千歯扱き製造の道具
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 04:30 UTC 版)
早瀬にある「岩川商会」の千歯扱きの道具箱には番号が付けられ、一つの箱に入っていた道具の種類や数は不明だが、かなりの数の道具が揃っている。また数多くの焼印もあり、ほとんどが未使用に近い状態で残されている。その中には無料修理をうたった焼印がある。千歯扱きは数年に一度の修理が必要な道具で、修理が必要であるからこそ、行商が成り立っていた。修理が無料であれば、修理の手間賃や新しい商品の販売につながらず、自分の首を絞める結果になり兼ねない。無料修理の焼印は千歯扱き製造の末期に造ったものの、結局使うことが無かったと思われる。 また、千歯扱きの修理には、鍛冶の技術が必要で、炉や鞴など火作りの道具は欠かせない商品である千歯扱きも常に持ち歩いて移動することは困難である。行商には拠点が必要だった。行商先に拠点を設け、そこで修理したり、売りに出歩いたりしていた。千歯扱きの鍛冶屋には、技術はもちろんのこと、行商先とのネットワークを構築する能力も必要だったようである。
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