北川露頭とは? わかりやすく解説

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北川露頭

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/27 07:19 UTC 版)

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北川露頭
向かって左から、領家帯、明るい茶色の熱水変質脈、黒っぽい断層ガウジ層、少し緑がかった三波川帯。黒っぽい断層ガウジ層と三波川帯の間にある細い白い線が境界[1][2]

北川露頭(きたがわろとう)は、長野県下伊那郡大鹿村鹿塩、鹿塩川左岸[3]にある中央構造線露頭。南にある安康露頭と合わせて「日本の地質百選」・「国の天然記念物[4]である。

特徴

中央構造線は、西側に白亜紀に低圧高温型変成作用を受けた領家帯変成岩花崗岩、東側にジュラ紀付加体白亜紀に高圧低温変成作用を受けた三波川帯の変成岩が接する断層であるが、北川露頭ではその定義通りの姿を観察できる[5][6][7][8]

露頭に向かって右側(東側)の黒っぽい岩石が三波川帯の岩石、左側(西側)の薄い白っぽい岩石が領家帯の岩石である。断層の動きで破砕変質した部分のうち領家帯の白っぽい部分は、約1200万年前に熱水による変質を受けた部分。これは少し北の中央構造線上にある溝口露頭珪長質岩脈が貫入した時期に相当し、この時期に中央構造線に沿って大きな変化があったと推定される[8]

この露頭の「剥ぎ取り標本」が露頭近くの大鹿村中央構造線博物館に展示されており[2]、また同館ではウェブサイト上にて、北川露頭を含む中央構造線に関する情報を公開している[1]

脚注

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  1. ^ a b 中央構造線北川露頭”. 大鹿村中央構造線博物館 (2013年6月22日). 2016年5月15日閲覧。
  2. ^ a b 北川露頭はぎとり標本”. 大鹿村中央構造線博物館. 2016年5月15日閲覧。
  3. ^ 「伊那地域の中央構造線」『日本の地質構造100選』pp.16-17
  4. ^ 長野県 国指定等文化財 09 天然記念物”. 長野県教育委員会 (2016年4月26日). 2016年5月15日閲覧。
  5. ^ 「日本地方地質誌 4 中部地方」p.230
  6. ^ 「日本地方地質誌 4 中部地方」p.242
  7. ^ 『ジオパークを楽しむ本 日本列島ジオサイト地質百選』pp.34-35
  8. ^ a b 「日本地方地質誌 4 中部地方」pp.430-431

参考文献

関連項目

外部リンク

座標: 北緯35度40分36.5秒 東経138度03分50.5秒 / 北緯35.676806度 東経138.064028度 / 35.676806; 138.064028




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