys (1981), pp.1154-1155
  9. ^ Wolberg (1994), p.130
  10. ^ a b c Simon (1975), p.3A-3
  11. ^ MIT Works Acquired Digitally - cameraman

関連項目

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